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アイコン三国志外伝 作者:小金沢

呉の章

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掌編(孫翊伝)      孫翊殺人事件

~~~建業けんぎょうの都~~~


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「この中に孫翊そんよく様を殺害した犯人がいる」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「本当アルか?」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「さ、殺人犯と同じ場所になんかいられるか!
私は部屋に戻らせてもらう!」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「つーかさ。戦場でなら全員が殺人してなくね?」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「それとこれとは話が別だ」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「朱治さんよぉ!
いったいなんの証拠があって俺たちを容疑者扱いしてやがんだ!?」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「孫翊様の屋敷の家人や守衛たちから事情聴取をした。
孫翊様が殺害された夜に、屋敷を出入りしたのはこの6人だけだ」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「むざむざ主人を殺されるなんて無能な守衛だな!」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「孫翊様は武術の達人だった。
それに同僚が犯人ならば、守衛も油断したことだろう」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「ああ。孫翊様は背後から刺されていた。
あの方ほどの達人が、見知らぬ刺客に背中を見せるはずがない」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「だ、だから犯人は気を許している相手だと言うのですか?」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「その可能性は高い」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「だったらオレは違うっしょ。
オレは寝返ったばっかで誰にも信用されてねーし」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「そんなことないアル。孫翊様は優れた武人なら親しくするアル。
甘寧も何度も屋敷に招かれてるアルよ」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「ち、ちょっと待って下さい!
孫翊様は我々6人と会っているのでしょう。
それなら一番最後に会った方が殺したことになるはずです!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「最後に会ったのは陳武だが、別れた時には生きていたと聞いている」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「そんな証言あてになるものか!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「孫翊様の屋敷は広い。帰ったふりをしてどこかに潜み、
陳武が去った後に殺したとすればつじつまは合う」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「ならば屋敷から最後に出た者が犯人であろう」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「最後に出たのは甘寧だが、彼は孫翊様にはじめに会っている。
別れた後に兵舎で遊んでいたそうだ」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「孫翊様の配下にサーファー仲間がいるんで、話してきたんスよ。
チョリースって」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「つまり誰にでも機会はあるというわけだ。
……優秀なお前たちを疑いたくはない。
下手人がいるならどうか名乗り出てはくれないか」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「名乗り出たら殺されるんだろ?
だったらわざわざ自分から吐く奴なんていねえよ」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「ならば――」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「犯人はてめェだ!」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「ぬおおっ!?」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「いかにも犯人ってツラしてんじゃねえか。
もうこいつでいいだろ朱治」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「な、何を藪から棒に……。
だいたい孫尚香、サマがなんで首を突っ込むんだ!」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「義姉ちゃんに依頼を受けた。旦那の孫翊を殺された義姉ちゃんだ。
アタシの代わりに犯人を見つけてくれってな。
だいたい孫翊はオレの兄貴だぜ。身内のオレが関わるのは当然だろ」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「尚香、気持ちはわかるが、お前の保護者代わりとしては感心しないな。
顔だけで決めつけるのは良くない」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「そうだそうだ!
悪人ヅラなら甘寧や谷利だって俺といい勝負だろ!」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「あぁん?」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「しかも甘寧は降将、谷利は元罪人だ!
孫翊サマを殺したっておかしくねえ」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「…………ほう」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「もう面倒くせーしさ、
全員で殺し合って、真っ先に死んだ奴が犯人でよくね?」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「そんな無法を認めるわけにはいかん」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「なら、アンタを殺せば認められるわけだな?」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「……本気で言っているのか?」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「孫皎まで熱くなってどうするのだ。
孫権様から事件の解決を任されたのは私だ。
