第奈々獣五話 ふきふき
例の宿場町に戻った。瞬間移動魔法のポースを見られるのは相変わらずハズカシイらしい。
みんなはてんでに、ミヅキへの別れの挨拶を送った。
「ミヅキさん、お名残惜しいです…」
「ミヅキさん、あなたにはとても感謝していますよ」
「ミヅキ殿がいなければ、多大な犠牲者が出ていたところでござったよ…あまり実感が無いのでござるがな」
あー、そうか。一応ミヅキはここの国の人間だからなあ。というかこのセリフ前回入れ忘れただろ作者。誤字脱字も修正しないという潔さは認めるけどさ。
「あ、あの、最後まで、つきあって、いいかな?」
なんだかしどろもどろのミヅキ。
そして女性陣二人の目つきが鋭くなる。
「おにいちゃん…」
「勇者様…」
あー、いや、あのね、いろいろあってね。あのその、
「やっぱり、旅は人数の多い方が楽しいよね」
「賑やかでよいですわ」
ほっ。てっきりもう君らを差し置いてチョメチョメした事がバレたかと。しかし、いずれバレる。つうかひょっとしたらもうバレてる。
「そ、そんじゃー、また馬車を調達した方が良さそうだな」
「そうでござるな。しかし、今日はもう遅いでござる。宿を探して、明日に備えるのがよいでござろう」
「賛成!」
「いいですわね」
「アタシも、それでいい」
ちーん。ここで問題です。オッサンが邪魔です。できれば、美女3人に囲まれてウハウハしたいです。ここで突然縛り上げても、前回のように誤魔化しがききません。魔王ノゾムはどんな作戦を立てるでしょう。
「じゃあ、とりあえず宿を探そう。二部屋あればいいよね。男性陣、女性陣」
簡単じゃん。二部屋借りて、修学旅行のノリで俺だけ部屋を抜け出せばいい。楽勝ぅ。
前回と同じ宿だと、ミヅキの瞬間移動能力で部屋の調度品を盗んだ格好になってるからパス、ごめんねいろいろ忘れてて。あとで弁償しに来るから。他の同規模の宿を見つけて、魔王討伐隊といっても通用するわけがないので行商隊ということで部屋を取る。食事中オッサンは酒をしこたま飲んで、部屋に戻った早々ガーガー寝てる。じゃあね、オッサン、桃源郷に、行ってくるわ。
「うっほーいノゾム!元気してるかぁ?」
誰だよミヅキにまで酒飲ませたヤツ。
みんなの様子をとりあえず見に来た、という格好で女性陣の部屋にお邪魔した。なんだか皆で揃って風呂屋の帰りらしく、夜着を纏い上気した顔で自分の髪を乾かしていた。あ、一名はただのヨッパライだが。
「おいミヅキ、明日も早いんだぞ。はしゃいでないでさっさと寝ろよ」
そんな俺の言葉も全くお構いなしに、下の店から引っ張ってきたエール酒の革袋を手に、枕をお手玉して遊んでいる。どうでもいいけど髪かわかさないと風邪引くぞ。
「勇者様は、湯浴みはお済みですか?」
「あ、俺はこれから」
えーと、メアリーさん?目の前に湯気が上がってる桶があるんですけど。どこから持ってきたんですか。
「お体、お拭きいたしましょうか」
解説。一応、この世界では風呂屋が普及しているんだが、十三世紀ヨーロッパっぽいこの世界の風呂屋がない地域や一般家庭ではこうやってお湯か水で体を拭くだけなんだよね。たしか。でもさ、これがここにあるって事は、俺はもうこの部屋に来る事、確定してたってことですよね。ヤル気マンマンですよね。
「「私もやるー」」
幼女とヨッパライもハモる。
「…あ、では、お言葉に甘えまして」
妙に神妙な俺。俺は近くのベッドの脇に腰掛けた。
えーと、絶対勃起します。確定です。べつにいいよね、男の子だし、はははは。
メアリーさんのしなやかな手が、お湯に浸した手拭いを絞る。うっわ、お母さんみたいだ(byシンジ君)いや、お母さんに勃起しちゃマズイだろ。
順番に絞った手拭いをレイチェルとミヅキに手渡す。
二人とも、キラキラと眼が輝きすぎ、なんか、ヘンなコトしようと思ってませんか?いや、むしろしてください。もっとあはん。
「お着物、お預かりします」
はい。脱ぎますよー…し、下は、さすがに、マズイような。とりあえず上だけ。
「うりゃー」
ばふ。レイチェルが顔面に暖かい布を巻き付ける。そのままごしごしと擦る。すんません、息できません。窒息します。
「うりゃー」
がし。おいミヅキ、なんで腰に手をかける。そのまま下に引っ張ろうとしてないか。いいのか?このまま次回突入すると大変な事になるぞ?
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