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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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うちのお嬢のお食事作法

 釣ってきたアジをまな板に乗せる。
 包丁でバンと頭を切り離す。
 釣ってきたもので小さいから、これは簡単だ。
 あとは適当にぶつ切りにして、皿に盛り付ければ完成だ。

 ――新鮮なアジですからねー。これは喜んでくれる……でしょうか? うちの子の気分次第ですかね……。

 皿を床に置いてうちの猫を探しにいこうとすると、ダッダッダッとシマシマシッポが駆け込んできた。
 勝手にお皿に顔を突っ込んで、ムシャムシャ食べ始めている。

「ああっ、違う! そうじゃないんですよ!? 何してるんですか!?」

 シマシマシッポを移動させようとしても、まったく動かない。顔を皿から引き剥がすことができない。
 僕の力とシマシマシッポの抵抗する力は拮抗している。
 諦めてシッポをグイグイ引っ張ってみても気にする様子はない。

「もう……うちの子に用意したアジなんですよ? 美味しそうに食べるのはまあいいんですけど、どうしてこういうタイミングで入ってくるんですか……」

 皿が空になって、落ち着いたシマシマシッポを抱えて、窓の外へ送り出した。


 うちの猫を見つけてソファーに寝かせる。

「今用意しますからねー! 釣りたてですよ?」

 無理に連れてきたのでうちの猫は不機嫌なようだった。
 シッポをソファーに叩きつけている。

「はい、どうぞ」

 ぶつ切りにしたアジの入った皿を、ソファーの前に置いた。
 うちの猫はトンッと飛びおりて、においを嗅いでいる。
 興味が湧いたようだ。
 ひとしきり確認して、鼻を近づける。

 ペロペロ……ペロペロ……。

 アジを熱心に舐めている。

 ――おお、気に入ってくれましたね! 釣りたてですからねー!

 そのまま観察していると、うちの猫は顔を上げて僕を見つめた。
 アジはそのまま皿に乗っている。

「えっ、ペロペロしてたじゃないですか。食べられるでしょう。そこからパクッと食べちゃえばいいんですよ? パクッと」

 うちの猫は、「私、そういうの無理なの」という顔で、僕に何かを訴えかけていた。


 アジをお刺身サイズの切り身にすると、うちの猫はご機嫌な様子で食べ始めた。

 ――まあ、喜んでいるしいいんですけど……。

 ペロペロと切り身を舐めて、ひと切れずつ口の中に運んでいる。

 ――本当にこの食べ方しかできないんですね……。もしうちの子にならなかったら、生きていけてたんでしょうか……。

 そんな僕の思いをよそに、うちの猫はお皿の半分ほどを残してどこかへ歩いていってしまった。

***

 食べ残しを処理したシマシマシッポは、窓際の座布団の上でくつろいでいた。
 おでこを撫でて、洗いものをして戻ってくると、窓の外をじっと見つめている。

「どうかしたん……おあっ!?」

 窓のすぐ外に、トラ猫が座っていた。いつか見たガラの悪いトラ猫だ。

「えっ? 仲良しなんですか? 遊びますか?」

 シマシマシッポのおしりをちょんと押したら、アジのときと同じように全力で抵抗された。
 むしろジワジワと後ろに下がっている。
 耳を近づけてみると、すごく小さな声で「フウゥー」と唸っていた。

 ――あっ、怖かったんですね……。

 ガラトラ猫は、座っているだけで特に威嚇する様子はないけれど、シマシマシッポが怖がるのでとりあえず追い払っておくことにした。
 窓をバンバンと叩けば、動じることなく悠々と去っていく。
 シマシマシッポはからだを固くしたままだった。

 ――うーん、そういえば、前も追い掛け回されていましたし、シマシマシッポはケンカが弱い……というよりも気が弱いんですかね。

 うちの子と足して二で割ったらちょうどいいかもしれないなどと考えながら、シマシマシッポが落ち着くまで僕は背中をさすっていた。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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