黒き陰謀
ここは、とある研究所。
休憩中、今日も今日とて、博士さんと助手君の無駄話が始まるのです。
「ねえねえ助手君」
「はい、何ですか博士さん?」
「今回のタイトル、どこか卑猥だと思わない?」
「いきなりメタ発言はやめて下さい!? それで、タイトルですか。『黒き陰謀』ですね。陰謀と聞くと、幼い頃の心の傷が右手と共に疼き始めますが、別に卑猥なところは無いんじゃないですかね」
「助手君、そんな大怪我してたの!? 痕見せて!」
「中ニの頃の心の傷はね、一生消えないんですよ…」
「エターナルフォースエレ●ション、助手は勃つ」
「こら!? 博士さん、最初から中ニ病だってわかってたでしょ!」
「『はい、何ですか博士さん?』の辺りから」
「いや早すぎッ!? エ●パー伊東もびっくりですよッ!」
「助手君体大きいから、普通なら絶対あの小さな鞄の中には入らないわよね。でも任せて、私がちゃんと入れてあげる」
「止めて!? レ●プ目で包丁持って迫ってくるのは止めて!? 首だけにしてボートで運ぶ気満々じゃないですか!?」
「渡航先で首だけになった助手君を囲む外国人のゲ●達…、アリだな」
「ナシだッ! そんなもの想像する段階でナシッ!」
「ふ●っしーィィッ!! ふなっ、ふなっ、ふ●っしーィィッ!!」
「それどっちかというと着ぐるみ着た本体の方じゃなくて落語家の方じゃないですか!?」
「あのスタンドスゴいわよね、口で花火打ち上げちゃうんだもん」
「あの落語家はスタンドじゃありませんから!? というと何ですか、本体は着ぐるみでスタンドが落語家というわけわからん状況になるじゃないですか!?」
「本体もやたら動いて梨汁飛ばしてくるから、結構侮れないわよ。あの奇声もURYYYYYの一種だと解釈すると、はッ!? ふ●っしーは吸血鬼である可能性が微粒子レベルで存在する……?」
「梨汁眼から高圧で飛ばして人殺しちゃうんですね。波紋の使い手呼ばないと」
「師匠が自殺しちゃってまだまだ世間に波紋を与え続けている、あの人に来てもらうしかないわ!」
「そういう意味の波紋じゃないですから!? そのネタ前回もやってるし、ブラック過ぎますから!!」
「石仮面は、あります!」
「止めて!? これ以上やるとあの人本当に人間やめちゃいそうだから止めて!?」
「どこで間違えて、名誉という名の石仮面をつけてしまったのかしら…」
「博士さん、何かうまいこと言ったつもりでしょうけど、ドヤ顔で台無しですから」
「OBOOOOOOーッ!!」
「はいはい。まあそれはそれとして、どうして『黒き陰謀』というタイトルが卑猥に見えるんですか?」
「助手君にはわからない?」
「はい全く」
「だって、『黒き淫棒』よ!!」
「だと思ったッ!! そしてしれっと文字変えるの止めて下さいッ!! あと、そういうのはちゃんと伏せて!」
「淫棒が伏せるの? すっぽんが良いのかな!?」
「なに淫棒元気にさせようとしてるんですか!?」
「仕方ないわね。はい『黒●淫棒』」
「悪意しか感じられない伏せ方ッ!? むしろわかりやすくなっちゃってるじゃないですか!!」
「黒人のだと思う」
「もうっほんっとそういうの止めてッ!?」
「『●き淫棒』」
「あれ、なぜか今度は●の部分が気になる感じに…」
「『憎き淫棒』」
「それニコマで即堕ちしちゃうヤツじゃないですか!?」
「『くっ…殺せ』→『やっぱり●●●には勝てなかったよ…』の流れはある意味様式美よね」
「嫌なのに感じちゃうってヤツですね。僕は好きです」
「さて、助手君には刑務所で囚人先輩や看守から掘られカメラの前でア●顔ア●ルビーズしてるビデオレターでも送ってきてもらおうかしら」
「ア●顔ア●ルビーズって何ですか!? それを言うならア●顔ダ●ルピースでしょ!! って、これもこれで伏せ字だらけでひっどいッ!?」
「警棒は友達!」
「なんでだろう…何かやたら等身高いキャラが思い浮かぶと同時に、僕のお尻の穴がひゅんってなったんですが」
「私ギターやるから、助手君はうるさく動き回る方ね!」
「どこのお笑い芸人ですか!? でもそれで考えると、『助手and博士』ということになりますね」
