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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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うちの賢いかつお節

 ――いまのコンビニにはこんなものまで売っているんですね……。

 コンビニに入ると棚がひとつ、ペットのエサで埋められていた。
 おツマミが入っているような小さな袋に入っている。
 マグロやかつお節、猫が喜びそうなさまざまな味が取り揃えてあった。

 うちの猫は、最近ごはんをよく食べている。
 冬になったので、本能的に栄養を蓄えているのかもしれない。

 ――100円くらいのおやつだけど、喜んでくれるかもしれませんね。

 かつお節味を手に取り、僕はレジへ向かった。


 家に帰ると、うちの猫がエサ入れの近くに座っていた。

「私、別にお腹が空いたわけじゃないんだけど。食べてほしいなら、食べるけど!」

 と澄ました顔でウロウロしている。

「ふふふ、見てください。僕が買ってきた……これを!」

 とコンビニの袋からおやつを取り出す。
「ふーん」という表情をしていたうちの猫が、袋を開けた瞬間、騒ぎだす。
「ニャッ、ニャッ」と普通の猫のように鳴きながら、僕の足にからだをこすりつけた。

「相変わらず変わり身の速い子ですね……。あっ、いまなら……!」

 カリカリ状のおやつを手のひらに乗せる。
 手のひらからエサを食べてもらう。
 これは猫好きなら一度はやってみたくなるシチュエーションだ。

 手を近づけると、うちの猫がフンフンと鼻を鳴らしてにおいを嗅いでいた。
「食べたいけど手に乗ってるし……」という感じで、手のひらと僕の顔を交互にチラチラ見ている。
 散々悩んだ結果、そっぽを向いてしまった。

「あはは、ごめんなさい。やっぱり無理でしたか……。はい、食べていいですよ」

 とエサ入れにおやつを入れると、夢中になって食べていた。


 夕食に出ていたシラスを、ふと思いついてうちの猫の前に置いてみた。
 気に入ってくれたようだ。
 ペロペロと舐めて、ご機嫌な様子だ。

 ――シラスくらいがちょうどいい大きさなのかもしれませんね。

 魚の切り身よりも食べやすそうにしている。
 人間が食べるものをあまり食べさせても良くないらしいので、ひとつまみあげて、

「これで終わりです」

 とおでこをつついた。
 するとうちの猫は、テーブルの上に飛び乗って、シラスを探し始めた。
 僕のお茶碗のにおいを嗅いで確認したりしている。
 これはうちの猫にしては珍しい行動だ。
 食事の邪魔をするタイプではないし、食べ物を探し回ることもほとんどない。

「そんなに気に入りましたか? また今度食べましょうね」

 と声をかけると、

「シラスはどこに行ったのかしら……」

 というように、キョロキョロしながら廊下へ向かって歩いていった。




「やっぱりお好み焼きは美味しいですね」

 ある日の昼食。
 お好み焼きを食べ終わり、余韻に浸っていると、うちの猫がやってきた。
 お好み焼きのお皿を熱心に嗅ぎ回っている。

「うん? どうしました? お好み焼きとか絶対に食べないですよね……?」

 うちの猫は近くにあった袋のにおいを嗅ぎだした。
 中身は入っていない。
 空っぽの透明な袋だ。

「あっ、それはかつお節の袋ですね。そのにおいが気になってたんですね」

 黙って見ていると、

「においはするのに……。私のかつお節……」

 という風に、においを嗅ぎながら悲しそうに鳴いていた。

「あはは、しょうがないですねー。ほら、ご飯ですよー!」

 とエサ入れにカリカリを用意する。
 うちの猫は飛びつこうとして、ピタリと止まり、振り向いて僕を見つめる。

「かつお節かかってないんだけど?」

 という顔だ。
 カリカリを食べようとはしない。

「ただのカリカリだってことがわかっちゃうんですね……。賢いですけど贅沢ですよ、もう……。今回だけですからね」

 と僕は棚からかつお節の袋を取り出した。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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