12村にて。 Kの存在感は・・・煌く星のように
12村にて。 Kの存在感は・・・煌く星のように
マルタンの街を出て、二日目の深夜。 雨の上がった曇り空の中、一行は“マニュエルの森”の入り口であるトルトの村に入った。 辺りは鬱蒼とした森林地帯で、森の中の丘一帯にまばらに点在する民家に明かりなど灯ってもいない。
一行は、村の中心にある商店街に向かった。 そこには、村で唯一の宿屋があるとか。 行って見れば、ちょうど入り口のドアを閉めようとしていた。 建物としては、オガートで泊まった宿より一回り小さいログハウスのような建物だった。
Kは、宿の女将と掛け合った。
「あんれまぁ、こんな時間にお客かい?」
でっぷりとした、迫力のある中年の女性だ。
「先日、冒険者達が来たろ?」
「あぁ~、来た来た・・・レナードを森に連れて行った人達だろう?」
「ああ、その冒険者達の救出に来た。 数日、宿を借りたい」
女将は、包帯顔のKを訝しげに見て。
「ほぉ、まぁ~いいけど。 何人だい?」
「全員で、二十名だ」
「いいよ、全員泊まれる。 ご飯は?」
すると、後ろからゲイラーが。
「くれ、ガッツリいけるやつ」
「あいよ~。 ま、中に入んな~」
全員で、ゾロゾロと中に。
御者の男達二人は、馬の世話に入る。
さて、男達は、四人から五人の相部屋で。 ポリア達女性は、三人の相部屋になった。
Kは、休む事も無く。 一階の、奥に広がる食堂にて。
「女将、聞きたいことがあるんだが?」
「なんだい?」
女将は、ぶっきら棒な雰囲気を見せる初老の旦那と二人で食事を作り出す中で、Kに受け答えをする。 厨房には、暖炉を幅広くした竈があり。 早速野菜が焼かれ始める。
「怪我して戻って来た、そのレナードと云う人物は何所に?」
女将は、顎で北東をしゃくり。
「丘に上がった寺院さ。 今日の昼に傷口が腐り出血が酷かったらしいから、もうダメかもしれない。 魔法が効き難いってさ」
「丘の上か。 助かる」
Kは、そう言って出て行こうとする。
マクムス氏も、聞いていて。
「私も同行いたしましょう」
「好きに」
Kとマクムス氏が、その夜遅くに外へ出て行った。
さて、四・五人の冒険者は、馬車の揺れと寝不足で食事もせずにダウンした。
部屋に行って、荷物を置いて降りてきたポリア達。
マルヴェリータが呆れた口調で。
「フェレックもキーラって子もダウンね。 死んだ人みたいな顔で部屋に入っていったわ。 Kの言う通り。 明日に強引に森に入っても、体調不良でダウンだわ」
ダグラスは、パンを齧りながら。
「ああ、あのリーダーは、その辺は抜かりねぇ~な」
システィアナが、眠い眼でゲイラーの元に来て。
「ゲイラ~さ~ん」
ゲイラーは、いきなりキリリとなって。
「どうした? システィ?」
「マクムス様と~ケイさんは~どうしたんですかあ~?」
「おお。 二人なら、怪我して戻って来た村人を見舞いに行ったぞ」
「そ~ですか~。 わたしも~いきたかったで~す」
「うむ、システィの気持ちは最もだ。 だが、今のシスティはフラフラだ。 返って、迷惑になってしまうかもしれない。 明日、行ってみたらどうだ? 着いて行くぞ」
「は~い」
「うんうん、システィは賢い」
システィアナは、ポリアを見て。
「ポ~リ~ア~、ほめられた~。 ポリア~は~、お~ば~・・むぐ」
ポリアが、口を塞いだ。
「言うなっ」
マルヴェリータが、ニヤリと笑うと。
「言うなよ・・・心に留めてよね」
ポリアが睨む。
「あらあら、ケイと組んでから察知が鋭くなったわね」
「フン!」
結局、フェレック、キーラ。 そしてあの、太ったシスティアナと同じ神を信仰するハクレイと云う神官と、細剣を扱う剣士コールドと云う男がダウンしてしまった。
ポリア達は、他愛無い雑談と共に食事して。 終わったら、Kの言う薬草の煎じたお茶を飲む。
「うげぇ・・にげえ~」
ダグラスは、舌が麻痺しそうになった。
笑うポリアが、
「格好付けて、長く茹でるからよ」
マルヴェリータは、顔を顰めて。
「一杯で十分だわ」
その横で、半分寝ながら呑んでいるシスティアナを見て、ゲイラーは真顔で。
