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第燦獣二話 いけめん

 ミヅキはテーブルに放置されてるタバコを何本か引っ掴むと、部屋を出て行こうとした。
 
「どこ行くんだよ?」
「どこだっていいでしょ?!」
「逃げるのか?」
「 ト イ レ ! ! 」
 壊れんばかりにドアを叩きしめると、ミヅキは下に降りていった。

 あっそ。そんな力一杯トイレ宣言しなくてもいいでしょうが。便所でタバコ吸ってる女子高生魔法少女、斬新な設定だ。
 あー、ごめんね幼女。セックスセックス吉川晃司みたいに言ってたら、そりゃ幼女は混乱するね。えっちなのはいけないと思いますとか譫言のように呟かなくていいからね。
 …メアリーさん余裕の表情。

「勇者殿、動機はどうであれ、やる気になりましたな。一時はどうなることかと思いましたぞ」

 まあ前からセックスできりゃあそれでいいとか言ってるけどな。

 バタン、と扉の閉まる音。ヤンキーJKが帰って来た。
「…笑うなよ」
 彼女は謎の宣告をすると、例の魔女ッ子ステッキを取り出した。
「…?、一体、何をおっぱじめようってんだ?」

 あれ?なんかソレっぽいBGMが頭の中に響いてくる。
 彼女の背後にたくさんの☆が乱れ散りはじめた。
 BGMに合わせるかのように、彼女はソレっぽいポーズをとりはじめた。
 
「ぱすかる~」

 服ぬげ、裸、定番のハダカ!ハダカになれ!!
 
「ぴーえいちぴー、るびー、ぱいそん!!」

 なんだよ脱衣ねえのかよ!

 
 ☆の雨あられが収まると、いきなりそこは青空の下だった。
 人々が行き交う石畳の上に、ベッドやら、タバコの山が築かれたテーブルや鏡台、俺はもちろんオッサンや幼女、メアリーさんもいた。寺山修司なみのシュールさだった。
 
「そこの宮殿に入ってて。勇者だって言えば、入れてくれると思うよ」
「…その前に、ここどこだよ」
「あたしの国。やりたいことがあるの」

 入国審査とかビザとかはいいとして、盛 大 に 端 折 っ た な。
 
 とりあえず、言われるまま、四人で宮殿に向かった。ミヅキは別の用事があるらしく、その場からいなくなった。
 
「たのもーう」
 宮殿の前には門番の他、きらびやかな装飾用鎧を纏った騎士が、自分の部下と思われる兵士と打ち合わせらしきことをしていた。その派手鎧のリア充イケメン騎士は、オッサンと目が合うと、ぱあと微笑んだ。
「ガイア殿、お元気であられたか!」
「ライバッハ殿、久しぶりでござるな。しばらく見ぬ間に大きくなられた。父上は達者か」

 あ、一応騎士同士知り合いなのね。
 
「あなたが、勇者ノゾムですね」

 ああ、こんな顔されたら、落ちる女は落ちるんだろうなあ。ちっきしょう。ムカつく。俺も笑っただけで落とせるようになりたい!
「我が軍の進撃の前に、国境の町をひとつ救っていただいたあなたに、是非、礼を述べたいと思っていたところです。本当に、ありがとうございました。私は王宮騎士団長、ライバッハと申します」

 この男かい。ミヅキが云々言ってたのは。

「勇者殿にお願いがあります。出立の前に是非、私と手合わせ願えませんか」
 フン、楽勝。軽くヒネリ潰してやる。
「いいっすよ」
「ありがたき幸せ」
 
 イケメン騎士は、着ていた装飾鎧を取り外し、打ち合わせていた自分の部下に次々と預けると、ほとんど平服の軽装になり、俺たちを宮殿の中に導いた。
 なにやらさっきの部下は、自分の上司に文句をいっている。

「勇者殿、油断せぬ方がよろしいですぞ。私も一度、手合わせ願っておりますゆえ」

 ハァ?そんなもん0.05秒で瞬殺だぜ?
 
 
 とりあえずミヅキについて今回分かったことは、
 タバコの煙吐いたら宙に浮くぐらいで、
 腕一本なくすぐらいの血が出たらリセット能力が使えて、
 おしっこじゃーじゃーうんこもりもりしたら瞬間移動能力が使えるって事だな。
 ヒドい設定だ。
 
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