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アイコン三国志外伝 作者:小金沢

群雄の章

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外伝(韓遂伝 〇〇三)  天の怒り

~~~涼州りょうしゅう 官軍~~~


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「フン、やっと到着したか。グズグズしおって!」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「ひいいっ!!」


挿絵(By みてみん) 周慎しゅうしん
「と、途中で張純や烏桓の反乱が相次ぎ、対処を迫られていたのだ。
多少の遅れはしかたあるまい」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「見苦しい言い訳をしおって!
まあいい、さっさと賊軍を蹴散らして来い」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「し、しかし我々は都から遠路はるばる行軍してきたばかりで、
とても戦闘に入れる状態ではない」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「吾輩は陣地の構築や兵糧集め、偵察や付近の地形の把握と働き詰めだったのだ。
貴様らはただ歩いて来ただけだろうが。戦いは任せる」


挿絵(By みてみん) 陶謙とうけん
「ほっほっほっ。一理ありますな」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「し、しかし――」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「しかしもカカシもあるか!!
お前も氷人形ひょうにんぎょうにしてやろうか!?」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「ひいいいいっ!! わ、わかりました!
至急、攻撃を行いますです!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
(都に残してきた李儒りじゅの奴に、吾輩の言いなりになる、
なるべく無能な奴を指揮官にするよう工作しろとは言っておいたが、
あの馬鹿め、物には限度があるだろうが……)


~~~官軍 孫堅軍~~~


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「で、実際に攻撃すんのはオレらの役目と。
宮仕えってのは世知辛ェな。
どっかで海賊でもやってる方がよっぽど気が楽だぜ」


挿絵(By みてみん) 程普ていふ
「旦那様のお気持ちももっともですが、海賊では大望を叶えることはできません」


挿絵(By みてみん) 韓当かんとう
「それとも海賊王でも目指すか? 俺はどっちにしろついていくぜ」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「ありがてェが、海賊じゃ養えるのはせいぜい数百人ってところだ。
オレの夢は、この中原の奴らをまとめて家族みてェに暮らすことだからな」


挿絵(By みてみん) 程普ていふ
「そのためには地位や名声が必要です。
ここはじっと我慢し宮仕えに精を出すと致しましょう」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「わかったわかった。韓遂やら胡族に苦戦してるようじゃ、
そもそも大それた夢も語れやしねェもんな。
そんじゃあいっちょ――」


挿絵(By みてみん) 祖茂そも
「ああっ!? なんだあれは。俺の後ろに隠れろ孫堅様!」


挿絵(By みてみん) 黄蓋こうがい
「あの光は――まさか流れ星か?
こんな真っ昼間にあれだけの光を放つとは」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「ほほう、こりゃ絶景だ。
……なんてのん気なこと言ってる場合じゃねェな。
野郎ども、これは好機だ! 反乱軍の連中、きっと泡食ってるぜ。
その隙に蹴散らすぞ!!」


~~~反乱軍~~~


挿絵(By みてみん) 王国おうこく
「彗星だ! 落ちるぞ! 世界の終わりだ!!」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「なんてえ音と光だ!」


挿絵(By みてみん) 辺章へんしょう
「に、逃げた方が良いのではないか?」


挿絵(By みてみん) 李文侯りぶんこう
「そういえば聞いたことがある……。
漢の皇帝は天子と呼ばれ、すなわち天の息子だということだ。
こ、これは天の怒りなのではないか……?」


挿絵(By みてみん) 北宮伯玉ほっきゅうはくぎょく
「天の怒りだと?
い、言われてみればあの音は、まるで神様が怒鳴ってるように聴こえるぜ!」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「聴こえる~~!!」


挿絵(By みてみん) 王国おうこく
「ぎゃああっ!! ほ、星が落ちてきた! 落ちてきたぞ!」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「落ち着け! これは星じゃねえ。矢だ。矢を射掛けられてんぞ!」


挿絵(By みてみん) 辺章へんしょう
「て、敵襲だ! 迎え撃て!」


挿絵(By みてみん) 北宮伯玉ほっきゅうはくぎょく
「なんてこった。
まるで奴らは彗星が落ちるのをわかっていたような早さじゃないか!」


挿絵(By みてみん) 李文侯りぶんこう
「や、やはり漢の皇帝は天の力を味方につけているのか……?」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「そんな馬鹿な話があるか!」


挿絵(By みてみん) 李文侯りぶんこう
「し、しかしこの早さはそうとでも考えないと説明がつかない」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「まあまあ、とにかくここは逃げましょうよ。
兵士のみんなも怖がっちゃって戦いになりませんし」


挿絵(By みてみん) 王国おうこく
「に、逃げろ! 撤退だ!! 逃げるんだああっ!!」


~~~官軍~~~


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「フハハハハ! 蜘蛛の子を散らすようとはこのことか。
反乱軍どもめ、無様に逃げていったわ!」


