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第禄獣五話 たいさくかいぎ

 魔王討伐隊各位
                                瀬織望(公印省略)
                              
   新春の候、各位には益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
   日頃は、当討伐事業にご理解とご協力を賜り深く感謝いたします。
   さて、当討伐隊事業におかれまして、先日、某王宮騎士団による討伐隊員への
   一方的な襲撃がございました。
   つきましては、対策会議を開催いたしますので、ご多忙のところ、まことに
   勝手ではございますが、ご出席をお願いいたします。
                 

「彼らの目的が解らないのよ」
「俺は殺された。魔王としてな」
「ふむう。となると、ライバッハ殿が勇者殿を魔王と誤認するなんらかの外的圧力があったと考えるべきでござるな」
「魔王はまだ生きていて、ライバッハ様に何か吹き込んだという事でしょうか?」
「わからんが、可能性はある。国王もグルだった。俺が魔王と確信できるぐらいの情報があったんだろう。セバスママの能力みたいに思考を操られたという雰囲気じゃなかった」
「でも、魔王の住処はおにいちゃんが」
「そう。俺が跡形もなくフッ飛ばした。死体の確認なんか出来ない状態だったからな。イラク戦争で50口径の直撃食らった兵士よりタチが悪い」
「いらく戦争?」

 あ、おばちゃん、ごめんね。勝手に上がり込んで緊急会議とか。そんなイヤそうな顔してお茶とか出さなくていいからね。
 ということで、王都からだいぶ離れた農村の民家に昨晩からお邪魔している。
 
「とりあえずありがちなパターンから詮索しておこう」
「ありがちなパターン?」
「たとえば、魔王を倒した者が、その能力によって次の魔王へと洗脳されるというパターン。つまり、今、俺は自動的に魔王になっているって話だ」
「おにいちゃん、魔王なの?」

 ミヅキが、それだ!って顔してる。
 おいおい。いきなりネタバレを許すほど作者も甘くは
 
 …そんな気がしてきた。
 
「え?俺、魔王?俺、魔王っぽい?」
「なんとなくそう見えなくもないでござるな。最初から」
「道行く人にも、「あ、魔王だ」って言われるぐらいだからね」
「勇者様のステキな笑顔が…」
「昨夜アタシにあんな事」
「あーーーーー!、そうだねえーーーーー!!!、確かに魔王っぽといえば魔王っぽいかもしんないねえ!!!」
 
「…じゃ、殺されかけたミヅキは四天王?」
「…う、なんかヤダ」
「えーと、俺以外に4人。見事に四天王の誕生だね」
 とりあえずみんなイヤそうな顔をする。

 …まてよ。
 
「じゃあ、なんでライバッハはそれを知ってて俺を殺したんだ?今度は自分が魔王になるだけだろ」
「魔王の自覚が出る前に殺せば、魔王にならないんじゃないかな?」

 オッサンが、それだ!って顔してる。
 おいおい。いくらなんでも

 …十分あり得る話な気がしてきた。
 
「このままほっといたら、俺が俺じゃなくなるって事か?」
「え、おにいちゃん、そんなのやだよう」
「それは困ったでござるな」
「魔王って膝枕できるんでしょうか…」
「まあ、今のままでも十分魔王っぽいし」

 …推測の域を出ない。議論は空転だ。国会じゃあるまいし。
 
「よし。俺に考えがある。こちらから出向いて、ライバッハに直接聞いてやる」
「…え、それ本気で言ってるの?」
「要は不意を討たれなきゃいいわけだ。ヤツは今日、確実に王宮にいる。わかっていればどうって事は無い」
「アンタ一人で行ってくるわけ?」
「…ミヅキぴょん、おねがい。怖いからついてきて☆」

 ミヅキは、はぁ、やっぱりアタシか、って顔をしながら、渋々席を立った。
「つうかその声キモイ」
 
 
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