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第獣三話 ようじょ

 もういいよ。疲れたよ。パトラッシュ。
 確かさ、読者全くいなくて後から読み返すと身もだえするような稚拙な文章のハードSFと、一回あたり1万文字ぐらい書いちゃうエロエロ作品の息抜きのためにコレ書き始めたんだろ?ここんところ、このバカ小説以外ぜんぜん進んでないじゃん。現実逃避すんなよ。
「おにいちゃん」
 あーはいはい。もういいよ。あきらめたよ。もう俺にコビ売っても仕方ないんだよ。こんなチートな能力使ったって、どうせセックスできないんだよ。はいはい。とっとと一人で宿探してオナニーして寝るよ。わかったよ。
「勇者のおにいちゃん。ノゾムおにいちゃん」
「やかましいぞ幼女」
 あーまた泣く。どうせ期待させとくだけさせといて、何にもないんだろ。とっとと消えろよ。
「…そうだよ」
 あ?
「あたしは、神様に仕えてるんだもん。えっちなことはいけないと思うよ」
 泣きながら、彼女はそう呟いた。
 そーだよな。
 …まだ魔法解けてないのか?って、だから期待するなって俺。
「とにかく、お宿を探そうよ。ふかふかのベッドでおねんねしたいの」
 贅沢なアマだなおい。
 あれ?ちょっと笑ってる?…だから期待するなって、俺。

「しっかしな。さっきのホテルもそうだったし、俺ら二人で入るのには、いろいろ面倒だぞ?」
「いい考えがあるよ」
「なに?」
「私たち、夫婦って事にすればいいよ」
「は?」
 彼女は、俺に視線を向けていなかった。
「…私たちぐらいの夫婦も、たくさんいるんだよ。それで問題ないじゃない」
「それって」
「あ、もちろん、えっちな事しちゃ、ダメだからね。お芝居だから」
「…しねーよ」
 まあ、どうせセックスできねえし。関係ねえや。とりあえず早く宿探そう。
 

 見つけた宿は、しなびた酒場の2階だった。一階の酒場は、他の店が夜中近くで盛り上がっているような時間にもかかわらず、客は一人もいなかった。俺たちは愛想があまりよくない店の主人に事情を説明し、ようやくその一角の部屋を宛がわれた。

「感じワリぃな。あのオヤジ」
「仕方ないよ。他のお店に、お客さんとられちゃったんでしょ」
「リッツカールトンとか加賀屋とかを見習えよな」
「?」
 荷物をテーブルに放り出し、ベッドに大の字になって寝そべった。
 …ひとつしかない。
「ソファなんて気の利いたモノは無いのか」
「二人でも、寝れるでしょ?そのベッドなら」
「…マジでいってんのか?」
「重ね重ね、言っとくけど、えっちは禁止だよ」
「わーってるよ、このガキャ」
 さっきまで泣いてたその顔は、イタズラっぽく笑っていた。 
「先、お風呂行ってくる」
「ああ」
 よっぽど特別な家でない限り、宿屋にすら、この時代は風呂がない。幸い、この世界は公衆浴場が発達しているので、彼女は近くにあったそこに向かうつもりのようだ。
「なんだかなぁ」
 今日はいろいろありすぎた。オッサンの足なら、明日にでもこの町に着くだろう。
 なんだかんだ言って、勇者といえども普通の人間並みには疲れる。
 俺は自分の瞼が重くなるのを感じた。
 
 
「ノゾムおにいちゃん、お風呂、イイお湯だったよ」

 その声で目が覚めた。うっかり、眠ってしまったようだ。
「もうすぐお風呂屋さん、閉まっちゃうよ。ちゃっちゃと入ってきなさい」
「へいへい」
 彼女の濡れた髪から、心地よい香りが漂っていた。
 不覚にも、クラッと来た。
「さ…さーっさと行ってくるわ」
「うん。湯冷めしないようにね」
「本気でいちいちうるさい小姑だな」
 俺は替えの下着をひっつかむと、寝ぼけた眼を擦りながら風呂屋に向かうことにした。
 
 
 …あれ?こんなんでいいの?
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