挿絵(By みてみん) 華雄かゆう
「さすが魔王様だぜ!」


挿絵(By みてみん) 胡軫こしん
「魔王様バンザーイ!!」


挿絵(By みてみん) 周慎しゅうしん
「反乱軍は城に籠もったか。
よし、この勢いで攻め落とすぞ!」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「ちょいと待ちな。奴らは彗星に驚いて動揺しただけだ。
落ち着けば元通りになるし、一目散に逃げてったから
大した損害も与えちゃいねェ。力攻めはどうかと思うぜ」


挿絵(By みてみん) 周慎しゅうしん
「ほう、ならどうしろと言うんだ」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「城に籠もってる隙に後ろに兵を回してよ、
補給線を断っちまえばこっちのもんだ。
焦らず兵糧攻めと行こうじゃねェの」


挿絵(By みてみん) 陶謙とうけん
「ほっほっほっ。それも一理ありますな」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
(兵糧攻めだと?
そんなことをしたら遠征が長引いてしまうではないか!)


挿絵(By みてみん) 周慎しゅうしん
「むう……。
俺は張温将軍の意志に従おう。どうお考えですかな?」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「霊帝陛下は吉報を首を長くして待っておられるだろう。
そんな悠長なことをしている暇はない。ただちに攻め落とすのだ!」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
「……そうかい。
まあ大将はアンタだ。好きにやってくんな」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「ならば吾輩がこのような小城など一息に踏み潰して――」


挿絵(By みてみん) 樊稠はんちゅう
「魔王様しばしお待ちを。少しお耳に入れたきことが……」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「なんだ? ……ふむふむ。
フン、それは面白い。よしわかった!
城は貴様らに任せた。吾輩は胡族の対処をしてやろう!」


挿絵(By みてみん) 周慎しゅうしん
「な、なんだと? おい董卓。
まだ編成も決めていないのに勝手な真似は――」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「やかましい! 吾輩は吾輩の考えで動く!」


挿絵(By みてみん) 張温ちょうおん
「ひいいっ!!」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「さらばだ! フハハハハ!!」


挿絵(By みてみん) 孫堅そんけん
(あのヤロー、なんか企んでやがんな……)


~~~董卓軍~~~


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「樊稠、さっきの話は本当だろうな」


挿絵(By みてみん) 樊稠はんちゅう
「もちろんです。俺は涼州の出身で、
反乱軍の主要人物とは旧知でもあり、性情を熟知しています。
もちろん韓遂のこともよく知っております」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「韓遂に情報を横流しし、張温らを撃破させてやる。
そうすれば朝廷の力を弱め、一方で吾輩の名声を高めることができる。
一石二鳥の策と言うわけだな」


挿絵(By みてみん) 樊稠はんちゅう
「仰せの通りです。韓遂には俺から渡りをつけましょう」


挿絵(By みてみん) 董卓とうたく
「フハハハハ! よきにはからうがいい!」


~~~反乱軍~~~


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「あれえ? こんな夜更けにどこに行かれるんですか?」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「うおおっ!? か、韓遂か。驚かせるなよ」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「えへへ。なんかこそこそしてるから、後をつけて来ちゃいました」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「別にこそこそしちゃいねえよ。俺はここを出て行く。
胡族の連中に見つかったら面倒だっただけだ」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「みんなですげえことやるのは諦めたんですか?」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「だからすげえことを俺一人でやることにしたんだよ。
胡族の連中は頼りにならねえ。
あいつらは根っこのところで天子を恐れてる。
今度の騒ぎでそれが良くわかった」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「そうみたいですねえ。
神様が怒鳴ってる! 星が降ってきた! とか面白かったなあ」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「……アンタは違うみたいだな。
どうだ、こんなところからは出て、俺とすげえこと始めねえか?」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「せっかくですけどお断りします。
胡族のみんなや、辺章さんにも悪いですし」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「何か考えがあるみたいだな。
この劣勢もアンタならどうにかするんだろうよ。
まあ達者でな」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「ああ、そうそう。特に行くあてが無いんなら、
枹罕ふかんとか旗揚げするには持って来いですよ」


挿絵(By みてみん) 宋建そうけん
「枹罕だと? ……知り合いが何人かいるな。
わかった、考えておこう」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「お気をつけて~!
……さて、お待たせしちゃいましたね」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「全くだ。遅刻癖の噂は本当だったのだな」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「ええと、董卓さんの使いの方でしたっけ?」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「違う。樊稠の知り合いだ。
第三者の小生ならば、この城に潜り込むのもたやすい」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「とにかく董卓さんの意向を伝えに来たんですよね。
うれしいなあ。遠征軍の補給線とか教えてもらえたりします?」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「ふむ。まさにそれを伝えに来た。
なぜそれを予期しておられた?」


挿絵(By みてみん) 韓遂かんすい
「ぼくらは兵糧攻めを仕掛けられたら一番苦しいけど、
逆に兵糧攻めを仕返したら面白いなあって思っただけですよ」


挿絵(By みてみん) 賈詡かく
「噂通りの曲者のようですな。
話が早くて助かる。では取引と参ろう」


~~~~~~~~~~~~


かくして宋建は反乱軍を離脱し、
董卓は裏で韓遂と通じていた。
足並みの揃わない両軍は戦いの転機を迎えようとしていた。
+注意+
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