番外編 白黒魔法少女
俺と紅+紅魔館メンバー(中国を除く)は今刀弥の部屋にいる。
『次元の刃』とかいう俺以外にやったら確実に死ぬ技を使ったせいで、
霊力切れを起こして倒れたので俺がここに連れてきたって訳だ。
まあ紅魔館メンバーはここにいるというより・・・
「・・・なんでこんなことになってるんだ?」
「そりゃあれだろ、皆お前を愛してくれてるんだろう」
刀弥にくっついているだけなんだけどな。
レミリアが右腕、フランが左腕にくっついて寝ていて、
咲夜さんは膝枕したまま舟を漕いでいる。
・・・妬ましい
「ちなみにもう朝だからな?」
俺が椅子に腰掛けながら言う。
「そんなに寝ていたのか・・・」
「いや・・・一回起きたことには起きたんだが・・・寝起きで覚醒していない
状態で、両隣から血を吸われて再び永い眠りについた」
アレはやばかった。どっちかというと吸われる量よりこぼれる量の方が
多いもんだから真っ白なシーツがどんどん紅く染まっていった。
「感謝しろよ、俺がいなかったら血がなくなってたところだ」
「「むしろお前が原因だろう」」
前にいる刀弥と後ろにいる紅から的確なツッコミが入れられる。
「そんなことより次元切り裂いただけで眠るとかお前の能力燃費悪すぎだろ」
「逃げたな」
「ああ、話をそらしたな」
ぐっ!可愛げのない奴らめ。
「まあいい、そんなお前のためにいい物をやろう」
俺は懐から試験管のような物に入った液体を一本出す。
「なんだそれは?」
「簡単に言うと俺の霊力を凝縮し液体化させた物だ。三滴も飲めば全回復する。
お前の体にあわせてあるから安心して使っていいぞ。すぐ飲むか?」
「・・・・ああ」
刀弥は両腕を固定されて動けないので口をあけてもらって
その中に三滴ほどたらすと、刀弥は顔を顰めた。
「・・・嫌な味だ」
「え?一応オレンジジューズの味にしたはずなんだが?」
おかしいな?不純物でも混ざったか?
「零・・・それって前に造ってたアレと間違えてないか?」
「え?・・・・・・・・・・あ゛!!」
・・・一応取り返しのつく間違いをしてしまった。
「あ゛ってなんだ?何か問題でもあったのか?」
「い、いや、なんでもない。どうだ?霊力も回復したろ?」
「・・・・・ああ、本当だ。確かに回復している」
咄嗟に霊力を回復させて何とか誤魔化すことに成功した・・・
言えないよなぁ、今刀弥が飲んだ薬が・・・T-ウイルスだなんて。
俺の能力で無効化したからとりあえずばれることはないだろう。
気がつかなかったら数分後に刀弥が凶悪なゾンビになっていたところだ。
ゾンビになった刀弥を想像して一人気持ち悪くなっていると、
ドゴォーン!
という音がどこからか聞こえてきた。
「!何事?」
あまりの轟音にレミリア達も起きたようだ。
フランはまだ目を擦って眠たそうにしているが・・・癒されるなぁ。
「おそらく、魔理沙だろう」
ようやく解放された刀弥が肩を回して言った。
「マジで!?よっしゃ!大チャンス!行くぞ紅」
「慌てるな、すでに結界は張った」
「いい判断だ!待ってろ白黒魔法使い!いぃやっっっっほう!」
俺と紅は亜音速で部屋を飛び出す。
目指すは魔理沙が襲撃してきた場所、大図書館。
そこには『動かない大図書館』ことパチュリー・ノーレッジがいる。
いや普通図書館は動かないだろ、とか思った奴、廊下に立っとれ。
少年移動中・・・
「もってかないでー」
「持っていくぜ!」
おお、現在進行形でモロ交戦中。パチェが何とか粘っちゃいるけど
時間の問題だな。マスパでも撃たれたら一巻の終わりだな。
「そろそろ終わりにするぜ!恋符『マスタースパーク』」
思ったそばからこれだよ(笑)
「紅」
「ああ」
パチェの前に紅が結界を張ると同時にマスパがぶち当たった。
それにしても中々の攻撃力。咄嗟に張った物とはいえ、紅の結界に
ヒビを入れるとは・・・ファイナルスパークだったら破られるんじゃないか?
「ようパチュリー、危ないところだったな」
「ええ、コホッコホッ、ありがとう」
パチュリーとは昨日の夕食のときに一度会っている。
はじめて見たときは本当に紫もやしかと思った。(リアル話)
「ちょっと待っててくれ、懲らしめてくるから」
さて、どう可愛がってやろうか?