「何言ってるの助手君? 逆よ逆!」
「え? 『博士and助手』ですか? でも、博士さんがギターの方やるんですよね? なら合ってると思いますけど」
「私の中で、助手君はいついかなる時でも受けだからッ!」
「なに『×』で結んじゃってるんですかッ!? あれ? でもそうすると、博士さんと僕はそういう関係ってことに…」
「サッカーやりましょ! 助手君ボールね!」
「あの、何かそういうフラグ立つ前に死亡フラグ立っちゃってるんですけど!?」
「ほらね、怖くない。ね? 怯えていただけなんだよね」
「この流れで行くと、僕は博士さんの指舐めていいんですかね?」
「あはは~、助手君って、ほんと面白いわよね~」
「止めて!? 『そういえば昨日飼い犬に餌やってなかったわ~』みたいなテンションで思い出したように通報するのは止めてっ!?」
「その者白き研究衣を纏いて金色の野に降り立ち、金色の玉を握りつぶすべしッ!!」
「大胆な犯行予告ッ!?」
「そんなことより、今日はバレンタインの話をするわよ助手君!」
「唐突にハンドル切りましたね。今日の雑談は長かった。しかし、なるほど。だからタイトルが『黒き陰謀』だったんですか。やや安直過ぎる気もしますが」
「作者へのメタ発言は止めてあげて! 私の胸が大きくならないから!」
「大きくなるもなにも最初からまな板…」
「面白い奴だ、気に入った。もぐのは最初にしてやる」
「せめて最後にしてッ!?」
「バレンタインについての考察を頼む、ベネット」
「もう博士さんノリノリですね。はいはいわかりました。バレンタインデーの由来は、時のローマ帝国皇帝・クラウディウス2世が、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で、ローマでの兵士の婚姻を禁止しました。ですが、それを見かねたキリスト教司祭だったウァレンティヌス(バレンタイン)が秘密裏に兵士を結婚させていましたが、皇帝にそれが発覚し、捕らえられ処刑されました。処刑の日は、ユノの祭日であり、ルペルカリア祭の前日である2月14日があえて選ばれたそうです。ウァレンティヌスはルペルカリア祭に捧げる生贄とされ、このためキリスト教徒にとっても、この日は祭日となり、恋人たちの日となったというのが由来とされていますね」
「結構血なまぐさい由来があるのね。今度、助手君にあげる義理チョコに赤いもの混ぜておくわね」
「不思議ッ、聞かなくても血だってわかるッ! 日本におけるバレンタインデーの始まりは神戸の洋菓子店モロゾフです。1936年2月12日に東京で発行されていた英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』へ 掲載した新聞広告で、チョコレートを贈ることを提唱したことが始まりとされています」
「あら意外に早いのね。もっと後かと思ってたわ」
「まだまだ普及には時間がかかります。1958年、日本初の百貨店販売が行われ、伊勢丹新宿本店でメリーチョコレートがバレンタインセールをしました。キャンペーンは3日間開催され、その間に売れたのは30円の板チョコ5枚と4円のカード5枚だけでした」
「まだまだ習慣的な定着には程遠いわね」
「1960年代になるとお菓子メーカーや百貨店がバレンタインデーを積極的に売り出すようになります。1960年には森永製菓が新聞広告などマスコミを通してバレンタイン企画を行い、チョコレートの販売促進を図りました。1965年には伊勢丹が1968年にはソニープラザがバレンタインフェアーを開催しています。
しかし、この頃は『バレンタインの贈答品=チョコレート』とはなっておらず、 新聞広告にもチョコレートの文字はありませんでした」
「結構企業も苦労してるのねえ」
「そうですね。そしてオイルショック(1973年)に見舞われ高度経済成長が終焉した1970年代前半頃になると、小売業界による積極的なマーケティングの成果もあってか、チョコレートの売上が急増します。小学校高学年から女子高生の学生層の間でバレンタインデーのチョコレートが急速に広まったのが大きな要因でした。この動きは1980年代後半頃には主婦層にも普及します」
