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アイコン三国志外伝 作者:小金沢

黄巾の章

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外伝(〇〇一~〇〇二)  義兄弟、再集結す

~~~洛陽らくようの都 大通り~~~

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「ふむ……黄巾賊に義勇軍か……」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「……これってデジャヴかしら?
なんでアンタまた黄巾賊と義勇軍の貼り紙なんて見てんのよ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「おお、張さん。いいところに来たな。ちょっと質問したいんじゃが」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「何よ。アタイはアンタに付き合ってるほど暇じゃないんだけど」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「わしが入るなら、義勇軍と黄巾賊のどっちがいいかのう?」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「アンタ、気は確かなの?
アタイと関羽と一緒になってこの前、黄巾賊の頭目を討ち取ったじゃないの。
そんな奴を黄巾賊が受け入れるわけないじゃない」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「でもわしは誰も殺しとらんぞ。みんな張さんと関さんがやったんじゃろが」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「アタイや関羽を義兄弟だとかなんとか言っておいて、
ずいぶん虫のいいコト言うじゃないの。そもそも――」


挿絵(By みてみん) 丁峰ていほう
「あーーっ! こいつだ! こいつでやんすよオヤビン!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「へ?」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「でかしたぞ! やいやいやいやい!
てめえか! てめえが劉備とやらか!?」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「いかにも劉備じゃが……。
はて、あんたらは誰じゃったかのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「まずいわよ。こいつらどう見ても黄巾賊だわ」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「てめえは俺のことを知らねえだろうが、
俺はてめえのことをよく知ってるんだ。
よくも鄧茂の兄ィを殺してくれたな!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「トウモ……ああ、この前のあいつか。
黄巾賊の頭目の」


挿絵(By みてみん) 丁峰ていほう
「鄧茂のオヤビンは、この李朱氾のオヤビンと、
義兄弟の盃を交わした仲でやんす!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「ちょっとちょっと待ちなさいよ。
横で聞いてれば話がおかしいじゃない。
この甲斐性無しが鄧茂を殺したって?
違うでしょそれは」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「ああん? なんだよてめえ。
関係ない奴が首を突っ込むんじゃねえよ」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「関係なく無いから言ってんのよ。
いい? 鄧茂を殺したのはこいつじゃなくて、ア・タ・イよ」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「はあっ?
おい丁峰、お前は兄ィを殺した奴を見たんだよな。
それはこの劉備で間違いないんだろ?」


挿絵(By みてみん) 丁峰ていほう
「間違いないでやんす。この目ではっきり見たでやんすよ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「……悪いけどそりゃ何かの間違いじゃ」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「しらばっくれるつもりか!?
こんなとこでくっちゃべっててもラチが開かねえ。
いいから黄巾党の支部まで来てもらおうか」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「待ちなさい。だからその手を放してアタイの話を聞きなさいってば」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「しつけえなカマ野郎!
てめえ誰に向かって命令してるつもりだ!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「アタイの命令よ!!」


挿絵(By みてみん) 李朱氾りしゅはん
「うひゃあああああっ!?
あぁぁぁぁぁぁぁげぼほぉっ!!」


挿絵(By みてみん) 丁峰ていほう
「お、オヤビンが! オヤビンが放り上げられて墜落死したでやんす!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「おいおい張さん。ちょっとやりすぎなんじゃないのか?」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「何を悠長なことを言ってんのよ!
鄧茂の仇として殺されるとこだったのよ!」


挿絵(By みてみん) 丁峰ていほう
「よ、よくもオヤビンを!
オヤビンたちの仇のお前たちの顔は覚えたからな!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「だからどっちもアタイだって言ってるでしょ!
アタイの顔だけ覚えときゃいいのよ!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「…………張さん。
そうやってわしをかばってくれるなんて、さすが義弟じゃなあ」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「かばってない! もともとアタイが仇であってんのよ!
あと義弟なんかになった覚えは無いって言ってるでしょ!」


挿絵(By みてみん) 甘洪かんこう
「おい! どうした丁峰!」


挿絵(By みてみん) 梁仲寧りょうちゅうねい
「ややっ! 李朱氾が殺されてるぞ!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「まずい、他の頭目どもが集まってきたわ。
ここはずらかるわよ」


