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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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うちのお手伝い猫

 少し暑くなってきたなあ、と思っていた夜だった。
 食事を済ませて自分の部屋に戻った僕は、大変な光景を目にすることになった。
 小さな羽虫が、部屋の中で乱舞しているのだ。
 十匹や二十匹どころではない。
 羽虫の群れがそのまま部屋の中へ入ってきたようだった。
 部屋の中が真夜中の自動販売機のようになってしまっている。
 もはやくつろげる場所ではなくなっていた。

 ――あっ、そうか。窓を全開にしてたんだった……。

 暑いからと、網戸もせずに部屋の窓を開けていたのだ。

 ――それがまさかこんなことになるなんて……。

 一旦ドアを締めて、対策を練ることにした。


 コーヒーを飲んで、気持ちを落ち着けた僕は、再び自分の部屋へ向かった。
 手には殺虫剤を持っている。
 これくらいしか対策が思いつかなかったのだ。

 ――まずは網戸を閉めて……。

 羽虫を避けながら網戸を閉めて、そこへ殺虫剤を吹きかける。
 これで侵入経路は塞いだ。

 ――そして、直接……。

 羽虫は電球に群がっているので、電球に向けて殺虫剤を発射する。
 部屋に殺虫剤が充満して、身体に悪そうだったので、すぐにドアを閉めて、リビングに避難する。

 ――あとは待つだけですか……。

 本を読みながら、殺虫剤が効果を発揮するのを待つことにした。


 しばらくして部屋のドアを開けると、半分くらいの羽虫はまだ元気に電球に群がっていた。

 ――マジですか……。けっこうな量を噴射したはずなのに……。

 先程よりもさらに多く殺虫剤を吹きかける。
 そんなことをしていると、離れた場所からうちの猫が見ていることに気づいた。

「あっ、何をやっているか気になるかもしれませんけど、いまは近づかないでくださいね。殺虫剤を吸っちゃうと身体に悪いですからね」

 うちの猫は「言われなくても近づかないわよ」という風に僕に背を向けて去っていった。


 殺虫剤を吹きかけてリビングに退避を繰り返し、なんとか部屋の羽虫を全滅させることには成功した。
 最後に扇風機を回して、殺虫剤の成分を少しでも外へ放出させる。
 これが済んだあとは、落ちた羽虫の死骸を掃除機で片付けて、テカテカ光っているのが確認できる程の量が床に溜まってしまっている殺虫剤を拭き取らなければならない。
 とはいえ、羽虫との戦いには決着がついた。

「ハアー、ようやく終わりましたよ」

 とリビングでひと息いれていると、シマシマシッポがぴょんと飛び跳ねたり、床を叩いたりして遊んでいる。

 ――ふふふ、もう夜なのに元気ですねー。ん? これは羽虫?

 よく見ると、リビングに紛れ込んだ羽虫を追いかけているのだった。
 叩き落とした羽虫を前足でビシッと押さえつけて、顔を近づけている。

 ――えっ、もしかして……食べるんですか?

 シマシマシッポはモグモグと口を動かして、「どうかしたの?」という顔をしていた。
 完全に食べてしまっている。

 ――羽虫は普通に食べちゃうんですね……。これはリビングで殺虫剤を使うときは注意ですね。

 でも退治してくれるのはありがたいことですよね、と思い、おでこを撫でてあげようと指を伸ばすと、羽虫でテンションが上がっていたのか、バシッと前足で優しく叩かれてしまった。

***

「そういうわけで、こうして網戸を張り替えているわけです」

 その週末、僕はホームセンターで買ってきた網をリビングの床に広げて張替え作業を行っていた。
 これをやらないと、閉めたはずの網戸が破れていて、また羽虫の群れに侵入されるという事態になりかねない。

「それはいいんですけど」

 と床に広げた新品の網を見つめた。

「なんで上に座っちゃうんですか……」

 うちの猫が網の上に座っている。
 僕が作業を始めるとすぐに近くをウロウロしだして、網に乗ってしまったのだ。

「お手伝いしたいんですか?」

 と尋ねてみるものの、そんな様子ではない。
 そっぽを向いて、完全に知らんぷりを決め込んでいる。

「ほら、ちょっとどいてください……。ああっ! 網に爪立てないでくださいよ! 新品ですよ!」

 動こうとしないうちの猫のおでこをペシペシと叩いて追い払うと、「私が何をしたっていうの! なんなのこの人!」という様子で走っていってしまった。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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