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アイコン三国志外伝 作者:小金沢

董卓の章

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外伝(〇〇五)      野心と野望

~~~洛陽らくようの都 宮廷~~~


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「曹操に袁紹。面を上げい」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「ははっ! 皇后様におかれましては、
相も変わらず見目麗しく――」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「世辞はやめよ。老けたことはわらわが一番良く知っておる」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「ははあっ!」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「花のかんばせとうたわれた、あの頃が懐かしい。のう曹操よ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「はて、僕には全ての女性が美しく見えますゆえ」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「ほっほっほっ。お前は中原一の女好きであったな。
あの頃と全く変わらぬ。変わったのは官位だけか。
陛下が新たに設立した西園八校尉。
お前たちを推薦したのはわらわじゃ」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「身に余る引き立てに、この名族も感謝の言葉もなく――」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「だから世辞はいらんと言っておる。お前も変わらんな。
思えば今のわらわがあるのも、お前たちのおかげではある。
これはその些細な礼じゃ。
今日は久々に顔が見られて良かった。職務に励めよ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「はッ!」


~~~洛陽の都 宮廷前~~~


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「曹操よ、官位だけとはいえこの名族に肩を並べるとはな。
幼馴染として名族も鼻が高いぞ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「上から目線の賞賛ありがとう」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「黄巾賊の残党退治にいささかの功があったそうだな。
北門の門番が偉くなったものだと皆が噂しているぞ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「いらない情報ありがとう。
君こそ黄巾討伐で特に功績もないのに、八校尉に選ばれるなんてさすがだね」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「そうであろう。何もせずとも昇進せずにはいられない、
これこそ名族の威光のなせる業である!」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「本当に君は変わらないね。なんだかほっとするよ」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「ところで曹操、皇后様はなんのことを言っていたのだ?
お前や名族と面識があるようだったが」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「……まさか覚えていないのかい?
やれやれ、君らしいというかなんというか。
ほら、若い頃に君と二人で花嫁泥棒をしたことがあっただろう」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「おお、あったな。
名族もお前にそそのかされて無茶なことをしたものだ。
逃げる途中で足を痛めた名族を、お前は置き去りにしようとした」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「花嫁と君の二人をおぶれるほど怪力じゃないからね。
それに追っ手に犯人はここだと教えたら、平気で走り出したじゃないか」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「うむ、名族の底力を見せてやったな」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「あの時の花嫁が皇后様だ」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「へ?」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「あの騒ぎのせいでケチが付いて、嫁入りの話が流れたそうだ。
だが運命はわからないもので、その後に霊帝れいてい陛下に見初められ、
今の御身分になられたというわけさ」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「おお、そうであったのか。
道理で色々と引き立ててくださるとは思っていたぞ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「皇后様には忘れていたことを言わないのを願うよ」


挿絵(By みてみん) 淳于瓊じゅんうけい
「袁紹様、元気ですかーーッ!!
元気があれば西園八校尉にも選ばれる。行くぞーーッ!!」


挿絵(By みてみん) 許攸きょゆう
「フヒヒ。さすが袁紹様!
風・・・なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、名族のほうに」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「おお、淳于瓊に許攸ではないか」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「そういえば淳于瓊君も八校尉に選ばれたそうだね」


