第YON獣六話 しきりなおし
「足手まといだっての!!」
…って、あれ?どっかで聞いたようなセリフ。
さわやかな森の香りに囲まれて、俺は一体何をしてるんだ。
「…ほーう、足手まといねえ」
あー、ミヅキさん?なんだか、ものすごーく、怒ってませんか?
「レイチェルちゃんが攫われて、助けに行ったらアンタ彼女刺しちゃって、ついでにアタシまで刺しちゃって、そんなに邪魔なんだ」
お、そうだ、単身敵地に乗り込んで、そんでもって、あのピエロ野郎に
「もういっぺん死ねばいい!この包茎ヤロウ!!」
俺の側頭部に衝撃が走り、周囲の風景が一巡して頭から地面に落ちた。
ああ、綺麗なハイキック。おぱんつも純白。この世界にも漂白剤あるのか…
周囲に足音が聞こえる。みんな何事かと集まってきたようだ。
とりあえず、みんなに事情を説明しなきゃ。あのピエロ野郎のことも。
とりあえず俺はエクソシスト運動で立ち上がった。
「キモッ」
「それにしても一体何事ですか、確かに勇者様はカセイホウケ」
「ストップ、メアリーさん」
そんな事は暴露しなくてよろしい。
「ミヅキさん、何があったの?」
「ああ、コイツがね、私たちを邪魔者扱いして、一人で勝手に魔王を倒しに行ったんだよ。そしたらアッサリやられちゃったから、アタシが時間を戻したの、レイチェルちゃん、あなたもこのバカに殺されたのよ?」
「え…?」
あー。よかった。レイチェルは生きてる。
「レイチェル、ごめんな、ごめんな…」
「おにいちゃん?」
俺は感極まって、思わず彼女を抱きしめた。
「痛かったろ…本当に痛かったろ…」
(おにいちゃん、…本当に痛くなかったってば…みんなの前で恥ずかしいよぅ、もう…)
レイチェルは顔を真っ赤にしてそう呟いた。
あ、を、そっちの話ではなくて。
「…とにかく、今後の傾向と対策は練り直ししなければならんな」
「ぬう、勇者殿が一度体験したとあれば、対策は立てやすいでござるな」
「あのさ、一応アタシにも謝るってのがスジだと思うんだけど」
「お前に下げる頭は無いガふぇ」
かかと落とし。どうでもいいけど、それ見せぱんつ?
「なんだよ、お前も抱きしめて謝って欲しかったのカげむピ」
震脚と共に鉄山靠。技が多彩だな。どこで覚えた。
「アタシをタラシ込むなんて十年はえぇんだヨ!」
ああ、十年たったらあんな事やこんな事までおっけぇって事だね。
どうでもいいけどさ、コメディのくせにハードっぽい展開やっちゃったからオマエまた現実逃避してマジエロ作品の続編一本上げたろ?。こっちのノリの方がやりやすいんなら最初からそうしろよ。
「とりあえず…そうだ、セバスちゃんにトドメを刺してなかったから、とんでもないことになったんだった。ヤツめ、俺のマスタースパー○を止めるだけでなく、全能力を止められるっぽいな。よっし、レイチェル、対策を練るぞ。ちょっと二人であっちの方に」
「どっちの方に行こうとしてんのよ」
馬車のベッドが恋しいなーって。
「あのアンタと同類の変態黒人がまだ近くにいるはずね。まずはアイツを倒してからでないと」
「…まてよ、倒す必要ないじゃん」
「どういう事でござるか?」
やや空気になりかけてきたオッサンは不思議な顔をしていた。
…さらにどうでもいいけど、○女にかかってる魔法ってもう解けたって設定なの?どうなの?うっかり抱きしめちゃったけど。…ああ、その顔、おーけー。オマエいい奴だな。
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