挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
111/128

亡くなった小鳥と悪びれない猫

 ピー、ピーという音が聞こえた。
 聞こえるか聞こえないかの小さな音だ。

 ――ん? 何か工事をしているんですかね。まったく、こんな朝っぱらから……。

 ベッドの上でそんなことを考えて、布団を被り、僕はまた眠りについた。


 しばらくして、朝食をとろうと向かったリビングで、惨事を目にした僕は立ち尽くすことになった。

 ――ええ……嘘でしょ……。

 床に小さな鳥の羽が散らばっている。
 何が起きたのかは一目瞭然だ。
 うちの猫が鳥を捕まえて持ってきたのだろう。
 微かに聞こえていたピー、ピーというのは、きっと鳥の鳴き声だ。

 ――大変なことになりましたね……。

 まずは散らばった羽を掃除機で片付ける。これにけっこう時間がかかってしまった。


「ちょっと! 鳥はどこなんですかー?」

 どこかにいるはずのうちの猫に声をかける。
 これだけ羽が散らばっているのだし、鳥はもう亡くなっているのかもしれない。
 だが、リビングには見当たらない。

「えー、見つからないと本当に困るんですけど……」

 と探し回っていると、鳥の代わりにうちの猫を見つけた。
 本棚の本の間に寝転んでいる。
 近くに鳥の遺体はない。

「鳥はどこにやったんですか? あの……リラックスしている場合じゃないでしょ……」

 うちの猫はうっとりと目を閉じて眠たそうにしている。

「これだけの惨事を引き起こしておいて、なんで寝ようとしてるんですか……」

 おでこをペチンと叩いて、さらに鳥を探した。


 鳥は別の部屋の机の下にいた。
 予想外なことに、まだ生きていた。
 ブルブルと震えて、僕から逃げようとする。
 それほど怪我をしているようではない。

「ええ……まだ生きてる。どうしようどうしよう」

 うちの猫がやってこないようにドアを閉めて、鳥を捕まえる。

「ええ……どうしよう。とにかく避難させないと。飛べるのかな……?」

 うちの猫が入って来れない二階のベランダに連れていく。

「ここならうちの猫は来ないし、飛べるなら高いところがいいでしょう」

 さらにダンボールを持ってきて、鳥の家を作る。

「はい、怪我が治るまでここにいてもいいでしょう」

 キッチンで水を入れる皿と、鳥のエサを探す。

「鳥の食べそうなもの……。鳥のエサは小さな食物の種みたいなやつだから……米なら食べそうですね」

 こうして用意したものをダンボールのそばに並べる。

「後でちゃんとしたエサも買って帰らないとですね」

 とりあえずしばらく過ごせるだけの準備をして、ベランダを後にした。


 本棚で寝ているうちの猫のおでこをまたペチンと叩く。

「鳥はオモチャじゃないんですよ。面白半分で羽をむしったら駄目なんです」

 うちの猫は横になったまま、パンチを返してきた。


 夕方、鳥のエサを買って、ベランダへ向かう。

「どこですかー?」

 鳥はダンボールの中にいない。
 ベランダの隅で動かなくなっていた。

「はあ……。そうなりますか。そうですよね」

 ダンボールを抱えて、庭に向かう。
 お墓を作るつもりだ。
 庭ではうちの猫がうろうろしていて、僕の顔を見て不満げに鼻を鳴らした。

 ――うーん、あんまり言っても仕方がないことですし、猫なら鳥を捕まえることもありますよね……。

 こんなことはもう勘弁して欲しいと思いつつも、じゃあどうすればいいのかはわからない。

 ――とりあえず、鳥をうちで飼うのは無理ですね……。

 と、ため息をつくしかなかった。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
小説家になろう 勝手にランキング
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