「イイ・・・神だ・・・・」
ボンドスは、むず痒くなって。
「お前の顔で言うな」
ゲイラーは、ボンドスに。
「人の事言えるか」
以外に、大人数ながら面白いチームだ。
さて、呑み終えた面々は、女将に礼を言って寝ることに。
ベットにシスティアナの身体を運ぶゲイラーの嬉しいやら恐れ多いと思う顔の歪み様は、ポリア達には滑稽なお芝居を見ているような感じで笑えた。
誰も酒も呑まないで、眠りについた・・・・。
さて、日が明けて。 次の日は、雲は多いが晴れていた。
昼前に、全員が起きて食堂に集まった。 前夜に、薬草のお茶を飲んでいた皆は、疲労が無く森に入れそうだ。
代わって、直ぐに寝たフェレック達は、気だるい雰囲気で眼の下に隈が出来ていた。
血色良くいつものように美しいマルヴェリータを見て、ゲッソリしたフェレックが。
「随分元気そうじゃないか・・」
マルヴェリータは、今日はフリーだからか。 肩の露出しているドレスローブ姿で、腕組してフェレックを見返す。
「ケイの言ってた事、もう忘れたの? 持って行った薬草は、食事と一緒に飲むと疲労回復の効果が有るって」
「飲んだのか?」
「ポリアも、ゲイラー達も。 今日は飲んだ方がいいわよ」
ゲッソリしたフェレックは、頷いて。
「今、飲む・・」
ポリアは、一緒の部屋にKとマクムス氏を含むダグラスに。
「ねえ、ケイとマクムス様は?」
「いや、まだ戻ってない」
「最悪・・・かな」
ポリアは、渋い顔をした。
だが、食事をし出した頃にマクムス氏が戻って来た。
「マクムスさま~」
「マクムス様」
システィアナ、セレイド、ハクレイの三人が立ち上がり、戻って来たマクムス氏を迎えた。
「今、戻りました」
システィアナが、憔悴した顔色のマクムス氏に。
「お顔のいろが~悪いですぅ~」
ハクレイも、セレイドも心配するも。 しかし、マクムス氏は、穏やかな笑顔になり。
「いやいや、疲れているだけだ。 村人が助かったのだから、ホッとして疲れたのだ」
ポリアは、驚いて。
「助かったんですか?」
マクムス氏は、ポリアの前の席に来ながら。
「ああ。 ケイ殿が、奇跡の妙薬の原料を殆ど持っていてね。 寺院にも、その穴埋めの素材が在って、ケイ殿が調合した。 いやいや、なんとも言えぬ手並みだった。 毒と怪我の回復の妨げになっていた病気が消え失せたので。 私が好機と見て、全力で傷を塞いでしまったから、もう大丈夫です」
フェレックは、集めるだけで一生懸かるとさえ云われる奇跡の妙薬の素材を持ってたと聞いて、腰が抜けそうだった。
「な・・・何モンなんだよ・・・」
其処に、Kが戻って来た。
「ケイっ」
間近に居たマルヴェリータが、彼の名を呼んで。 全員が、包帯男を見た。
「ああ~、眠い」
ポリアが、水を差し出して。
「お疲れさま」
受け取るKは。
「ああ、ホント危なかった。 多分、朝方まで到着がずれたら死んでたな」
マクムス氏も。
「如何にも」
そこに、調理場から女将が出てきた。
「レナードは・・・助かったのかい?」
長テーブルを前に、椅子に向かうKが水のコップを手にしながら。
「ああ、夜には意識は戻るんじゃないか?」
すると、女将の顔が明るくなった。 昨日までは、訝しげだったのに。
「なんて事だい。 ささ、料理をドンと出そうじゃないか。 これで、ミーナも泣かずに済むってもんだよ~」
Kは、席に着きながら。
「ああ・・・うわ言で、その名前を口にしてたなぁ」
マクムス氏も頷く。
女将、曰く。
「レナードの一人娘さ~。 今、十二歳になったばかりなんだよ。 もう怪我してからは、毎日毎日泣いてねぇ・・・。 今、近くの町に泊りがけで薬の買出しに行ってる」
「そうか・・・帰って来たらビックリするな。 疲れて寝てるから、死んだみたいに見える」
Kが、悪い冗談を言う。
「ケイっ、それはないでしょ~が」
「フッ」
ポリアに怒られたKが、皮肉めいた口元で鈍く笑う。
ケイは食事を終えると、薬のお茶をマクムス氏と呑んで休む事にする。
