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浴室の髪様

ここは、とある研究所。

休憩中、今日も今日とて、博士さんと助手君の無駄話が始まるのです。



「助手君、どお?」

「え? いきなりなんですか博士さん?」

「どぉ? どぉ?」

「? 何ですか、そんな胸をそらせて。すっごく突っ込みづらいデリケートな話題なんですが」

「胸の話じゃないわ! こほん、…もっと上よ」

「上? 今日も元気な鎖骨ですね」

「夜にオカマバーの予約取っておいたから」

「すいません博士さんの元気な鎖骨ごめんなさい」

「もう少し上の方」

「? …ああ、なるほど。髪染めたんですね。いつもは黒髪なのに、今日は少しブラウンがかった色ですね。今日は合コンですか?」

「その反応、かなり失礼だけれど大当たりよ。どう、おかしくない?」

「いいと思いますよ。ロリっぽくて」

「体型は?」

「いいと思いますよ。ロリっぽくて」

「顔は?」

「いいと思いますよ。ロリっぽくて」

「性格は?」

「出直してきてください」

「野郎、ぶっ殺してやらぁぁぁぁぁあッ!!」

「止めてッ!? おもむろに懐から出したエアガンの標準を眼に合わせるのは止めてッ!? …それにしても、髪染めてみたんですね。明るいイメージが出ていて、なかなか似合ってると思いますよ」

「少し悩んだけどね。髪の色って色々あるわよね」

「普通の髪の色では金髪、赤毛、栗毛、黒髪があるみたいですね。黒髪や栗毛の人は多くの民族に存在しますが、金髪と赤毛はそれぞれ全人口の2%ほどしか存在しません。天然の金髪を持つ人は白人の人が大部分ですね。赤毛は差別の対象になったという歴史もあります」

「なるほどね。そう考えると、髪を染める理由には、普段の自分と変わるという理由の他にも、金髪や赤毛に対する憧れみたいなものもあるのかもしれないわね」

「後は、加齢によって増える白髪を隠すという意味もありますね。白髪になる原因には、毛根でメラニンの生産が中止された後も、色素なしで新しい髪が伸びることで、髪の色素がゆるやかに減少していくために起きます。白髪は老人の象徴としてのイメージがあるので、若く見られたいために髪を染めるのでしょう」

「ヘアカラーの色っていっぱいあるわよね。どれくらいあるのかな?」

「色の種類はかなり多いので全部でいくつとは言えませんが、色別の特徴的な傾向を簡単に言うと、『マット』と呼ばれる緑色をベースにした、ややくすんだ色合いのヘアカラーは日本人特有の髪の赤みを抑えます。また、『カッパー』と呼ばれる十円硬貨のような赤銅色は、日本人の髪質はやや赤みがあるので最も定着しやすく、褪色も遅いと言われていますね」

「へ~。お年寄りの人がよく白髪を薄い紫で染めていたりするわ」

「日本人の髪は白髪になっても真っ白にはならずに黄ばんだクリーム色になりやすいんです。そこで、もっと自然な銀髪に近い色にするために少し紫で染めるということをしているのでしょうね。たまにほんとの紫髪のおばあさんを見かけてつい二度見してしまいましたが」

「40秒で染めな!」

「そのおばあさんピンク髪じゃないですか!?」

「アニメだと結構ありえない髪の色のキャラクターも多いわよね。ピンクは淫乱」

「すぐにその言葉出してきた博士さんに僕は驚きですよ!? そうですね、色々な髪色のキャラクターがいますよね」

「青髪はクールで貧乳なイメージが多いわね。あと恋愛は絶対失恋する感じ」

「クールなところ以外はまるで博士さんみた…、ああっ、余ったヘアカラーを眼に入れようとするのは止めてッ!?」

「眼まで染まっちゃえばいいのに。モテるわよ?」

「む、むぅ、それは少し考えますね」

「お尻の穴染めたらもっとモテるわ!」

「それ男の人にじゃないですかやだーッ!? そしてそれただ博士さんが僕が掘られるとこ見たいだけでしょッ!」

「まず最初はベージュでいいから」

「さして何も変わらないッ!?」

「金髪は王子様や主人公のイメージがあるけれど、オレンジ色だとヤンキーや不良っぽく見えてしまうわよね」

「そうですね。金髪も不良っぽいイメージはあります、ワン●ースのサ●ジとかGT●の鬼●とか」

「記憶せよ! ジェレミア・ゴッ●バルトを!!」

「そのオレンジ緑髪じゃないですかッ!?」

「オレンジなのに緑なんて…ハッ、早熟みかん!? ジェレミア・ゴッ●バルトはやはり童●。ゼロ×ジュレッ!」

「おい。しかもさりげなくなんか美味しそうな名前にしてるじゃないですか!?」

「温州蜜柑でございます」

「どっかの三国志のにこやかな文官が見えたんですが。銀髪のキャラは何かジョーカーキャラのようなイメージがありますね」

「なら助手君、銀髪にしましょう!」

「どこを?」

「下を」

「言うと思ってたッ!?」

「赤は熱血キャラが多くて暗いイメージは無いわね。緑は何か不人気なイメージがあるけれど、コアなファンがいるイメージがあるわ。助手君、上は緑、下は銀で染めてきて!」

「何故上だけ緑にしたッ!? 不人気まっしぐらじゃないですかッ!?」

「大丈夫、腐人気はうなぎのぼりだからッ!」

「そっちの『ふ』ですかッ!? いやでも、コアなファンがつくって言ってたし、もしかしたら博士さんも…」

「髪型は上も下もスキンヘッドね!」

「どこのピッコ●大魔王ですかッ!? 染める意味まるで無しッ!? それに下もって!?」

「いや~、私もピッコ●大魔王がパイ●ンなんて初めて知ったわ~」

「止めて、想像しちゃうからヤメテッ! 天然のパイ●ンの人は100人に一人くらいの割合でいるらしいですよ」

「えっ、100人に一人なんだ!? 案外レアなのね」

「あれ? 博士さん、こういう話題結構詳しいはずなのに、珍しいですね」

「だって、自分のこと調べるのって、結構恥ずかしくて…」

「…え?」

「…え?」

「助手君はいつも寝癖一歩手前みたいな無造作ヘアーよね。ま、キマってるからそれで良いけれど」

「セットが楽なんですよね、この髪型」

「たまにメガネかけてくるのも同じ理由よね」

「普段はコンタクトなんですけど、洗い忘れたり面倒だったりした時はメガネの出番ですね」

「短い髪型って良いわよね、手入れが楽そうで」

「博士さん、髪長いですもんねえ。普段は頭の上の方でまとめているからわかりづらいですが、実は腰ぐらいまであったりします?」

「さすがにそこまではないわね。髪のボリュームがありすぎてまとめきれずに部分的に横に流してはいるけれど」

「僕の場合、くせっ毛なのか髪質的に長髪には出来ないんですよね。直毛にするパーマも考えてはみましたが、手間と髪の伸びてくる時間を考えて断念しました」

「ロングストレートのカツラならここにあるわよ」

「なんでそんなものしれっと持ち歩いてるんですか!?」

「細かいことは考えず、とりあえず被ってみたら?」

「そ、それもそうですね。では、失礼して…、ど、どうです?」

「うんキモい」

「もっとこう何か期待してた僕の馬鹿ッ!」

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