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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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うちの夏バテに効く薬(写真)

挿絵(By みてみん)

 あまりにも暑くて夜眠れないので、掛け布団をタオル生地のものに変えてみた。
 この熱帯夜なら何もなくてもよさそうだけど、落ち着かなくて眠れなくなってしまうかもしれないので、薄いものを一枚だけ。

 するとうちの猫はその肌触りが気に入ったらしく、掛け布団の上を占領するようになってしまった。


 夜、僕が寝ようとすると、すでにうちの猫がベッドに横たわっている。

「もうちょっと端に行ってください。そんな真ん中にいたら、僕の寝る場所がないんですよ」

 と言っても、動かない。

 そもそも最近のうちの猫はほとんど動いていない気がする。
 僕が見かけるのはごろんと横たわっている姿ばかりだ。
 なんだか心配になってきてしまう。

「うーん、元気ないですよねー? 夏バテですか?」

 つんつんとつついても反応は薄い。

 ――でもちゃんとご飯は食べてるし、水も飲んでるんですよね。

 と思いながら、僕はさらにつついた。

「どいてくれないと、おなかをわさわさしちゃいますよ」

 わさわさしながら僕はそう言った。
 うちの猫は「もう好きにしてくれ」というように目をつぶった。いつものような抵抗をしない。

 なかなか重症の夏バテのようだった。




 そんなある日、リビングの床に奇妙なものが落ちているのを見つけた。茶色っぽくて、どろりとした液状の物体だ。

 ――これは……粗相じゃないですか! 何してるんですか!

 と一瞬思ったのだけれど、うちの猫がこんな粗相をするなんて、ちょっとおかしなことだった。小さな頃からトイレ関係はちゃんと使えた賢い子なのだ。

「どうしちゃったんですか……?」

 リビングを見回すと、テレビ台の下にうちの猫が隠れていた。
 半透明のガラス扉の向こうにうずくまっているのが丸見えなのだけど、本人は隠れているつもりのようだ。
 出てくる様子はない。

「うーん……とりあえず片付けますね」

 安売りのときに大量に仕入れたキッチンペーパーをつかんで、どろどろの物体のところへ向かった。

 それはよく見ると、僕の思っていたものとは違っていた。
 溶けかけた草に毛がいっぱい絡まったものだった。

 ――ああ、これは毛玉じゃないですか!

 猫はいつも毛づくろいをしているから、自分の毛を飲み込んでしまって、おなかの中に毛がたまっていってしまうらしい。
 そういうときは草を食べて、おなかの毛と一緒に吐き出す。それが毛玉だ。

 いままでにも何回か見かけたことはあったはずだったのだけれど、色がそういう感じだったのでつい勘違いをしてしまった。

 ――毛玉だったんならしょうがないですね。

 トイレがうまくできなくなるようなひどい体調不良なのかと心配になっていたので、毛玉だったことに僕はひと安心していた。怒るような気分でもなかった。

「しょうがないですよねー」

 キッチンペーパーで包んだ毛玉をゴミ箱に捨てて、それから僕はテレビ台の下に声をかけた。
 うちの猫はガラス戸の向こうで身構えて、出てこようとしない。

「怒らないですよ。大丈夫ですよ」

 と近づくと、テレビ台の奥へ後ずさりしていってしまう。
 こういうときはネズミの人形だ。

 テレビの前の床にコロンと転がすと、テレビ台の中でドタバタ騒ぐ音が聞こえた。すぐに飛び出してネズミの人形と遊びたいけど、うまく出られないらしい。

 ――元気そうですね……。これなら心配ないかな。

 しばらくドタバタやってから出てきたうちの猫は、毛玉のことは完全に忘れてしまった様子で、目をぎらぎら輝かせながらネズミの人形に飛びかかっていた。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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