~~~洛陽の都 河原~~~


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「やれやれ、これでもう黄巾賊に入るのは無理になってしまったようじゃのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「何を今さら……。
それにアンタが思ってるより状況は悪いわよ。
なんの弾みかわからないけど、
アンタが鄧茂を殺したことになってるみたいじゃない」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「わはは。なんだか照れるのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「笑い事じゃないっての!
本当に面倒ばっかり掛けるヤツねえ。
放っといたら黄巾賊に捕まって殺されそうじゃないの」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「今回のこれは不可抗力じゃろ。
それに張さんがおったら、なーんも心配はいらんぞ」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「フフン、まああんな雑魚ども、束になってかかってきても怖かないけどさ。
だからっていつまでも頼られたら迷惑よ。
そうね、やっぱり官軍に助けを求めるのが一番だわ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「官軍に入るのか? 宮仕えは気が向かんのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「心配しなくてもアンタを雇ってくれるような官軍なんていないわよ。
貼り紙にあったように義勇軍を作って、官軍の傘下に入りなさいってわけ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「おう、この前ちょいと手伝ってやったから賞金ももらえたしのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「それよそれ。それを元手に兵を集めて――。
ちょっと、賞金の半分を差し出してなんのつもりよ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「じゃから、義勇軍に張さんを雇うんじゃよ。
義兄弟だからって遠慮はいらんぞ」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「フン、見損なってもらっちゃ困るわよ。
アタイは金で動くような女じゃないわ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「そういえば張さんは張さんで、鄒靖すうせい将軍から別に賞金をもらっとったな。
こんな端金はいらんか」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「待ちなさいよ。一度出したものを引っ込めるなんて男らしくないわね。
いいから渡しなさいって。悪いようにはしないから」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「なんじゃい、やっぱり欲しいんじゃないか」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「違うわよ。この金で関羽を雇うのよ。
馬鹿強いアイツがいれば、どこの官軍だって喜んで受け入れてくれるわ」


~~~洛陽の都 黄巾党の拠点~~~


挿絵(By みてみん) 馬元義ばげんぎ
「李朱氾が殺された?」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「へい。しかも鄧茂を殺した劉備という奴の手に掛かったそうです」


挿絵(By みてみん) 馬元義ばげんぎ
「奴らは黄巾賊の中でも最弱クラスとはいえ、
頭目を二人も殺すとはなかなかの使い手だな」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「甘洪や梁仲寧が追っていますので、
じきに捕まるとは思いやすが」


挿絵(By みてみん) 馬元義ばげんぎ
「それならば問題ない。
雑魚の相手は雑魚に任せておけ。
それより馬を出せ。蹇碩に呼ばれているのだ」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「へい、ただいま!」


~~~洛陽の都 裏通り~~~


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「…………行ったか。
へへっ、馬元義の奴め。すっかり油断しているな。
俺が官軍と通じているとも知らずにのんきなことだ」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「黄巾賊と宦官の蹇碩の癒着を暴いた俺には、
莫大な褒美が与えられるだろう。
何が黄巾の世直しだ。くだらねえ。
一銭の得にもならねえような――うおおっ!?」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「て、てめえいつからそこにいやがった!?
今の話を聞いてねえだろうな!?」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「な、なんとか言ったらどうだ!?
脅しを掛けてきたって無駄だぞ。
…………んん? よく見たらお前、程遠志ていえんしを殺した奴じゃないか?」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「だったら話を聞いてわかっただろ?
俺は黄巾賊じゃなくてアンタらの味方だ。
だから俺は――と油断させて死ねえっ!!」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「ッ」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「ぎゃああっ! や、やめろ……。
俺を逆さ吊りにしてどうするつもりだ?
や、やめろって。お前の背丈から地面に叩きつけたら死んじまうよ!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「やっと見つけたわよ関羽!
……と思ったらなに遊んでんのよアンタ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「逆さになってるそいつも黄巾賊みたいじゃのう」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「だ、誰だか知らねえが助けてくれ!
こいつに辞めるように言って――。
あれ、今度は鄧茂と李朱氾を殺した劉備じゃねえか!!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「李朱氾まで劉備が殺したことになってんの!?」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「またわしを追ってる奴か。
わはは。なんだかわしも有名になったもんじゃのう」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「納得行かないわ! さっきのは現行犯で見られてたじゃないの!
丁峰とかいうヤツ連れてきなさいよ!
アタイが殺すとこ見てたでしょ!」


挿絵(By みてみん) 唐周とうしゅう
「な、何を言ってるのかわからねえが、
早いとこ助けてくれねえと、頭に血が上って来て……。ぎゃん!!」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「おお、見事なツームストンパイルドライバーじゃな」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「ちょっと関羽!
殺すなら丁峰の居場所を吐かせてからにしなさいよね!」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「………………?」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「いきなり言われてもなんのことかわからんじゃろうな。
なあ関さん。義兄弟のよしみで聞いて欲しいんじゃが、
わしと一緒に黄巾賊と戦ってはくれんかな?」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「タダでとは言わんぞ。ほれ、この前の賞金じゃ。
いやいや、義兄弟の絆を金で買おうってわけじゃない。
そもそも関さんと張さんが大将首を挙げたからもらえたわけで、
わしが受け取る道理じゃないからな。
まずはそこんとこをすっきりしときたいだけじゃ」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「いらないならアタイがもらうけど?」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「おお、金を受け取って、握手もしてくれたぞ。
これは交渉成立ってわけじゃな張さん!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「そうみたいね。良かったじゃないの。
じゃあ関羽がいればもう安心ね。
バイバイ、劉備。達者でね」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「ち、ちょっと何すんのよ関羽!
アンタと劉備とアタイに手を握らせてなんのつもりよ」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「これはわしにも関さんの言いたいことはわかるぞ。
わしら義兄弟3人で、力を合わせて戦おうってことじゃな!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「だからアタイはアンタらなんかと付き合うのは御免だって――」


挿絵(By みてみん) 甘洪かんこう
「いたぞ! 仇の劉備と関羽だ!」


挿絵(By みてみん) 梁仲寧りょうちゅうねい
「やややっ! 唐周が殺されているぞ!
また一つ罪を重ねたな貴様らあっ!!」


挿絵(By みてみん) 張飛ちょうひ
「いけない、黄巾賊だわ!
んもうっ! 官軍のところまでだからね。
アタイがアンタらに付き合うのは官軍に引き渡すまでなんだから!」


挿絵(By みてみん) 劉備りゅうび
「わはは! やっぱり張さん、関さんとは長い付き合いになりそうな気がするぞ」


挿絵(By みてみん) 関羽かんう
「……………………」


~~~~~~~~~


かくして義兄弟は黄巾賊に追われる身となり、
それに対抗するため義勇軍を結成した。
黄巾賊に狙われた三人の運命やいかに?
+注意+
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