第3話
「じゃあ、俺帰るな。」
コナンは、博士と奈月に言った。
「え?新一君、帰るのか?」
「ああ…。」
コナンは、博士に言った。
「哀君の事は、どうするんじゃ?まだ、元気づけてないじゃろう?」
博士がコナンに尋ねた。
「大丈夫だ、博士。心配為る事ねぇよ。」
「自信有りげね。」
奈月がさらりと言った。
「自信なんてねぇよ。」
「じゃあ、どうして…?」
奈月は、コナンに尋ねた。
「あいつはそんなに、弱い奴じゃないからさ。」
コナンが元気な声で言った。
「…………。」
博士と奈月は、黙っていた。
「もし、あいつに何かあったら連絡くれ。」
コナンはそう言い、玄関に向かい、玄関のドアを開けた。
「哀君は、本当に元気に為るのかの?」
博士は、玄関のドアが閉まった途端、そう言った。
「彼女自身の問題じゃないの…。」
奈月が無表情な目で言った。
コナンとの会話が終わってからも哀は、地下室に閉じこもって居る。哀は、薄暗い部屋の中で椅子に座りながら目を閉じていた。哀の目からは、涙がまだ出ていた。
『お前には…、お前の両親とお姉さんの分まで生きる意味があるんだよ。』
哀は、コナンが言った言葉を思い出していた。
「(私には、お父さんとお母さんとお姉ちゃんの分まで生きる意味があるの?)」
哀は、自分の心に問い掛けた。
『一歩ずつ進まねぇと駄目だと思わねぇか?』
哀は、コナンが言った質問を思い出した。
「(一歩ずつ…進む…。)」
哀は、心の中で何かを考えた。
時間が進み、夜になった。夜になって、町は街灯やネオンで明るくなった。その明るい夜の東京の余り使われていない廃ビルの中で、一人の男が必死に走っている。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
男の額からは、汗が流れている。その男の後ろから、足音が聞こえる。その音は、段々大きくなっていく。 廃ビルの中は静かだ。しかし、この男にはそう思う事は出来る状態ではない。今は、逃げなければ為らないからだ。だが、足音は段々迫って来た。 その時、男の目の前に扉が見えて来た。男は、走るスピードを上げて扉に近付いた。男は、勢い良く扉を開けて中に入った。しかし…、
「い、行き止まり…。」
男は、そう言った。扉を開けて中に入ったら、出口ではなかった。辺りは、扉も窓もなかった。
「もう逃げられないぜ。」
その男の後ろにウォッカが拳銃を構えて立っていた。
「何故、俺を殺す?俺はお前達に何かやったか?」
男は、焦りながらウォッカに尋ねた。
「自分で考えな…。」
「ど、どういう事…。」
バァン…、
「だ…。」
銃弾が男の胸を貫いた。そして、男は地面に倒れた。ウォッカは、拳銃をポケットに入れた。
「殺したか?」
扉の前にジンが立っていた。
「何とか殺しやしたぜ、兄貴。」
ジンは、地面に倒れている男に近付いた。
「しかし、兄貴。この男、組織と関係あるんですかい?」
ウォッカは、ジンに尋ねた。
「ああ…。まぁ、直ぐに分かる事だ。」
ジンはそう言い、扉の方に歩き出した。
「…ずらかるぞ。」
「了解。」
ウォッカはそう言い、ジンの後に部屋から出た。 |