第御獣話 ふたたび
とりあえず万年生理不順のミヅキの不機嫌が収まるまで、ということで簡易ベッドに伏せていたらもう朝になっていた。
「出発しましょう。東の砦まであと少しよ」
ミヅキの寝ぼけ気味の声が響く。昨晩はよく眠れなかったようだ。
あー、俺ばっかりベッド占拠してて悪いね。ホント。ここ三人で満員だから。後頭部フカフカおっぱいはデフォだから。
ミヅキはオッサンと御者席にいる。セバスちゃんはまだ放心中。俺は後頭部のおっぱいを堪能しながら考えていた。
目の前の○女もイタヅラしてえなあ、という事もあるが、それよりこの先のこと。砦には結構な数の魔物がいた。大火力で焼いてしまってもいいが、ぶっちゃけ、あの魔物を召還し支配しているのはチャンドラセカール。そいつさえ最初に倒してしまえば、あとは結構楽にいけるんでねえの?オスの魔物ばかりだったから、超強力発情魔法はあまり効果がなさそう。下手すれば、俺もオッサンの仲間入り。ならば、あっちでいくか。
「へっくし!」
ベタなクシャミだなオッサン。
とりあえず作戦会議しとこうか…あ?
メアリーさん、ダメですよ朝からそんなところ…
まだちょっとひりひりするけど、あっ、だめ…
「うーん…おはよ、おにいちゃん」
…ハイおはよう。
「…というわけだ。やぐらの内部配置は図のとおり。俺は第一陣を封殺する。敵が身動き出来ないあいだにセバスちゃんとミヅキは内部に進入、敵の四天王を捜索せよ。チャンドラセカールは召還以外にたいした能力をもっていない。迅速に行動すれば、すぐにでも捕縛できるはずだ。オッサンら三人は後方で待機、不慮の事態があった場合は適時判断、無理はするな。以上、質問は」
「チャンドラセカールのいる場所の目星は付いてるの?」
「わからん。どこかの建物にいるはずだ」
「見つけたとして捕縛するより、倒してしまってもかまわんのだろう?」
「捕縛して情報を引き出すんだセバスちゃん。お前も魔王軍のすべてを知っているわけではないだろう。交戦規定は厳守しろ。あと、そのセリフは弓の人っぽい」
「簡単に言ってくれるぜ」
「ミヅキのカバーをしっかり頼むぞ」
「了解」
どっかの拙作のような雰囲気を醸し出しながら、俺たちは丸太で囲まれた砦の敷地に足を踏み入れた。
「さて、やるか!」
目の前には歩哨を務めている牛頭が数頭。まだこちらには気付いてない。
「団鬼ロク(そういえばコイツで男しか縛ってねえよもったいねえ)!!」
そいつらは生々しい荒縄で縛られ、身動きがとれなくなった。
「Chalk2,GO!」
物音を立てずにセバスちゃんとミヅキが中に入る。俺も続けて進入した。
次々と魔物達を魔法の呪縛で縛っていく。
おっぱいハーピーの縄の食い込み具合がたまらなかった。
「|安全確保《SectorClear》、この櫓にはいないな」
「チャンドラセカール、どこだ?」
「静かにして、あそこに…」
敷地の中央に備えてある薪の脇で、チャンドラセカールは話し込んでいた。あのピエロ野郎と。
「…こいつは予想外だ。俺が壊滅させてなければ、あのピエロはここに来る予定だったんだな」
「フォンブラウンは相手の思考を自由に操る能力を持っている。クサレ勇者、お前の呪文詠唱より早いぞ。見つからずに何とかしなければ」
「ああ、俺(そういえば~もったいねえ)まで喋ってるのか」
「アタシにまかせて」
そういうとミヅキはステッキを掲げ、四天王二人にロックを掛けた。
「…殺すなよ」
「これぐらいで死んでちゃ四天王なんて大ゲサな設定してないわ…れイフォース!!」
その声に二人が気付いたのかどうなのか、こちらに顔を向けたと同時に、光の曲線はその体に計8つの穴を開けた。
「すかさず捕縛…団鬼ロク!」
二人は全裸亀甲縛りで地面に倒れ込む。
…って。
「きゃあ!きゃあ!」
「ミヅキはしゃぐな、うろたえるな」
小男チャンドラセカールのチンチンはいいとして、
あの仮面のピエロ野郎だと思ってた中身は、長髪の艶めかしい美女だった。
ああ、巨匠、感謝します…食い込み具合がタマランです…
…つうか呪文短くても発動するじゃん。
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