・・・とりあえず驚かす方向でいこう。
「ここでそんな大技使われると、本が燃えるんでやめてくれ」
俺は一瞬で魔理沙の背後に回って、耳元で囁く。
「なっ、誰なんだぜ?」
ほう、反応はいいようだ。すぐに距離をとってミニ八卦炉を構えた。
その目には明らかに警戒心が宿っている。
「臨時執事の八神零だ、以後よろしく!そして本は盗ませねえぞ!」
「一生借りていくだけだぜ!」
う~ん、発言一つ一つが超可愛いなぁ。背も小さいし・・・
こんな妹がいたら俺は死んでもいいな。
「お前の選択肢は二つある。一つ目、おとなしく本を置いて帰る。
二つ目、戦闘した挙句捕まってあんなことやこんなことされる、さあどっち!?」
俺としては二つ目を熱烈に所望する。まあ魔理沙の性格上・・・
「無理やり持っていくぜ!恋符『マスタースパーク』」
こうなることは分かりきっていたがな!(確信犯)
「おk、二つ目を所望だな、大宇宙『ブラックホール』」
俺が前に突き出した手の平から黒い球体が現れ、
魔理沙のマスパをことごとく飲み込んでいく。
「んなっ!」
「知っているか?ブラックホールは光すら飲み込んでしまうそうだ」
この技は文字通りブラックホールを生み出す技だが、ミソなのは
吸い込む距離、方向、強さなどを自由に調節できることだ。
「さあ、けじめをつけてもらおうか、禁術『絶対領域』」
さて、この空間はすでに俺のものだ。
もう一度ミニ八卦炉を構えている魔理沙に羞恥を味あわせてやろう。
「そんなもの構えてどうするつもりだ?『魔法なんて使えない』のに」
「何おかしなこといってるんだぜ!喰らえ!魔砲『ファイナルスパーク』」
そして静寂が訪れた。
「な、なんで魔法がつかえないんだ!?お前何をした!?」
「よくそんな威勢良くいられるな。『もうお前は動けない』ってのに」
今度は魔理沙の動きが完全に止まる。
「お前が悪いよな、おとなしく本を返せば何もしなかったのに・・・」
俺は微笑を浮かべながらゆっくりと魔理沙に近づく。
「ひっ!私をどうするつもりなんだぜ!?」
「そりゃあきまっているじゃあないか」
俺がパキンと指を鳴らすと、目の前から魔理沙が消えた。
正確には視界から消えただけなんだが・・・
下を見るとさっきの背よりずっとちっちゃい魔理沙がそこにいた。
服は小さくしていないので今にもずり落ちそうに肩に引っかかっている。
「な、なんなんだぜこれは~!!?」
「あっはっはっは!超可愛い~♪」
身長百センチほどの小さな魔理沙を抱きかかえ、パチェの元に連れて行く。
こ、こら、放すんだぜ!とか喚いていたが、この高さから落ちたら痛いぞ?
というと黙ってくれた。さっきの数倍癒されるわ~。
思わず抱きしめたら顔を真っ赤にして猫のようにおとなしくなった。
「ふふっ、随分と可愛い姿になったものね」
「お前も能力の使い方がえごいな」
「それは褒め言葉として受け取っていいのか?」
「うう~、まさかこんなことになるなんて思ってもいなかったんだぜ」
俺の腕の中で魔理沙がぼやく。
「よし、じゃあ魔理沙の晴れ姿を皆にも見せに行こうか」
「それはいいわね」
「よくないんだぜ!誰か、ああ、お前助けてくれ!」
自分の運命に逆らい必死に俺の腕の中から逃げようとし、横にいる紅に
助けを求めるが、まあ結果は分かりきっていることで・・・
「何いきなり話しかけてきてるわけ?」
一蹴されて落ち込む幼女約一名。
「転移ー」
少年幼女移動中・・・
「ただいまっ!」
「・・・なんだその腕に抱えているものは」
さっきの部屋に戻ると、早速刀弥が突っ込みを入れてきた。
ふむ・・・こいつの突っ込みスキルはA+といったところか。
「魔理沙だ」
そう堂々と答えて刀弥に渡す。
「じゃあ刀弥、魔理沙を頼んだ。俺と紅は用事があるので出かける」
「執事が仕事をサボっていいと思っているのか?」
「大丈夫だ、分身を残しておくから」
俺が指を鳴らすと俺と紅の分身が現れた。
「まあそれならいいか。どこに行くつもりだ?」
「そりゃあお前、決まっている」
俺は紅の肩に手を乗せ、
「古き友人のところに・・・遊びに行くのさ」
転移した。
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