二人が休んだ後、ポリア達がクォシカの事件の回想をゲイラーやフェレック達に語って聞かせているうちに、夕方前に為り。 宿の食堂へ、裏口からお客が現れた。
「すみません・・・此処に包帯を顔に巻いた方と、高位の司祭様が居ると聞いたのですが」
入ってきたのは、黒い髪が膝まで伸びた可愛らしい女の子であった。
ポリア達みんな居た中で、少女に間近いフェレックが疲れた声で。
「上で寝てるぞ」
と。
気づいたポリアも、少女を見て。
「ケイに用?」
すると、ゲイラーが。
「助けた村人の娘さんじゃないのか?」
女の子は、頷いて。
「はい・・父を助けて頂いたお礼・・・言いたくて・・」
マルヴェリータは、その女の子の前に行って、微笑む。
「代わりに聞いておくわ。 助かって良かったわね」
「は・はい・・・」
まるで、ヴィーナスのような美しいマルヴェリータに、少女は見とれてしまい。
「あ・あの・・コレ・・・」
と、モジモジした様子で麻の小袋を差し出す。
「? なあに?」
「お金は無いんですが・・・ウチの畑で取れた果物で作った物です。 今日、作ったばかりで・・せめて・・」
受け取るマルヴェリータは、
「渡しておくわ。 気にしないで、元は同業者がアナタのお父さんを森なんかに連れて行ったから・・治せるなら治すのは当然よ」
「ありがとう・・」
そこに、ポリアが来て。
「ね、薬草が必要だったのよね? 名前だけでも教えてくれる?」
その会話に、面倒くさそうな面持ちで見ていたフェレックが。
「おい、ポリア。 薬草なんて、聞いて解るのか?」
ポリアは、見ないで。
「上に居るでしょ。 多分、ケイも同じ事するわ。 直ぐに似たような依頼回されても困るでしょう?」
「ちげえねぇ」
ゲイラーも、ボンドスも伝法な口調で頷く。
「んなこと言ったって・・・やるか? 普通・・」
フェレックは、お人よしにも程があると思った。
しかし、Kが、夕方にマクムス氏の後に起きてきた。
マルヴェリータが、来た娘さんのお礼と、贈り物を渡す。
受け取った包帯男は、袋の中を見て。
「お・・おお・・・おおおっ、これはいいもん貰った」
と、以外に嬉しそう。
システィアナが、Kの横で。
「なんですかぁ~?」
「飴~。 明日、食べよ」
ダグラスは、羨ましげで。
「いいなあ~、くれ」
「明日な」
飴は、作るのが楽な砂糖だけの物と、果物の果汁を加えた物と値段が三倍は違う。 少女が持ってきたのは、野いちごと、柑橘類の飴で、安売りしているものではない。 Kは、こう見えてかなりの甘党だ。
マクムス氏は、子供が居たと聞いただけで更に助けれた事に安心した。
「良かった・・良かった・・」
さて、Kは、厨房に立つ旦那に一つ注文をした。 旦那は、無言ながら頷いて了承してくれた。
少しして、外を散歩がてら見てきた男達も戻り全員が揃った。 もう、空はすっかり晴れて、星が瞬いて夜の帳が降りている。
四人掛けの長テーブルが、八列在る食堂の中央テーブルに、宿の旦那がKより頼まれた物を大皿に盛ってドンと出した。 豚肉の塊焼きだ。 丸々一頭分。 周りには、緑の生野菜がふんだんに盛られていた。
「美味そう・・・っすね。 リーダー?」
言う、ダグラスに、頷くゲイラー。
ボンドスや、フェレックのチームの鞭遣いの学者で、テンガロンハットに皮ベストの男イクシオが。
「でわ、早速」
其処に、Kが、
「待て。 お預け」
ボンドスは、薄眼で。
「犬か? 俺等は・・・」
「話が終わったら、食べていい」
と、言うと。 Kは、席から立ち上がり、全員を肉の前に集めた。
「いいか、明日の山に分け入る計画の話をする。 この肉の塊が、“アンダルラルクル山”、周りの野菜が“マニュエルの森”と思ってくれ」
仕事の話と解ると、全員の顔が引き締まった。
Kは、先ず赤と緑と黄色のパプリカに、白いブロッコリーを持ち出して。
「白いのは、北。 緑が西。 赤が南で、黄色が東と、方角だ」
と、解りやすいように、皿の端に置いた。
そして、皿の方角から見て、南南東の付近の皿の縁にスプーンを凭れさせる。
「此処が、村の位置。 そして・・・」
爪楊枝に紙を切って巻いた、旗の様な物をつけた物を肉の六ヵ所に刺した。