「陰謀ね、淫棒だわッ!!」
「またしれっと字が違うんですが。1970年代後半頃に、女子が男子に親愛の情を込めてチョコレートを贈るという『日本型バレンタインデー』が社会に定着すると、さらに日本独自の習慣が登場します。1980年前半に登場した『ホワイトデー』と『義理チョコ』ですね。ホワイトデーは男性が女性にチョコを贈る日、もしくはもらったチョコのお返しをする日で、義理チョコは憧れの男性・女性に贈るケースや、上司や同僚、ただの友人などの恋愛感情を伴わない相手にもチョコレートを贈ることです。しかし義理チョコは1990年代後半以降衰退傾向にあり、今もその傾向は続いています。これに変わって台頭してきたのが、女性から女性へチョコレートを贈るという、いわゆる『友チョコ』です。友チョコの市場規模は近年も拡大傾向にありますね」
「『ホワイトデー』『義理チョコ』『友チョコ』も日本にしかないのね」
「他には男性から女性に贈る『逆チョコ』や、自分自身へのご褒美として贈る『自分チョコ』などもありますね」
「助手君は『ぼっちチョコ』よね!」
「せっかく配慮してメーカーが『自分チョコ』言ってるんですから、わざわざ言い直さないでくださいッ!」
「だっていわゆる『便所チョコ』じゃない」
「絶対くさいッ!? トイレはご飯を食べるところであって、チョコを食べるところじゃ…って、トイレはご飯食べるとこでもないッ!?」
「でも、そんな思いをする助手君だっている。社会って、むごいわよね」
「僕は一人しかいませんからッ!? そしてちょいちょい今日の博士さんは何かアンニュイですね」
「そうよね、助手君はいつも一人だもんね」
「別の意味にしか聞こえないッ!? 2006年2月にインターネットで情報提供を手掛けるアイブリッジ社が実施したバレンタインデーに関する独身男女(20代〜30代)に対するアンケートによれば、回答した300人のうち『チョコレート受け渡しの習慣なんかなくなればいい』という回答がOLで70%、同じく男性社員は50%であったそうです。男性側はホワイトデーのお返しが大きな金銭的な負担となっており、この義務的なイベントに対する不快感を強く持っている人が多いみたいですね」
「そりゃある程度の自由意思があるとはいえ、社会保障費みたいに徴収されるのを嫌がる人は多いんじゃない? 私も、プールが楽しかったのなんて小学2年生の頃までだったし」
「…下手なこと言うと博士さんのトラウマをえぐりかねないなので何も言いませんが、2007年2月マクロミル社によって行われた20歳以上39歳以下の会社員女性515名から回答を得た『バレンタインデーに関する調査』では『会社での義理チョコのやりとり、あった方がいい』が26%、『ない方がいい』が74%とネガティブなイメージがあり、調査年齢層の年齢が上がるほど否定的傾向が顕著に強くなる調査結果となっていますね」
「助手君は本命チョコもらったことある?」
「いえ、義理だけですね」
「なら、本命チョコあげようか?」
「えっ!? 博士さん、もしかして僕のこと…!?」
「助手君の写メ見せたら気に入っちゃってね~。白人のゲ●の人なんだけど」
「焼却処分だッ!!」
「博士さん、バレンタインのチョコにも格があるらしいですよ」
「? 何それ?」
「恋愛作家の片瀬萩●さんが各種バレンタインチョコの格付けをしたらしいんですが、バレンタインチョコの重要度や予算面から格付けをするとすれば、
本命チョコ≧自分チョコ>友チョコ>義理チョコ>義理友チョコ>義務チョコ
となるそうです」
「へえ、わかりやすくするとこうかしら。
四月ぐらいまでの気の迷い≧肥満チャンス>うわべだけの付き合い>キープ君>うわべだけの付き合いのさらにうわべだけの付き合い>金をドブに捨てる」
「あの…、ろくなのが一つもないんですが」
「助手君は何チョコが欲しい?」
「この流れでそれ聞かれて、答えられるわけないじゃないですか」