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  平凡少年が幻想入り 作者:コロンブスの鶏
あけましておめでとうございます。
正月は祖母の家でまったりとしていたので小説は更新できませんでした。
今日から少しずつ更新していきますのでよろしくお願いします。
能力の把握



「知らない天井・・・と言うわけでもないな」

障子の隙間から朝の光が差し込む。
立ち上がって障子を開けると、小鳥のさえずる声が心地よく響き、深い緑色の葉はざわめく。

自分が幻想郷に来たと言うことをあらためて実感する。
現在の時間は朝七時、時計を確認するまでもなく朝七時。
わずか十六年の生活で朝七時に起きる習慣がついてしまったのだ。

静かに佇んでいると腹の虫がなったのでとりあえず朝飯を作りに台所へ向かう。
紫の家はとりあえず広い。自分の部屋から台所まで一分ほど歩く。
しかも結構複雑な造りをしているので下手すると迷う。昨日はマジで迷ってしまった。
家の中で迷子になるとなんともいえぬ複雑な気持ちになる。正直落ち込みました。
家の中に地図貼っておけよ、とか思っていると何時の間にか台所に着いていた。

「さて、今朝は何を作ろうかな?」

この幻想郷には海が無い。なので本来鮭や鱈子などのオーソドックスな海の幸は食べられない。
のだが紫がどこからともなく新鮮な魚を持ってくるので普通に食べられる。
いやあ、役得役得。ということで、鮭を焼いて胡瓜の浅漬けと大根の味噌汁を作ることにする。


少年料理中・・・


「よっしゃ完成、うむ我ながらいい出来だ♪」

味噌汁が冷めないうちに茶の間に運び紫を起こしに行「いい香りね」・・・くまでもなかった。

「中々の自信作だぜ」

「それは楽しみね」

茶碗に炊きたての米を山盛りにして食卓に置く。この時代、といっても幻想郷は
江戸時代くらいまで技術は進んでいるのだが、さすがに炊飯器はない。
そのため釜で米を炊かなければいけないのだが、意外と上手くいった。
小学生時代の調理実習の賜物だろう。

「「いただきます」」

二人で食材に感謝を込めて合掌する。
紫が何か食べるとき、奇怪なことに音がまったくしない。
茶碗を置く音も、味噌汁を啜る音も、咀嚼する音すらもしないのだ。(豆知識)

「(もぐもぐ)紫、飯食った後能力の練習付き合って」

「別に私がいなくても出来ると思うけど?」

「(もぐもぐ)いや、人に及ぼす効果とかいろいろ知りたいわけよ」

「自分で試せば良いじゃない」

「(ごっくん)自分以外の生き物には使えない能力かもしれないじゃん?」

「・・・いいわ、付き合ってあげる」

「(もぐもぐ)さんきゅ」


少年少女食事中・・・


「「ごちそうさまでした」」

うむ、満足。胡瓜の浅漬けが改心の出来だった。

「どうだった?」

「美味しかったわ」

そういって微笑を浮かべる。といっても紫はいつも微笑を浮かべている。
表情の変化がないと、なんとなく怖い。何考えているのか分からないからだ。

「そりゃよかった。じゃあ裏庭でも行こうぜ」

「せっかちねえ、もう少しゆっくりすれば良いのに」

「さっさと自分の能力把握しないと何があるか分からんからな」


少年少女移動中・・・


紫の家の裏庭はあまり整備されていない。しかし庭はきちんと整備されている。
おおかた外からは見えない裏庭は適当でいいという考えだろう。
見栄っ張りな妖怪だ。

「今失礼なこと考えてなかった?」

「気のせいだ、ところで能力使うに当たってなんかコツとか無い?」

「上手く出来ない内は声に出してみると良いわ。あなたの場合『~は可能だ』とか」

「なるほど」

「あとは自分のやりたいことを強くイメージすることね、そのくらいしかないわ」

「なるほど・・・じゃあ実践してみるか!」

とりあえず飛んでみることにする。前回はすぐに落ちてしまったが、
紫から教えてもらったコツを思い出して、再度やってみる。

広い大空を自分が縦横無尽に飛び回る風景を強くイメージする。
そしてそのイメージを言葉に乗せる。

「俺が『大空を自由に飛び回ることは可能』だ」

突如体が浮かび上がる。しかし今回は落ちることは無い。
試しに上がれと念じてみると体がさらに浮かび上がった。
その辺を軽く飛び回ってみてすぐにコツをつかんだ。
なるほど、空を飛ぶということはなんとも気持ちのいいことだ。

まあこれ以上紫を待たせるわけにも行かないのでさっさと下りることにする。

「あとは今やったことの応用ね、次は『可能』を操ってみて」

「つまり?」

「可能なことを不可能にするってことよ」

「OK、じゃあやってみる」

さっきと同じ要領で自分の思いを強くイメージし、言葉に乗せる。

「紫が『これから三分間能力を使うことは不可能』だ」

・・・紫に外見の変化は無い。しかし成功しているのなら隙間は開かないはずだ。

「紫、隙間開いてみて」

「・・・開けないわね」

どうやら成功らしい。能力を無くすことも出来るとは・・・強いな。

ほかにどんなことが出来るか後で実験するとしよう。


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