「この、旗の有る場所が、避難も可能な祠の有る場所だ」
ゲイラー、見て曰く。
「なんとも解り易い」
Kは、説明を続け。
「我々は、明日。 近くの森の入り口から入り、一直線に北に向かう」
そのまま行けば、山の南の祠にぶつかるのは、誰もが解った。
ポリアは、見る限り迷う感じもしない。
「楽ね」
「見た目はな。 だが、森は磁石が利かない上、似たような景色が続く。 しかも、森の地形が起伏して波打っているから、以外に迷いやすい」
ダグラスは、急に心配になった。
「リーダー、迷わないで」
「目印が有る。 方向音痴のポリアと一緒にするな」
「どうせ・・・方向オンチよ・・・」
ポリアは、なんか嫌な方向ばかりに引き合いに出されている。
「さて。 森に入る一日目が一番道のりが長いから、色々と疲れるだろう。 祠に着いたら、しっかりと休んでくれ。 そして、次の日。 この南の祠を出て、東の迂回ルートで次の祠に向かう。 此処が、多分は最大の激戦が予想される」
フェレックは、西側のルートに気が向き。
「探す方向は、そっちでいいのか? 西側は?」
其処にゲイラーが。
「そっちは、前に話しに聞いたが。 毒ガスを充満させてる沼や、池の群れだと。 リーダーの話からしても、そっちに行ってたら即死じゃないか?」
Kは、スマートな動きでテーブルに腰を寄り掛け。
「その通り。 それに、こっちには見たメモに載る薬草は一つも無い。 全て、こっちの東側だ。 それと、付け加えて。 朝方、寺院の老僧に聞いたが。 村人は、薬草に最も近いルートの東から森に入る為、冒険者達と早朝に別ルートに入っている。 つまりだ。 我々は南の祠から、東周りで遭難した冒険者達の居ると思われる祠三つを回る」
フェレックは、更に解せない。
「なんで、同じルートで行かないんだ?」
「うん。 実は、傷ついて戻った村人は、一つだけ薬草を握って帰ってきたのさ。 その薬草、森に無いものだ」
「って事は、森には居ないってか?」
「森に居るなら、聞く実力からして戻って来れるチームだ。 山に入ってから、立て続けに襲われた可能性が強い。 東の祠と、北北東の祠、そして南の祠に逃げ込んだ可能性が強いのは確かだと思う。 問題は・・・このチームで、夜に着く山で凶暴化したモンスターに勝てるか・・・」
全員が、黙った。
「俺は、言った筈だ。 無駄な無理も、必要ない行動も取らない。 全員を生かして、見回る事を第一にする。 南からのルートが、一番山に入ってから祠に近く、安全なルートだ」
ダグラスは、東の祠までの環境を聞く。
「南から、東の祠まではまばらな林だ。 只、どんどんマニュエルの森とは落差が生じて、森には逃げられない。 後ろの退路を塞がれたら、戦って切り開くしかない」
マクムス氏は。
「では、北北東の祠までは?」
Kは、頷いて。 北北東の祠を示す旗を手に取った。 そして、弄りながら。
「実に。 こっちに行くのは、最悪の場合だ。 この北北東の祠は、山の中腹にある。 此処に行くには、どうあっても難所を選んで行かなければならない。 多分、俺が守って行けるのは十人以下。 行くときは、人を選ぶ」
「森では無いのかね?」
Kは、深く頷いた。
「先ず、安全を選ぶなら。 下のまばらな森を行って、直線状になった辺りから、一気に祠を目指して上るのがいい。 ただ、これはまあまあ遠回り。 疲れていたら、祠手前に広がる“魔樹の林”にて蔓延る吸血樹木モンスターに取り囲まれる」
ポリアは、何が何だかだ解らない。
「何、そこ・・・」
「様を言えば、生き物の血肉を求めて動き回る植物のモンスターがウジャウジャいる。 一番デカイモンスターは、樹齢百年を超える大木の様なやつもいる」
「じょ・冗談でしょ?」
見上げる様な大木を想像したポリアは、ギョっとした顔を青ざめさせた。
代わって、ゲイラーは。
「最短ルートは?」
「それが、それが最大の問題だな・・・。 俺が一人で行くことも考える程にヤバイ場所なんだ」
「どんな場所なんだ?」
「うん・・・そうだな。 河幅が四キロぐらいある大河があるとしてくれ」
