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うちのかわいいかわいい猫 作者:しまうま
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片側にこだわる猫たち

 ストーブの前にうちの猫が座っていた。
 相変わらずストーブとの距離が近い。

「熱くないですか?」

 と触ってみると、毛皮がかなり熱くなっていた。
 しかもストーブの方の毛皮だけ。
 よく焼けないなあとびっくりするくらいの熱さだ。

 うちの猫は、「私、別に熱くないんだから。余計な心配しないでくれるかしら」という様子でそっぽを向いていた。

「でも、片側だけ焼けちゃいますよ?」

 うちの猫を移動させようとすると、前足を突っばって、必死に抵抗してくる。
 顔はそっぽを向いたままだ。
 胸を張って、前足に力を入れて、凛とした姿勢でストーブの前を確保しようとしている。

「もう……。そんなに気に入ったんですね……」

 とりあえずストーブの火を弱くしておくくらいしかできなかった。


 リビングに入ってきたシマシマシッポは、「いいなあ」という顔で、遠巻きにうちの猫を眺めながら横になった。
 不用意に邪魔をするとうちの猫に怒られるのがわかっているようだ。

「ひとりでストーブを占領しちゃって……。困りましたね」

 とシマシマシッポを撫でる。
 すると妙な感触がした。
 毛皮の中に、何か別のものがあるような、ぶつぶつした手触りだ。

 ――えっ、ノミですか? しかも大きくてたくさん……。

 恐る恐る確認すると、毛皮の中にあったのはノミではなくて、草の種だった。
 動物に引っ付いて移動するタイプの種が、シマシマシッポの毛皮に見事に引っ付いている。

「いやいや、そういう種なんですけど、いくらなんでも引っ付きすぎでしょう」

 撫でながら、種を取り除いていく。
 20つぶ以上は引っ付いている。
 探せば探すほど種が見つかるという状況だ。
 しかも、本人は気にしているようではない。

「種は引っ付いているよ? それがどうかした?」

 という感じだ。

 ひと通り種を取り除いて、シマシマシッポのおでこを突いた。

「ちょっとは気にしましょうよ。びっくりしましたよ」

 撫で撫でしながら顔を近づけると、シマシマシッポの背中にいくつかの種が見えた。

 ――ああ、まだあるんですね……。

 僕が種を取り除いたのは片側だけで、ごろりと横になって、床と接している反対側の毛皮には、まだまだ種が付いているようだった。

「さあ、反対側を見せてください」

 ひっくり返そうとすると、

「なんで? 種は付いているよ? それがどうかした?」

 という顔で、からだをくねらせて抵抗をする。

 ――この猫たちは、どうしてここまで片側しか見せたがらないんでしょうか……。

 と呆れてしまった。


 うちの猫がストーブの前から移動すると、同じ場所にシマシマシッポが寝転んだ。
 順番を待っていたようだ。
 先ほどまで床に接していた側の毛皮が表を向いている。

 ――ようやく種を取り除けますよ……。

 と毛皮のなかから種を探し出していると、シマシマシッポが僕の作業をぼんやりと眺めて、それから目をつぶって寝てしまった。

     (=‘x‘=)<読んでくれてありがとうニャー
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