ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第禄獣九話 いつもいっしょ

「私からの挑戦状。歴代魔王をまとめた文献が欲しければ以下の暗号文を解け」

 その記述を見つけた俺とライバッハはお互いを見合わせた。
 
「このオッサン、明らかに遊んでるぞ」
「…ま、まあ、暗号文とやらを見ようではないですか」
 ちなみにこの話の冒頭でも説明したとおり、日記は日本語で書かれているからね。
「――かもめかもめかちんかちん――」
 その下には、伝統的な渦巻き型線香の絵が描かれている。
「…」
「…」
「もめもめちんちん、ですか?」
 アリスさん。女の子がサラッと言っちゃいけませんよ。
「なあ。この小学生並の思考回路って、いったい何なの?」
「確かに、勇者殿も霞みますね」
「なんだとコラ」
「あの…私の家の庭に、天使の像があるんですよ。ほら、俗に言う、しょんべん小僧」
 アリスさん。女の子がサラッと言っちゃいけませんよ。
「そのちんちんをもめって事では、ないでしょうか?」
 だからアリスさん。
「ま、あ、一応、考えられる事は、すべて試した方が、よいと思います」
 自分に無理矢理言い聞かせるようにライバッハは呻いた。
 ヨシ決定。
「おーい、ミヅキ、そんなところで空気になってないで入っておいでよ」
「あ、ミヅキ殿も来ているのですか。それは気がつかなかった。どうぞお入りください」
 
 名前を呼ばれたミヅキは、衛兵の格好をしたまま、何とも言えない微妙な表情で、観念して中に入ってきた。

「ラ…ライバッハ様、お久しぶりです」
「久しぶりだね。魔王討伐の件については、君にも礼を言っておかなければならないね。本当にありがとう」
「え、ええ、まあ」
 ライバッハはミヅキの手を取り、握手を交わす。とてもミヅキを殺そうとした人間の行動には見えない。ミヅキはミヅキで、視線を四方に泳がせながら、適当に挨拶を交わす。
 こうしてみると、本当にミヅキの一方的な片思いだったんだなあと、改めて認識する。あーあ、本気で不憫なヤツ。ライバッハ、わりいけど、彼女のカラダは既に俺のモノ。グヒヒ。

「ただ、問題があって、勇者殿が正気のうちに、魔王の能力に関する謎をどうしても解明しないと、勇者殿が魔王になってしまうかもしれないんだ」
「コイツはいつも正気じゃないですよ」
 まあ毎度のお約束なんだが。つめたいなあ。昨日はあんなに愛し合ったのに。
「だいたい、今すぐにでも魔王になっちゃうかもしれないのに、ずいぶん余裕ですね」
「あ、私ですか?大丈夫ですよ。その場合は3秒以内でカタがつきます」
 
 ほっほーう。相変わらずだな。
「魔王にならない方法があるのであれば、それを見つけるに越した事はない。私ももちろん協力します」
「…あ、ありがとうございます」
 やはりミヅキはぎこちない返事を返す。

 ということは、前回刺されたときは、その方法が見つからなかったか、もしくは見つかったとしても絶望的だったんだな。こう、俺を殺した人間と一緒に何か仕事するってのも奇妙な話だが、ライバッハはある意味、職務にクソ忠実なヤツなんだろう。俺が魔王になったら即殺す。ヤツにはその技量がある。なんとも頼もしいやら、末恐ろしいやら。
 
「では、勇者殿には気の毒ですが、これから逐一私が行動を共にします。しばらく、ご辛抱ください」
「…行動を共にするって、トイレも?」
「もちろん」
「風呂場も?」
「もちろん」
「よ…夜の営みも…」
「当然です」
 さらっと、言ってのけた。
 
 あ、そこで顔が真っ赤になってるアリスさん。えーと、そっち方面とか妄想されても困るからね。ライバッハ×ノゾムとか同人誌作らないでね。
 
 ったくよ。今日はミヅキを言葉責めでいぢめにいぢめてズバンズバンとセックス三昧したかったのによ。 …ってことは、謎を解き明かすまでセックス禁止?ちょ、それって一体いつになるのよ?

 
小説家になろう 勝手にランキング


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。