「デカイ河だな」
みんなが、それだけでも想像が難しい。
なのに・・・。
「その河の中が、全て骨だ」
Kの話を聞きながら喋っていた者も、聞いていた者も動きが止まった。
ゲイラーは、確かめるように。
「ホ・・ネ・・あの、俺等の身体の?」
「そうだ。 “屍渓谷”と云う場所だ。 古代の文献に出る、山に向かった人の群れが、魔王の放った地獄の業火で瞬時に焼き殺されたと書かれる最悪の戦場の一つ。 死んだ屍が呪われ続けて、死霊モンスターを生み出す子宮となっている。 薄い霧が立ち込めていて、足場が全て骨だ。 気力をしっかりしないと、僧侶は動けなくなる」
ポリアは、その想像だけで身の毛がよだつ。
「ふ・普通でも・・おかしくなりそうね」
「だな。 俺も、此処に行くのは気が引ける」
「ねえ・・・ケイ・・」
「ん? なんだポリア」
「あのさ・・クォシカの時に、凄いモンスターが上に居た・・じゃない?」
Kは、ポリアの言いたい意味がなんとなく解った。
「そう、アレくらいのがウジャウジャいる」
フェレックは、声を高くして。
「おっ・おい、本当に奴等は生きてんのかっぁ?!」
Kは、野菜をつまんで。
「さあ、遺体も回収する仕事の内容だ。 死んでいても、モンスターとして出てきても、戦って倒して回収せにゃ~な。 とにかく、先に行った奴らの生死を調べるのが大前提の話・・・だろ?」
と、野菜を口に放り込む。
全員、今になって仕事に向かう場所の恐ろしさを感じるようになった。
フェレックは、唸る。
「クッソぉ~、サーウェルスの奴っ!! 生きてやがったら、ぶん殴ってやる」
Kは、大いに頷いて。
「許可する。 思いっきり杖でいいぞ」
と、言ってから。
「全員、聞いてくれ」
皆が、Kを見た。
「戦いの中で傷ついた場合は、決して無理はするな。 直ぐに僧侶の手当てを受けろ。 全員が、皆をチームと思って行動する事。 尚、大怪我をして、途中で祠に残さなければならない場合には、誰かを一緒に残す。 それは、実力ではなく、個々に相手を決め合ってもいい。 薬や、持ち物の効能の復唱をするから。 再度確認してくれ」
と、Kは、薬の確認をする。
しかし、ゲイラーの周りでは、もう皆がチームと成り始めているのか。 ゲイラーのチームのセレイドが、フェレックのチームのハクレイに残るのを頼んでいたり。 ポリアに、ダグラスが残る役を買ってやったりと、纏まりが結束に変わりつつある。 ゲイラーは、自分の周りを見て・・・。
(これがリーダーか・・・俺には無理・・・かな・・・)
ゲイラーは、Kに対して尊敬の念さえ感じていた。
そんなゲイラーの元に、システィアナが来て。
「ゲ~イラ~さん」
「おお、システィ、どうした?」
「わたしがぁ~けがしたら~ゲイラ~さんが、のこってくれますかあ~?」
ゲイラーは、直立して敬礼し。
「はぁっ、ゲイラー残りますっぅ」
フェレックは、立ったゲイラーでKが見えず。
「デケ~の座れっつ~のォっ」
マルヴェリータは、ポリアに。
「残ってくれる?」
ポリアも、
「お互いさまよ。 どうせ、足引っ張るの私達なんだもん」
「だわね」
ボンドスが、イルガに。
「アンタ、俺の時、残ってくれるか?」
イルガは、Kがいるから安心できる。
「いいぞ」
ボンドスも。
「アンタの時は、俺が残る」
「心得た」
復唱を終えたKは、宿の旦那に合図して。
「さ、明日からは気が抜けない。 しっかり食べて、しっかり寝てくれ」
こうして、夜の食事が始まった。
なんだかんだいっても、やはり冒険を求めた者同士、話に花も咲けば色んな話が飛び交った。
星が深ける夜の空に輝きを増し始め、頃合を見て全員が薬膳のお茶をシメにして眠りについた。
いよいよ、森に入るときが迫った。
どうも、騎龍です^^
前の十一話と、今回の十二話は、続きだったのですが。 どうも長くなりそうだったので、分けました^^
いよいよ、十三話より森に突入いたします^^
楽しみにしていてください^^
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。