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第七話 さいてい

「最低」
「最低ですね」
「最低でござる」

 みんなの冷たい視線が突き刺さっていた。
 なんだよ、せっかく、15禁どころか18禁クラスのシチュエーションをやっとやっとの事で味わったのによ。
「なかなか来ないと思ってみれば、何という醜態を」
「…私、見てませんからね」
「まったく、うらや…けしからんですな」
 だってさ、この世界って美人しかいないじゃん。ハーピーも例外なくスンゲエ綺麗でさ、おっぱいバインバインでさ、そんなのをズンバラリンって切り捨てられるか?無理でしょ。フツー。
 
「俺は友好的に、争いは何も生み出さない、話し合おうって言ったわけ。それでも向こうさんヤル気満々だったからさ、仕方なく魔法を使ったのよ。そしたらうっかり間違えちゃって」

「いいえ、最初からそのつもりだったわね。私たち三人が邪魔だから、あんな芝居までして」
「バレバレだよ」
「バレバレでござる」
 武運を祈る、とかマジ顔で言ってたじゃんオッサン。
 
「それはそうと、家宝ってヤツは手に入ったのか」
「誤魔化したわね」
「誤魔化したね」
「それは誤魔化しでござる」

 わーった。わかったよ。もう。
「金輪際、魔物相手に単独行動はいたしません。そんでいい?」
 みんなは押し黙った。

「…わかったわ、それでもう許してあげましょう」
 ちょろいちょろい。なんせ、俺がいなけりゃ魔王なんか絶対倒せないからな。

「ね、家宝ってのは?」
「これなんです、ただ、これが魔王の弱点の鍵だといわれても、私にはさっぱりわかりません」

 小さな木箱の中に入ってるものは、俺が見慣れたものだった。
 
「ケータイ電話、あーあー、よくあるねえこういうの」
「…よくある…のでござるか?私は初めて見たでござる」
「そそ、なんかこんなファンタジー作品に現代物のギミックを織り込んで、読者に近親間を持たせる手法なのよ」
「げんだいもの?ぎみっく?」
「宇宙ものSFなんかでも、実はそこは地球だったとか、現代もののアイテムを出したりするのよ。使い古された手法だなあ」

 あ、読めた。魔王の正体も。
 コレ言っちゃっていい?
 たぶんね、作者、案外真面目にこの話を作ろうとしてたのよ。
 で、最終ボスの魔王は俺と同じ現代人。そんで俺と同じチートな能力を持ってるの。で、このケータイ電話に、何かそいつの恥ずかしい過去の秘密とか入ってて、それがお涙ちょうだいの展開で、それで一緒に現代に帰ってめでたしめでたしってやつ。大体当たってるだろ?
 俺と一緒なチートな能力を持ってるとするなら、この先ひょっとしたら、ちょっと苦労するかもなあ。めんどくせえなあ。
 
「どーすっかな。モチベーション下がった」
「それでは、魔王とは、話し合いで決着がつくのではござらんか?」
「…いちおうやってみるか。その前に、電池がもう無くなってるな。当たり前か」

 とりあえず俺は充電することにした。

「サニョーエネルーぽゴボルトゴヒャクミリアンペア(現パナすねッこ)!」

 いきなり電池がフル充電になり、画面には、ナントカペンギンというマスコットキャラクターが表示された。
「カシオだね。しかも古い」
「箱の中に何が入っているのでござるか?動いてござるよ?」
 ファンタジー人間が現代物ハイテク製品を見たときのベタベタな反応すぎてあまり面白くない。
 さーってと、メールメール。何が入ってるかなー
 
 人のケータイのメールをチェックすることほど面白いものはない。
 最低?ほっとけ。
 
 さて、そこに表示されているメールの内容を見て、俺は驚愕した。
 
 …たまにこうやって期待させて終わろう。

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