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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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うちの上から目線

 リビングに入るとシマシマシッポが座っていた。

「また入ってきたんですかー? 本当にどこから入ってくるのか……。もう自分の家だと思ってるでしょう」

 つんつんとおでこを突くと、僕の指のにおいを嗅いで、やけに反応していた。
 人差し指、中指と順番に確認するように鼻を近づけている。
 パッと両方の手の平を広げてみせると、慌てたように急いで鼻を動かしていた。

「あはは、サンドイッチを食べたから、そのにおいがしてるんですか?」

 とシマシマシッポと交流して、ふとテーブルの上を見ると、うちの猫が座っていた。
 床にしゃがんでいる僕からは、見上げる位置だ。

「あっ、いたんですね……」

 声をかけるが特に反応はない。
 シッポを叩きつけたりもしていないし、鳴くこともない。
 指を近づけると、スッと避けられてしまった。
 目は半分閉じたような状態で、怒ったときの顔でもない。
 無の表情だ。

「えっと……これは……どうしたんですか?」

 やはり反応はない。
 無の表情のままだった。

 シマシマシッポがソファーの近くに、ペタリと寝ころんだ。

「どうかしたの?」

 という表情で、落ち着かない様子だ。
 うちの猫の様子がおかしいのが、わかるようだ。

 うちの猫がソファーの背もたれの部分にひょいと飛び乗って、座った。
 シマシマシッポの真上だ。
 無の表情で、シマシマシッポをただ見下ろしている。

 ――なんですか、それ……。すごいプレッシャーですね……。

 シマシマシッポも頭上からの圧力を感じたのか、あたふたと窓際に移動する。
 するとうちの猫もシマシマシッポに合わせて移動した。
 テーブルの上から無の表情で見下ろしている。

「ふごぉ……」

 もう外に出たいです、というように、シマシマシッポが窓を引っかいて、僕をチラチラと見つめる。

「そうですね。外に出ておいたほうがいいかもですね。今日はちょっといつもと違うみたいなので……」

 窓を開けると、シマシマシッポはトコトコと走り去っていった。


 トイレに行って、戻ってきても、うちの猫はテーブルの上で無の表情のまま動かない。

 ――いったいどういうことなんでしょう……。何か理由がありそうなんですけど……。

 カタリ、と音がした。
 見ると床にかつお節のパックが落ちていた。

 ――これは!?

 拾い上げてうちの猫を見つめる。
 うちの猫は無の表情のまま、エサ入れの前に移動して座っていた。

 ――えー、そういうことなんですか? お腹が空いていたんですね。わかりにくいですよ……。しかもこのかつお節、どこから持ってきたんですか……。

 放っておくわけにもいかないので、カリカリの上にかつお節をかけて空のエサ入れと交換する。
 うちの猫は淡々とした様子でかつお節を食べていた。

 ――なんでこんな態度になってるんでしょう。何かあったかなあ……?

 考えても思い当たる節はない。

「お腹が空いたらちゃんとカリカリをあげますからね。怒ってもいいですから、無言だとわからないですよ……。あと、真上からプレッシャーをかけるのもやめてあげてください……」

 と声をかけると、うちの猫は普段通りの様子で、「はあ?」という顔をして僕をにらみ、またかつお節を食べ始めた。

 ――うーん、これなら大丈夫かな?

 少し不安を残しながら、しばらく僕は食事風景を眺めていた。


 次の日に、リビングでくつろぐシマシマシッポとうちの猫が遭遇した。
 うちの猫は頭を低くして、ヒタヒタと近づいていく。
 すぐそばで、思い切り、「クワッ、シャッシャー!」と威嚇する。
 驚いたシマシマシッポが「ヒイィー」という顔で振り返りながら逃げるのを追いかける。
 フローリングで勢いをつけて曲がろうとしたせいで、うちの猫はツルリと滑ってしまった。
 それがまた火に油を注いだようで、「フッシャー! クワー!」と激怒しながら走り去っていった。

 ――あっ、これたぶん大丈夫だ。

 いつものうちの猫の調子が戻っていて、ひと安心だ。

「ほどほどにしてくださいねー」

 と僕は二匹が消えた廊下に声をかけておいた。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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