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第鉢獣二話 ていあん

 オッサンに男の修行の一環として馬の扱い方を教えてもらうという事で、シュヴァルツシルトは熱心にその手綱捌きを眺めてた。……これ、レイチェルの時とグラフィックちょこっといじっただけだろ。

「あんたらねえ…」
 いちおう、人前でイチャイチャするのは嫌いらしいミヅキは、簡易ベッドで戯れる俺ら三人の痴態に頭を抱えていた。メアリーさんに背中から抱かれてる俺。さらに俺はレイチェルを背中から抱えてる。ラッコ三姉弟。
「残念、ミヅキ。お前のスペースはない」
「…別にいいわよ、もう」
 ふてくされてその辺に座る。
 こめんな。後でいっぱい、かき回してあげるから。

「おにいちゃん、これがおわったら、どうするの?」
 唐突に、レイチェルが尋ねてきた。
「ん、いっぱい可愛がってあげるよ」
「ゃん……そうじゃなくって……」
 僧衣の上からうっかり触れてしまった。この絶妙な柔らかさも捨てがたい。
「あー、そうだな。なんだかんだ言って、国王は俺の事を無視できないはずだからな。これからもこの国の世話になると思うよ」
「騎士団に入っちゃうの?」
「俺一人で一国の軍隊以上の戦力あるから、どうだろうな。指揮系統とかどうなるんだろ。詳しく聞いてみるよ」

 つまり、全く何も考えてない。
 
「わたしは、教会に帰らなくっちゃ……」
 少し寂しそうに、レイチェルは呟いた。
「帰っちゃうの?」
「うん……やっ……おにいちゃん、いたずらしちゃダメっ」
「…寂しいなあ……」
「……教会に来れば、いつでも会えるよ」
 気を取り直して、にこやかにそう答えた。平べったい胸にぽつんと乳首だけ盛り上がってるのってすげえイヤラシイよな。
 
「…メアリーさんは?」
「私は、勇者様の側にお仕えできれば、それでよいのです。暇をみつけて、占いの仕事も続けたいとは思っておりますけれども」
 そういえば、第二話から登場しているにもかかわらず、占いしてる場面なんぞ一回もなかった気がする。どんだけ適当なんだ。
 
「勇者殿、国王になる気はござらんか」
 
 ……った、オッサン、今何つった?
 オッサンまで唐突に、俺にその背を向けたままそう言った。

「ここだけの話でござるが、今の国王の体たらく、勇者殿はどう思われる」

 ……確かに、俺もそうだが、国王も相当に適当すぎるぜ。なんせ国として魔王討伐に向かわされたのは、結局、俺とガイアのオッサン二人だけ。レイチェルは自分の意志でついてきてるし、メアリーさんだってそうだ。結果的にこんな少人数でなんとか出来てしまったが。
 
「いいのかそんな事言っちまって。オッサンも国王にメシ食わせてもらっているんだろ?」
「勇者殿はこの国について、それほど詳しくはなかったでござるな」
 まあそうだけどさ。
「この国には五つの大公家がおる。歴代の王は、その五大貴族の家々から選定されておるのでござるが、私はそのうちの一つ、チャルトリスキ大公に仕えておる。五大貴族の中でも力関係がござって、チャルトリスキ家はここ百年の間、王を輩出しておらん。勇者殿であれば、大公に取り入って王に推す事も出来よう。今の国王は、五大貴族の中でも最大の力を持つ、ユーク公が推した商人でござった。ユーク家の施策は貴族の既得利権を肥やすものばかり、今、民草は苦しんでおる。いかがでござるか、勇者殿」

 ……なんか終盤に入ってドロドロの政治劇に突入しそうな勢いなんだが。大丈夫か作者?
 
「……ってことはよ。俺、政治の事について何も知らないじゃん。傀儡ってこと?」
 オッサンは不敵に笑うと、再びその背中で語り始めた。
「一度、チャルトリスキ公に会ってみるがよかろう。大公に会えば、勇者殿は何か感じ取るものがあるはずと、私は信じているでござる」

 へえ。なんか途中から微妙にマジメな話がちらほらと混ざってきたのはわかるけどさ、これ以上マジメにやったら読者引かない?
 などと心配しつつ、俺はレイチェルの乳首を弄びながら考えていた。

 
 
 
 
「こらぁ、おにい…ちゃん……だ…めだってばぁ…」
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