挿絵(By みてみん) 淳于瓊じゅんうけい
「八校尉ということでね、これから渋谷の駅前に立っていないといけない。
それはハチ公だバカヤローーッ!!」


挿絵(By みてみん) 許攸きょゆう
「メタ発言キタコレ! 自重しろww もちつけおまいらww」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「二人とも袁紹君に話があるようだ。それじゃあ先に失礼するよ」


~~~洛陽の都 曹操の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 曹洪そうこう
「お帰りなさい、曹操様。皇后様の話はなんだったんだ?」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「別に何も。ただの挨拶だよ。
それより僕から諸君に話がある」


挿絵(By みてみん) 夏侯惇かこうとん
「なんだ改まって」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「戯志才君と曹洪君を残し、
他のみんなは故郷に帰り、兵を集めて欲しい」


挿絵(By みてみん) 曹仁そうじん
「なんだと!?」


挿絵(By みてみん) 戯志才ぎしさい
「ほう、やっと重い腰を上げるか」


挿絵(By みてみん) 夏侯淵かこうえん
「わかった、すぐに戻ろう」


挿絵(By みてみん) 夏侯惇かこうとん
「いったい急にどうしたってんだ?
ちゃんと説明しやがれ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「近々、都にいられなくなる。
決起の時に備え、今から準備をするんだ」


挿絵(By みてみん) 夏侯惇かこうとん
「……説明になってねえぞ」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「知らないほうがいいこともある、ということさ。
とにかく急いで掛かってくれたまえ」


挿絵(By みてみん) 曹仁そうじん
「募兵するなら確かに曹洪は不向きだな!
金をけちって、ろくに兵が集まらないに決まってる!」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「それだけじゃない。これから都でつましい暮らしをしないといけないからね。
倹約家の彼にいろいろ助言してもらいたいんだ」


挿絵(By みてみん) 曹洪そうこう
「さっから聞いてれば俺をケチだのなんだのと……。
まあいい、曹操様の身は、俺の命に代えても守ろう」


挿絵(By みてみん) 夏侯淵かこうえん
「先に行っているぞ」


挿絵(By みてみん) 戯志才ぎしさい
「まごまごしていたくせにどんな心境の変化だ?」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「西園八校尉の筆頭は蹇碩けんせき君だ」


挿絵(By みてみん) 戯志才ぎしさい
「なるほど。流れは止められそうもないな」


挿絵(By みてみん) 夏侯惇かこうとん
「またお前らだけで納得してやがる。
曹操、戻ってきたらちゃんと話せよ!」


挿絵(By みてみん) 曹操そうそう
「ああ、約束するよ。
……さて、まずは手紙を書くとしようか」


~~~洛陽の都 十常侍の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 張譲ちょうじょう
「蹇碩が黄巾賊と内通していただとぉぉぉ……?」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「あんた、そんな大事なことを藪から棒に、
いったいどこからの情報なんだい?」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「わからん。矢文で届けられたんだが、
確かな証拠がいくつも書き連ねてあった」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「んまあっ! 本当に信用できるんでしょうねえ。
間違ってましたじゃ済まないのよ」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「あちこち手を尽くして裏を取った。
奴が黄巾賊の頭目の馬元義ばげんぎと内通していたのは間違いないようだ」


挿絵(By みてみん) 張譲ちょうじょう
「真実ならば蹇碩を処刑できるなぁぁぁ……」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「蹇碩ってば西園八校尉の筆頭だかなんだかに選ばれて、
あたしらの権力を脅かそうとしてたからねえ」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「あいつを邪魔だと思う奴らは十指に余る。
そのうちの誰かが密告してくれたのだろう」


挿絵(By みてみん) 張譲ちょうじょう
「わかったぁぁぁ……。矢文の送り主が誰であれぇぇぇ……。
これで蹇碩を始末しようぅぅぅ……」


~~~洛陽の都 王允の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 何進かしん
「まさか蹇碩がこんなにも急に殺されるとは……」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「同じ宦官ながら十常侍と敵対し、気骨もある奴だった。
奴がいなくなれば、十常侍の権勢はますます強まるだろう」


挿絵(By みてみん) 鮑信ほうしん
「やはり十常侍に対抗するには武力が必要だ。
味方してくれる諸侯を集めなければならん」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
「都の内にも朱儁しゅしゅんや皇甫嵩ら協力者はいるが、
彼らは独自の兵を持っていない。
兵力を持つ、外の協力者を探す必要がある」


挿絵(By みてみん) 何進かしん
「武力といえば、董卓の力は借りられんのか?」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「何を馬鹿なことを!!」


挿絵(By みてみん) 何進かしん
「ブヒィィッ!?」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「い、いや。すまぬ。
だが董卓は駄目だ。奴こそ黄巾賊の討伐に貢献し、図に乗っている。
あわよくば都を制圧しようと、任地への帰還命令も無視して、
都の近くに滞在し続けているのだ」


挿絵(By みてみん) 鮑信ほうしん
「ああ。董卓に助力を求めれば、虎に翼を与えるようなものだ。
董卓に対抗するためにも、やはり味方が必要だ」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
西涼せいりょう馬騰ばとうはどうだ?
朝廷への忠誠心も高いと聞くし、何より董卓の本拠地に近い。
本拠地を馬騰に攻められれば、董卓も撤退するのではないか」


挿絵(By みてみん) 鮑信ほうしん
「良き考えと思います。
私も河内かだい太守の王匡おうきょうなど、外に幾人か心当たりがある。
行って説得してきましょう」


