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黒い罠
作:紅佐洲仮



第25話


[た、大変じゃ新一君!奈月君がまだ、学校から帰ってこないんじゃ。]
電話から聞こえて来る博士の声は、焦っていた。
「……………。」
コナンは、黙って聞いていた。
[新一君、聞いてるのかね?]
焦っていた博士がコナンに尋ねた。
「ああ…、聞いてるぜ。」
コナンは、冷静に言った。
「とにかく、今からそっちに行くから…。じゃあ、あとでな。」
コナンはそう言い、電話を切った。
「蘭姉ちゃん、僕ちょっと出掛けて来るね。」
「早く戻って来るのよ。」
台所に居る蘭がそう言った。
「はーい。」
コナンは、元気な声で言った。









「…で、本当に帰って来てないのか?阪井は…。」
博士の家に着いたコナンを哀と博士が待っていた。
「ええ…、本当よ。それに、彼女とは一緒に帰ってないでしょ。」
哀がコナンの質問に答えた。
「もう6時だぜ。普通なら帰って来るだろ。」
「じゃが、帰ってこないんじゃ。」
博士が心配そうに言った。
「あいつに何処か行く場所なんてあったか?」
コナンは、哀達に尋ねた。
「…無いわね。」
哀がさらりと言った。
「最近、奈月君が元気無かったのが原因かの?」
博士は、奈月が帰って来ない理由を考えながら言った。
「(…あいつが帰って来ない理由は、…奴等か。でも、何故帰って来ない?)」
コナンは、心の中で考えた。
「ねぇ、工藤君。彼女が帰ってこないのは、彼等が原因なんでしょ?」
哀がコナンに近づいて尋ねた。
「ああ…、たぶんな。」
「ど、どういう事じゃ?まさか、奈月君は…。」
博士は、嫌な感じがして来た。
「まだ、そうと決まった訳じゃない。」
コナンは、冷静に博士に伝えた。
「(…考えろ、考えろ…、今までのあいつの様子を…。)」
コナンは、記憶を思い出しながら考えた。
「………………。」
博士と哀は、黙っていた。
「(…そういえば昨日、あいつポケットに手紙みたいのを入れてたな。そのあと、急いで家に帰ったな……。まさか…!)」
コナンは、何かを悟った。
「なぁ、博士。あいつ探偵バッヂ持ってるよな?」
「ああ…、持っとるぞ。」
博士は、コナンにそう言った。
「それが、どうしたんじゃ?」
今度は、博士がコナンに尋ねた。
「いや、何でもねぇよ。…俺はこれからあいつを探しに行くから、博士と灰原は此処に居てくれ。」
コナンはそう言い、玄関に向かって走り出した。
「ちょっと待って、探しに行くって貴方、心当たりでもあるの?」
玄関に向かうコナンを哀が引き止めた。
「ああ…、まぁな。あ、それとジョディ先生にも電話をしといてくれ。」
コナンはそう言い、玄関のドアを開けて、外に出て行った。









暗闇の階段を奈月が一段、一段昇って行く。静かな階段は昇るたびに、冷たい壁に響く。何段か昇ると、ドアが見えて来た。奈月はドアを開けて、外に出た。外は真っ暗で、満月が空に出ていた。奈月は外に出て、足を止めた。奈月の目の前には、一人の男が背を向けて立っていた。
「あの手紙を書いたのは貴方?」
奈月は深呼吸をして、その男に尋ねた。












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