挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
71/117

うちの肉きゅうタッチ!

 裏庭に置いていた椅子のうえに、ボスがおかしな格好で座っていた。
 背もたれの部分に顔面を押し付けるようにして、ギュッと目をつぶっている。
 かなり強く押し付けているようで、クッションに顔がめり込んでしまっていた。

 ――どういう座りかたなんですか、これ……?

 顔を無理矢理押し付けているせいで、首が縮まっていて、とてもリラックスしているようではない。
 しかしそのままの姿勢で、ボスはまったく動かない。
 耳は反応しているので、僕には気づいているはずなのに。

 ふと椅子の下を見ると、脚のすき間にはシマシマシッポが寝転んでいた。
 ボスをチラリと見上げて、「あうー?」と鳴いている。

「どうしたんでしょうね」

 と言っても反応はなかった。
 雨が続いているせいで、ストレスがたまっているのかもしれない。
 それが原因で、おかしな行動をしているように思えた。

 ――まあ、暴れたりしないんならいいですけど……。

 無理な姿勢でジッと動かないでいるボスの姿は、何かの修行をしているようにも見えた。


 曇り空、雨が降っていないときに庭へ出ると、シマシマシッポが落ち着かない様子でウロウロしていた。
 藤棚を見上げて、ときおりビクッと視線を動かしている。

「どうしました? 何かいましたか?」

 と声をかけても、藤棚に夢中だ。
 我慢できなくなったように、ダダッと駆け寄っていく。
 僕の手首くらいの太さのツルに抱きつき、立ち上がった。
 そして、藤のツルに抱きついたまま、ずるずるとすべり落ちてきた。
 地面に寝転んで、「あうあう」と鳴いている。

「あはは、何してるんですか。遊んでるんですか?」

 シマシマシッポはうちの猫と違ってそこそこ運動神経がいい。
 僕と話しているときに、突然飛び上がってジャンプをして、チョウチョを叩き落としたこともある。
 だからこのときの行動はふざけているようにしか見えなかった。

 またビクッと藤棚に反応して、ツルに抱きつく。
 そしてずるずるとすべり落ちる。

「えっ? 本当に登れないんですか? そもそも抱きつくのがおかしいんですよ?」

 シマシマシッポの前足を持って、ツルに乗せる。

「ほら、こうやって爪をたてるんですよ」

 と言っても、シマシマシッポは爪を出そうとはしない。
 藤のツルを肉きゅうでタッチしている。

「それじゃあ絶対に登れませんよ……」

 そういえば、いままでシマシマシッポに爪をたてられた記憶はない。
 常に肉きゅうタッチだ。
 もしかすると、爪のたてかたがわからないのかもしれない。

「うーん、でも教えようがないですし……。引っかく癖がつくのも困りますし……」

 その後も藤棚が気になるようだったので、

「これなら近くで見られますよ」

 と、僕の頭のうえに乗せてみると、気に入ったらしく頭に抱きついて、しばらく降りようとしなかった。
 結局藤棚に何がいたのかは謎のままだった。


 うちの猫はというと、雨があんまり続いているせいで、外に出かける気力もなくなってしまったようだった。
 いつ見ても、僕が用意した段ボールの中で丸くなっている。

「気に入ったのはいいんですけど、たまには遊んでくださいよー」

 と触ろうとすると、段ボールの中から猫パンチで攻撃されてしまう。

 ――あっ、そうだ。

 と僕は思った。

「これは気に入るかもしれませんよー」

 うちの猫の隙をついてだき抱え、頭のうえに乗せようとすると、「ギャワー! クワー!」と大騒ぎをして、頭に爪をたてられてしまった。

 ――そんなこと教えてないはずなのに……。

 せめて蹴るのはやめてくださいよ、と首をさすりながら僕は思った。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
小説家になろう 勝手にランキング
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