~~~洛陽の都 郊外 董卓軍~~~


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「フハハハハハ!
宦官どもは互いに相争い、皇帝は無能。
将軍どもは吾輩を恐れて色を失っておる。
我が世の春が来たと言えるなあ!」


挿絵(By みてみん) 董旻とうびん
「ああ、兄貴が覇権を握る日も近いだろうなあ!」


挿絵(By みてみん) 李儒りじゅ
「その日をより確実にたぐり寄せるため、
魔王様に献策がございます」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「おう、なんだ? 言ってみろ」


挿絵(By みてみん) 李儒りじゅ
「あの呂布を、丁原ごときの下で遊ばせておくのは、
いささかもったいなくはありませんかな?」


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「呂布は俺の故郷にある冬、フラッと現れた異人だが、
たまたま丁原の世話になり、仕えることになっただけだ」


挿絵(By みてみん) 李儒りじゅ
「つまり丁原さえ除けば、呂布は魔王様のもとに
鞍替えするに相違ありません」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「なるほど! しかし呂布が怒って吾輩に刃を向ける危険はないか?」


挿絵(By みてみん) 李粛りしゅく
「呂布は温厚な男で、めったなことでは怒らない。
それに部下思いの奴だから、魔王様に逆らい、
部下を危険にさらすような真似はしないだろう」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「よしわかった! 丁原を氷人形ひょうにんぎょうにしてやれ!」


挿絵(By みてみん) 李傕りかく
「ならば暗殺は俺の甥の胡封に任せてくれ!
素手で誰でも絞め殺せる怪力の持ち主なんだ!」


挿絵(By みてみん) 胡封こほう
「絞められる……キュッと……」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「いや、たまには吾輩が自ら手を下そう。
偉くなってからは、なかなかこの手で人を殺す機会もないからな!」


挿絵(By みてみん) 郭汜かくし
「さすが魔王様だ!」


~~~洛陽の都 宮廷~~~


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「むう…………」


挿絵(By みてみん) 張譲ちょうじょう
「何を迷っているのだぁぁぁ……。
こんな好機を逃す手は無いぞぉぉぉ……」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「さすがのわらわも、夫と兄を殺すとなれば、躊躇もするわ」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「おやおや、情けないことだねえ。
しがない肉屋の娘が、皇帝を色香でたぶらかして皇后に収まったと、
あたしらは密かに感心していたというのに」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「うむ。見損なったぞ」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「相手は皇帝と大将軍ぞえ。慎重にもなるわ」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「実際に手を下すのは黄巾賊の残党で、
その場に立ち会うのは張譲だけ。
あんたには夫と兄を呼び出して欲しいと、ただそれだけのお願いじゃないの」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「二人とも急病で没したと発表し、その後は董卓に恩を着せ、
反対分子を始末させていく。なんの問題もあるわい」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「その董卓が問題ぞ。
あいつはわらわたちの思い通りに動くタマか?」


挿絵(By みてみん) 張譲ちょうじょう
「我々を見くびるのかぁぁぁ……?」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「董卓は底が知れぬ。それをわらわは恐れているのじゃ」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「あんた、いいかげんにしなさいよね。
ここまで聞いておいて、ただで帰れるなんて思っちゃいないでしょう?
あんたが断るなら、あたしらは別の協力者を探すだけよ。
もちろん、あんたを首だけの姿に変えてからね」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「わかっておる……。わかっておるが……」


~~~洛陽の都 宮廷~~~


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「陛下と何進が急逝されただと!?」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
「馬鹿な! あの二人は風邪も引かないような御仁だった。
十常侍が手を下したに決まっている!」


挿絵(By みてみん) 朱儁しゅしゅん
「そ、それが十常侍を束ねる張譲も、
奇遇にも病没したという情報が……」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「……どういうことだ? いったい何が起こっている?」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「何をまごまごしているのだ貴様らあっ!!」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
「董卓! た、帯剣したまま宮中に入るとは何事だ!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「今はそんな場合ではない。聞いただろう?
十常侍が反乱し、陛下と何進大将軍を殺した。
即刻、奴らを氷人形ひょうにんぎょうに変えてやらねばならぬ!」