私の指示に従ってもらおう」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「未亡人の義姉ちゃんから依頼されたオレの指示もだぜ!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「わかったわかった。尚香の意見も尊重する。
……それにしても解せないのは、
孫翊様の身体に多数の傷があったことだ。打撲痕に見えるのだが……」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「……白状するアル。孫翊様を殺したのはワタシかも知れない」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「ななななんですって!?」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「あの日、ワタシは孫翊様と手合わせしたアル。
ワタシの奥義が炸裂した手応えがあったアル。
でも孫翊様はすかさずカウンターを返して来たアル」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「傷はその時についたものか」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「孫翊様はなんともない様子で、ワタシはその後すぐに帰ったアル。
ひょっとすると帰った後に、ワタシの奥義が実は効いていて、
倒れたのかも知れないアル……」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「孫翊の兄貴は我慢強かったからな。
昔、オレに鼻を折られた時も平然と笑ってたし」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「待て。孫翊様の死因は背中を刺されたことだったはずだ。
陳武の奥義は関係あるまい」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「だがこう考えることはできる。
孫翊様は陳武の奥義で倒れた。その後に犯人がやってきて、背中を刺した」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「それならば気を許した相手でなくても背中を見せることになるな」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「つまり……ええと、つまりどうなるんだ?」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「誰にでも殺せたということだ」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「……やっぱ殺し合いで決めればよくね?」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「それが一番手っ取り早ェな。
要するに犯人にしてェ奴を殺せばいいんだろ?」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「き、気のせいか俺を狙ってないか……!?」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「この場で一番弱いのはお前だろうしな。殺しやすい」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「か、賈華だって弱そうじゃねえか!」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「賈華は暗殺部隊の所属だ。弱そうに見えるのはそう装っているだけだ」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「…………滅相もない」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「ま、マジで?」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「さあ武器を抜けよ! 丸腰じゃあ気が引けるしよ!」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「クッ……。た、ただでは殺されねえぞ!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「待った!!」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「今さら止めんなよ朱治!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「違う。犯人がわかったから止めたのだ」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「なんだと?」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「孫翊様の背中の傷は、明らかに左利きの者による刺し傷だった。
いま、全員が武器を抜いたから構えでわかる。左利きは一人しかいない。
犯人は……お前だ」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「なっ……お前だったのか! 辺洪へんこう!」


挿絵(By みてみん) 陳武ちんぶ
「そういえばずっと黙ってたアル。怪しかったアル」


挿絵(By みてみん) 谷利こくり
「逃げたぞ! 追えっ!」


挿絵(By みてみん) 甘寧かんねい
「逃がさねーし!」


挿絵(By みてみん) 賈華かか
「……逃がしません」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「甘寧と賈華に追われては逃げ切れまい。
これで解決だな」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「あいつら殺しちまわねェだろうな。
殺すなら義姉ちゃんの前で処刑しねェと」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「ふう、一時はどうなることかと思ったぜ!
顔のせいで犯人にされたらたまらねえや!」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「その通りだ。だから証拠を突きつけよう。
……犯人はお前だ」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「…………へ?」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「読めねェのか?
兄貴のそばに落ちてた密書だ。辺洪のバカが落としてったんだろうよ」


挿絵(By みてみん) 孫皎そんこう
「孫翊様を殺すよう命令しているな。
そのための屋敷内の潜伏場所や、
孫翊様の隙を狙えるよう生活パターンも事細かに書かれている。
機会をうかがっていた辺洪は、陳武と手合わせ後に倒れたのを幸い、
孫翊様を殺したのだろう」


挿絵(By みてみん) 朱治しゅち
「密書の筆跡を調べた。お前と一致している。
だが実行犯がわからなかったから、こうして容疑者を集めたのだ」


挿絵(By みてみん) 媯覧きらん
「ば、馬鹿な…………」


挿絵(By みてみん) 孫尚香そんしょうこう
「だから最初に言っただろうが。てめェが犯人だってな!!」


~~~~~~~~~


かくして孫翊殺人事件は解決した。
実行犯の辺洪はもちろん、媯覧も処刑され、
孫翊の墓前に首が供えられたことは言うまでもない。
+注意+
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