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第獣話 ゆうやみのなかで

 
 ただ、二つの姿だけが、佇んでいた。
 もうすぐここに、夕闇が訪れる。
 少女の(たお)やかな髪は、優しい風に(なび)いていた。まるで、彼女自身を(なぐさ)めるように。
 少年は少し困った顔で、けれども穏やかに、彼女の細い肩にふれた。
「二人きりに、なっちゃったね」
 彼女の双眸(そうぼう)には、清らかな(しずく)(あふ)れていた。
「ノゾム様…」
 彼女は、ずっと信じていた。それは信仰だった。この少年が光となることを。父なる神に、その御声(みこえ)(いただ)いた(とき)から、この少年と生死を共にする、そう運命付けられていたのだということを。
 
「涙は、似合わないぞ」
 照れ笑いしてるその容貌(かお)は、残日のきらめきに、つややかに際立(ひきた)っていた。
「私、私…」
 彼女の嗚咽(おえつ)はとどまることがなかった。
 定められた運命に、従うだけの自分。ただ、それだけだった(はず)なのに。

 少女は今、自身の胸の内に湧き起こる、この不思議な感情に戸惑とまどっていた。



「…クズ」
 え?
「…このクズ野郎」
 なんですと?
「ああ、なにスカしてるんだよ、このクズ野郎、獣姦マニア」
 な、なにを言ってるのかな?レイチェルちゃん…?

「人が下手に出てりゃよ、いい気になりやがって、人間のクズ。人を空気扱いしやがってよ、セクハラ三昧?人の話ガン無視?お前、ナメてんのかコラ?」

 ちょ、ちょっと、ツンはいいんだけど、デレ部分は?デレはどしたのかなー?

「ごめ、ごめん」
「あ゛ぁ?!何謝ってんだよ?」
「お、おっぱいさわったの、悪かったかなーって」
「貧乳はステータス?希少価値?んなもんねぇよ。悪かったな貧乳でよ?!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
 やべええ、ブチキレた!マジギレ、本気に切れると書いてマジギレ!
 どどどどどどどどーしよどーしよ

「あー、もうやってられんわ、帰る。国中に獣姦マニアの痴態を晒しまくってやる」
「わーーーー!!!!わーーーー!!!!」

 それはマズイ!マズすぎる!!!

「ンだようっせぇな。自分のしでかしたことだろ?文句はいえねえよな?」
「ううううう」
「そんじゃな。せいぜい魔王のケツでも掘ってきな」

 一体何?ちょっと文書の様子がおかしいからイヤな予感はしてたけどさ、今まで振ってなかったルビなんか振ってさ、角川類語新辞典(ATOK用ダウンロード3990円便利だよー)なんか引っ張りだしてきちゃってさ、なんか通常の3倍ぐらい時間掛けて冒頭のヤツ書いてたけどさ、おかしいと思ったらこのザマかよ?
 おい、いいのか?
 ネーちゃんどころか幼女もいなくなっちまうんだぞ?
 ムサい野郎だけの話でいいのか?
 そんなもんマジで野郎だけのハードSFで読者稼げなくってウンザリしてるヤツがやることか?
 
 …しかたがねえ、最終手段だ…
 再びコイツを使うハメになるとはな…

 ハッ…むしろ、喜んで使ってくれッて、そういう事なのか?
 そうか!そうなんだな?!
 
「むルトラチャームフィット(1歳からの幼児用)!!」

 お、
 おおお、
 立ち止まったぞ?
 なんか、胸のあたり押さえてるぞ?
 あ、こっち向いた。
 なんか潤んだ目でこっち見てるよ!
 …えーと、ネーちゃんは帰った。…オッサンは狩り中でいない。
 
 なんか、おっけえ?児ポ大丈夫?
 次回、期待してイイの??
 マジ?
 
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