挿絵(By みてみん) 朱儁しゅしゅん
「十常侍が反乱だと?
なぜ都の外に布陣していたお前がそれを知っているのだ?」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「細かいことはどうでもいい。ついでに教えてやる。
十常侍の裏で糸を引いているのは何皇后だ!」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「皇后様だと……?」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「貴様らが動かぬのならば、吾輩が代わって手を下してやろう。
謀反人どもは全員、血祭りに上げてやる!」


挿絵(By みてみん) 袁紹えんしょう
「董卓よ! 話は聞いたぞ。この名族も力を貸そう!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「話がわかる奴もいるではないか!
フハハハハ! 地獄の蓋を開くとするぞ!」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「……間違いない、黒幕は董卓だ」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
「ああ。そもそも陛下や何進を殺したのは十常侍だろうが、
董卓のこの対応の早さは異常だ。
間違いなく裏で一枚噛んでいる」


挿絵(By みてみん) 朱儁しゅしゅん
「え、袁紹も董卓と結託したのでしょうか?」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「それはあるまい。十常侍の反乱という話を鵜呑みにしているだけだろう」


挿絵(By みてみん) 士孫瑞しそんずい
「董卓め、この機に乗じて都を制圧する考えか」


挿絵(By みてみん) 朱儁しゅしゅん
「わ、我々はどうすれば……?」


挿絵(By みてみん) 王允おういん
「兵力を持たない我々は無力だ。
事態を静観し、最善手を探していく他あるまい……」


~~~洛陽の都 宮廷内~~~


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「殺れ! 殺りまくれ! 宦官は皆殺しだあっ!!」


挿絵(By みてみん) 董旻とうびん
「兄貴、宦官とそうじゃない奴はどう区別すれば良いんだ?」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「髭の生えてない奴はみな宦官だ!
生えてる奴も歯向かったら宦官だ!」


挿絵(By みてみん) 華雄かゆう
「了解した!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「何皇后を探すのも忘れるな!
あの女が首謀者だ!」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
(ひいいっ! あ、あたしは初めから反対だったのよ!
こんな計画うまくいきっこないじゃないの!)


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
(こ、声を上げるな! 見つかってしまうだろ!)


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「今さらじたばたするでない」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
(こ、皇后様!? な、何を――)


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「董卓! わらわはここじゃ!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「これはこれは皇后様であらせられるか!
自ら名乗り出るとは良い覚悟だ」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「肉屋の娘が皇后となっただけでも奇蹟的な僥倖。
それに満足すれば良いものを、さらに上をと欲をかいたのが運の尽き」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「ほおう。今さら殊勝なことを言っても手遅れだぞ」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「そんなことはわかっておる。
陛下が無能なのをいいことに、わらわが自ら朝政を握ろうと目論み、
十常侍に近づいた。その末路がこれじゃ」


挿絵(By みてみん) 張済ちょうせい
「魔王様! 近くに十常侍が隠れているぞ!」


挿絵(By みてみん) 趙忠ちょうちゅう
「ひいいいいいいっ!!」


挿絵(By みてみん) 胡軫こしん
「こっちにもいるぞ! 神妙にしやがれ!」


挿絵(By みてみん) 段珪だんけい
「お助けええっ!!」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「董卓よ、この者らはもちろん、わらわも貴様を見くびった。
報いは甘んじて受けるとしよう。
最後に聞かせてはくれぬか。
貴様はこの国を、漢室をどうするつもりぞえ?」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「さあな。そんな先のことは考えておらん。
まずは貴様と宦官を皆殺しにするだけだ!」


挿絵(By みてみん) 何皇后かこうごう
「……その単純さでどこまで行けるものか、
地獄で見守っておるぞ。さらばじゃ!」


挿絵(By みてみん) 樊稠はんちゅう
「む!? これは……毒酒をあおったか。
我らの手に掛かるくらいならばと、潔い最期であられた」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「フハハハハハ! 刀が血で汚れずに済んで良かったな。
よし、もう髭もどうでもいい。見つけた奴は片っ端から殺してやれ!」


挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)
「「「「おう!!!!」」」」


~~~~~~~~~


かくして皇帝と大将軍、国の柱石たる二人が没し、
宮中を牛耳っていた皇后と十常侍までが倒れた。
そして事態を収拾した董卓は、都を制圧することとなる。
+注意+
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