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ボインにマヨネーズかけて食ってみた
作:ごはんライス


 なぜオレはボインにマヨネーズをかけて食ったのか?
 もちろん、ケチャップという選択肢はあった。確かに彼女は言った。どちらで食べてもいいのよ、と。
 しかし、オレはマヨネーズを選んだ。迷いなく。なぜだろう?
 それはともかく、マヨネーズをかけたら旨かった。確かに、ボインというのは食べたことがある人はわかる通り、ナマで食ってもあまり旨くない。
 しかし、素材はよいのである。マヨネーズをかければ、それはもう天にも登るような味わいなのだ。
 しかし、確かに困ったこともある。
 ボインを食べてしまったせいで、それから一週間オレの言葉の語尾には必ず「〜ボイン」とついてしまうという、そういう副作用があった。特にオレは日本語学校で日本語の講師をしている。外人生徒たちに笑われてめちゃめちゃ恥ずかしかった。
「わ、笑わないでくれボイン」
「げらげらげら」
 しかし、それは大したことではない。
 なにより困ったのは、彼女が悲しんだことだ。彼女は確かに「ボインを食べてもいいわ」と言った。しかし、それは社交辞令というか何というか本当にオレが食うとは思ってなかったらしく、だから、ボインがなくなってかなり落ち込んでいた。
 そりゃそうだろう。男だって、ちんちんがなくなったら悲しい。ボインというのは女性にとってすごく大事なものだ。
 それをオレは食べてしまった。
「おいしいや。おいしいや」
 と言ってバクバク食ってるオレを眺めニコニコしていた彼女ではあったが、心の中はきっと張り裂けそうなくらい辛かったろう。
 何てことだ。何てことだ。何てことだ。
 オレは社交辞令もわからん愚か者なのか。普通、男が「ボイン食べてもいい?」と聞けば、女性は「いいよ」と答えるに決まってる。「いかん。いかん。アホか」なんて言わない。つまり、女の人は「そうか。この人、あたいのボインを食べたいほどあたいのことが好きなのね」と捉えて喜ぶのである。実際に食べるとは思っていない。そんなものは常識だ。
 しかし、オレは食べてしまった。彼女を悲しませてしまった。何てことだ。
 オレは決心した。

「代わりにオレのちんちん食べてもいいよ」

 彼女はケチャップとフォークを持ってきた。
 まずい。目がマジだ。本気にしてるよ。あわわわわわわ。(了)
 














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