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第燦獣六話 どっぐふぁいと

「ふん、ずいぶんと久しぶりですね。お兄様」
 
 確かコイツはリセットされて今回は会っていないはず、だが、しっかり俺のことは覚えてやがる。間違いない、俺と同じチート能力者セバスちゃん!!
「妹さんを、僕にくださる気にはなりましたか?」

 ふふん、一生ほざいてろ!
 俺は素早く剣を抜き放ち、横一線に薙ぎ払う!紙一重で後ろにかわしたヤツは、素早く右腕を俺に突きつけた。鋭い衝撃が俺の体を突き抜ける!
「ガフっ!?」
 あ、俺弱ええ?!前回足切られて、こんどは吹っ飛ばされるのかよ!
 ざばあという音と共に俺は頭から湖に落ちた。
 
 ちくぼしょうばこぼんどこぼぞげけぢようげひょうんぢにじでだやぶる
 
「はっきり喋れ」
「ちくしょう、こんどこそ、けちょんけちょんにしてやる」

 ヤツは鋭い視線をこちらの方に向けてきた。その視線は俺を飛び越して
 
 …
 ああ、そうかそうか。ごめんね。君たち。いたんだね。
 あ、何その眼。やっぱりねってカンジの。いやね、俺、一人でジックリ鑑賞しようと思ったらね、コイツがね。
 
「…メアリーさん、上がりましょうか」
「…そうですね」
「えっちなのはいけないと思います」

 お三方は、冷たく俺を見放すと、馬車の方へさっさと泳いでいった。
 
「おい、セバスちゃん、後で俺、死刑にされるよ。どうしてくれるよ」
「かくなる上は…」
「かくなる上は、なんだ」

 マズイ、あれは、呪文詠唱体勢!
 
「ジロウ、サカガミ55ゴウ!!」

 ヤツの呪文が完成すると同時に、一瞬にして、俺の視界は水しぶきで埋め尽くされた。
 これは飛行魔法?!
 
 ヤツは泳いでいる幼女をすばやく抱きかかえ、まっすぐ上昇した。
 
「逃がすか!」
 こちらも高速飛行魔法を唱える。
 俺のスピードはマッハ3だぜ!!!!
 
 ベイパーコーンを纏ってヤツを追跡!ふふん、あの様子じゃ、熱の壁は突破してねえな。飛行能力は俺の勝ちだ!
 
「幼女誘拐とかテメエ!!お昼のワイドショー独占して奥様の井戸端会議ネタにでもなりてえのか?!」
 ヤツが徐々に近づいてくる。ナマ幼女抱えたヤツが。
 もうすぐ手が届く、というところで、超高速で、旋回?!
 同時に、ヤツの体から、無数の光の矢が、板野サーカスっぽく光の曲線を描きながら俺に迫ってくる!
 俺の体にかかっている加速度が9Gを超える!
 
「お前と、バカやってる暇なんかハァァァァァァッッッッ!!!!」
 俺は素早く呪文を唱える。防御魔法発動!
 
 光の矢は次々と俺に命中するが、どうってことないぜ!!
 
 ついに、幼女のちくびが拝めるまで接近した!
「えい☆」
 幼女奪還。
 んでもって、ズバンとセバスちゃんを蹴っ飛ばすと、ヤツは森の中に墜落していった。

(俺は、13回奢らされたァァァァァァッ)
 何いってんだアイツ。
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