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第獣四話 あさまで

 まあ、何も期待してねえからいいけどよ。ホントだぞ。
 
 風呂屋から帰り、部屋の扉に差し掛かると、彼女は鏡の前で、就寝前の祈りを捧げていた。
「天に召します我らの神よ…」
 邪魔をしちゃ悪いと思って、部屋の中に入るのを躊躇った。
 ひとしきり祈りの文句を終ると、こちらに気付いたようだ。
「おにいちゃん?なにしてるの?」
「ああ、邪魔をしちゃあ、悪いと思ってな。毎日欠かさないのか。お祈り」
「うん。もちろんだよ」
 無邪気にそういった彼女を、俺は直視できなかった。
 薄手の夜着に着替えた彼女は、普段とはまた別の人間に思えた。
「さあ、もう寝ようよ。ガイアさんも明日ぐらいにはこの街に着いてるよね」
「そうだな」
「ん?おにいちゃん、なんか変だよ」
「何でもねえよ。ガキはさっさと寝な」
「はーい」

 彼女は元気に返事をすると、布団の中に潜り込んだ。
「おふとん、あったかいよ。おにいちゃんも、早く寝ようよ」
「頭がまだ乾いてないんだよ」
「じゃ、こっち来て」
 彼女は俺を手招きすると、枕元に置いてあったタオルを手に取った。 

「ああ、わりぃな」
 くしゃくしゃと、俺の頭を撫でる、細い腕。
「今日は、お疲れ様でした」
「覚えてないのか?」
「ん?何を?」
 俺が彼女にしてしまった、数々の仕打ちを。
「へんなおにいちゃん」
 ひとしきり頭を拭き終わると、掌でペチンと叩いた。
「これでヨシ。もう眠たくなったから、寝るね」
「ああ」
「おやすみ」
「おやすみ」
 俺が腕を伸ばすと、勝手に頭を乗せてきた。
「ちょ、コイツ…」
 俺が少し驚いたことに気を止めた様子もなく、しばらくすると、俺の腕枕で、すやすやと安らかな寝息をたてはじめた。
「襲っちまうぞ」
 眠った彼女の顔は、とても幸せそうだった。
 
 
 寝付けなかった。
 寝返りをうった彼女は、俺の体に寄りかかった。
 彼女の柔らかな唇は、俺の腕にふれていた。寝息が俺の産毛をくすぐった。
 掌は、俺の心臓の鼓動を感じ取るように添えられていた。
 俺の足はその艶やかな太腿に絡め取られていた。
 彼女の全身から沸き立つ香りが俺の鼻孔を刺激した。

 ってか、非常にマズイ状態だった。
 このままでは、俺は目覚めてしまう。
 幼女系に目覚めてしまう。
 ちくび見えそう。
 肌がツヤツヤのサラサラ。
 あ、これ以上寝ぼけたらマズイ、勃起してるちんこに足が当たっちゃう。
 つうか無理、マジ無理。えっち禁止とか無理。
 
do {
 
 奪いてぇ、ちゅーしてぇ、なんかもう眼閉じて俺のちゅー待ってるよ、絶対そうだよ、これ誘ってるよ、絶対誘ってるよ、むしろここまでされて何もしないとか男としてどうよ?
 ちくびいじりてえぇ、服んなかに手ぇツッコンでちくび転がしまくりてぇぇ
 あそこいじりてぇぇ、中指でコリコリしてぇ
 よがり声ききてええええ

 うっわ、マジコレ、拷問?
 
 …いや、これ罠。ぜったい罠。
 …
 …
 
 …うー

} while (dawn==true);
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