第御獣二話 ひめたおもい
なんで俺がこんなチンコ丸出し男の相手をせにゃならんのよ。
「一応、お前にも聞いておく。確か召還能力は、呪文だけじゃ使えないんだったな」
コイツの口塞いでいる猿ぐつわをほどいた。もちろん、いつでも首を跳ねる準備は出来ている。
「さあ、喋ってもらおうか、魔王はどこにいる?」
もちろん、口は閉ざしたまま。
「…まあ、そう簡単には喋らんわな、よし、こうしよう」
俺は奴の足にかかってる荒縄を引っ張った。
「このまま、街に出てみようか」
「!!!」
股間の貧相なモノをブラブラさせながら、奴は無言で必死に抵抗した。
「…そういや、ガイアのオッサン、こういうの好きかな?チャンドラセカール、オマエ、ケツにブチ込まれたことあるか?」
抵抗が止んだ。奴の顔面は蒼白になった。
「ああ、なんかさ、最初は痛いらしいけどよ、あとあと快感になってくるらしいぜ。試しに一度、やってもらうのがいいかもしれないな。おい、ミヅキ!!」
返事は帰ってこない。彼女はずっと離れた場所にいる。というかさっきコイツのことを思い出した瞬間に逃げ出した。なーに純情ぶってるんだか。
「聞こえてるなら、オッサン連れてきてくれ!!」
足音が遠ざかった。一応、呼びに行ったらしい。
チャンドラセカールは、相変わらず無言だが、眼にいっぱいの涙をためて訴えかけている。
「喋れば、楽になるぞ。田舎の母さんをこれ以上苦しませるんじゃない」
どたどたと鈍い足取りが聞こえる。
「勇者殿、作戦は無事…」
「コイツ、なかなか口を割らないんだ。オッサン、まかせていいか?」
いい眼してるなあ、オッサン。
「承知しましたぞ、勇者殿。ここはこのガイアに任せてくだされ」
「わかった!喋る!喋るから!!!」
「では、二人きりで話した方が良さそうでござるな」
「喋るっていってるだろ!!な?頼むよ?!堪忍してくれ」
「勇者殿、しばしお待ちくだされ。じきに白状させますぞ」
「あー、うん。期待してる」
「待って!!本気で待って!!お願い、許して!魔王の居場所いいます!ここから先の!!」
その言葉も聞かず、オッサンはチャンドラセカールを抱えて、なんか、そう、そのへんの茂みに走り去っていった。すっげえ嬉しそうに。
「あああああアアッーーーーーー!!!!!」
チャンドラセカールの悲鳴がこだまする。
あーあ。これでまた別世界の扉を開いた人が一人。
…そういや、セバスちゃんは大丈夫なんだろうな。クソ、覗いてやる。
俺は足音を忍ばせてセバスちゃんのいる櫓へ向かった。
ハイ、そーっと、覗きましょッたら覗きましょ。
…案外普通。
セバスちゃんは、自分の剣を四天王の女、フォンブラウンの首に突きつけたまま仁王立ちしていた。
「おーい。お楽しみのところ申し訳ないんだけどよ」
フォンブラウンは、彼女は、泣いていた。
命乞いをしているわけではない。
その眼は悲しみに満ちあふれていた。
「勇者ノゾム。出て行け。邪魔だ」
セバスちゃんは冷たく俺にそう言い放った。
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