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第奈々獣八話 さいごの

 ベッドからずり落ちて犬神家のごとく両足を天に翳し器用に眠ってるオッサンを叩き起こし、またもや馬車の調達に翻弄する。あー、一応、結局自分たちで調達するのはこれが初めてなのね。やっぱりグラフィック使い回し、カラーパレットぐらい変えろ。
 
 
 オッサンが御者席に座り、手綱をとる。俺はその手綱捌きを感心するような目つきで見ていた。おおー、ちゃんとここは差し替えられてるな。
 女性陣3人は簡易ベッドでなにやらヒソヒソと話し合ってる。
 まあ、今晩誰が最初に俺にカラダをゆだねるのか相談しているんだろう。今晩どころかいつでもオーケーだぜ。
「ここからですと、またあの魔物の住処となった森を越えねばなりませぬな」
 オッサンの言葉に反応して、メアリーさんとレイチェルがなんだか険しい眼で俺を見る。
 あーごめんなさい。思い出さないで。そんなこと。あれは本当に事故だったんだって。
 ミヅキは一人、きょとんとしてる。君は何も知らなくていいんだからね。
 
 まあ、正直、帰りの道中の描写なんてめんどくさいだけだ。今まで来た道をそのまま引き返すんだから。俺はゆっくりと後ろに流れていく風景を鼻クソほじりながら、眺めてた。
 昨日は、さすがにいきなり4Pとか、みんながケンカしそうでムリだったけど、今日は何となくいけそうな気もしないでもないなウヒヒヒ。
 そうそう、ともかく、俺に残された最後のミッション、レイチェルの処女膜を完膚無きまでブチ破る段取りでも考えようぜ。
 このまえ指突っ込んだときはほとんど無傷だったしな。ミヅキはかなり積極的なイマドキの女子学生(表現ぼかしました)だったけど、レイチェルみたいな完璧な(敢えて明記しません)だと最初の挿入まで苦労するんだよなあ。徐々に指と舌でほぐしていくんだけど、俺は初めて(敢えて明記しません)とヤッたときなんか準備に一ヶ月ぐらいかけたぜ。あ?おかしい?そんな男もいるって事だよ気にすんな。やっぱり痛がる女は痛
「勇者殿、あれが見えるでござるか?」
 …
 遙か前方、俺たちの行く手を遮るように、人影がある。真っ黒な装束に身を包み、仁王立ちしたまま、微動だにしない。
 
「…なあ、オッサン、たしか四天王って今まで3人しか出てないよな」
「召還士チャンドラセカール、セバスチャン殿の母君であるフォンブラウン、ライバッハ殿が捕らえたフォンノイマンでござるな」
 あ、セバスちゃんの存在すっかり忘れてた。たしかあっちの国の牢屋にママが捕らえられたままだから可愛そうになって残ってるんだっけ。フォンノイマンやチャンドラセカールも牢に閉じ込められたまま。
「呪文を喋られないように猿ぐつわされて、腕を縄でつるされて幽閉されてるんだっけ。…多分、鞭とか蝋燭とか三角木馬とか」
「我らを待ち受けているのであれば、四天王最後の一人やもしれませぬな。用心せねば」

「ミヅキ、ちょっとこっちに来てくれ」
 馬車の中からミヅキを呼び出す。
 俺の股間を見て赤面する。
「…なんでそんな元気なのよ」
 ごめんちょっと若作りママのよからぬ妄想を。
「それより、アレだ。明らかに怪しい人影」
「あー、でも四天王って雰囲気じゃないわね。子供っぽいよ?」
 そういえば何となくそんな気がする。
「オッサン、止めてくれ」
 どうどう、というかけ声で、馬の足並みが止まった。
 
「ここで待っててくれ、一足先に確かめてくる。危なくなったら逃げろ」
「どうせまたアタシに助けてもらうくせに」
 あーもう生意気なところは全然変わらないなこの女。
 
「超低空まイルーラ!」
 高速飛行呪文詠唱と同時に、周囲の空気が一気に加速した。腰の剣に手をかける。隙あらば一撃で粉砕する用意はできている。
 さあ、攻撃するならさっさと仕掛けてこい。俺がカッチョよく瞬殺してやるぜ。
 その人影は徐々に近づいてくる。俺は姿勢を低くし、攻撃に備えた。

 そいつは直前になって暗黒のフードを取り払い、両手を広げて俺を招き入れた。


「まおうさま!」


 あっけにとられた俺を、その小さな体でガッチリと受け止める。
 小麦色の肌、幼く丸みを帯びたその顔にある、大きな瞳に涙を浮かべて、ソイツは懇願した。
「まおうさま、わたしを見捨てないでください!」
 
 
 へ?
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