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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

ウチのダンジョンに不審者が住み着いたんだけど、役所の方でどうにかしてくれませんか?

作者:とけきったけーひすみ
作者は暑くて疲れてるんだ。
○月1日
 最近、第一階層と第二階層が騒がしい。
 何ナノ、あいつら。
 そりゃあね、第一階層と第二階層は緩い環境にしてあるよ?
 素人冒険者が入ってきやすいように、スライムとゴブリンばっかりだよ。素人冒険者が目当てにしているリーフォックスも薬の材料になる割に対して強くないしさ。
 環境も七割がたが草原ですよ。残り三割なんて湖と川ですよ。裏で濾過機まで稼働させて、素人冒険者が水を飲めるようにしてあるんだよ。
 でもさ、住みつかないでよ。
 なんでなん? なんでバラック建て始めちゃうん? ダンジョンよ、ここ?
 そういうことは外の町でやってよ。
 もうやんなっちゃう。

○月2日
 あいつら、川で洗濯してた。
 ウチに来たときはひげもじゃで薄汚い格好してたのに、なんか小奇麗になってるなぁと思って観察してたら、川で洗濯してた。
 濾過機がフル稼働してやがんの。モーター焼き切れたわ。くそ。
 ひどい濁流だよ。ダンジョン内で雨も降らないのに。どんだけ汚れてんだよあいつら。
 しかも、最近は冒険者があいつらを鬱陶しそうに見てるし。このままだと冒険者が呆れて来なくなりそう。
 追い出そう。心を鬼にしよう。

○月3日
 スライムがぁぁぁああああ!
 やめろ、やめろー。
 あぁ、くっそ。スライムが殺された。
 殺されて、ことごとく中身の液体部分を抜かれてエチケット袋扱いにされた。
 なんなん? マジなんなの、あいつら。こんな利用方法があるとか知らなかったわ。
 スライムVSあいつら戦を遠くから見学してた冒険者まで感心する始末だよ。
 というか、ウチのダンジョンはパーティー定員5人までなのに、あいつら三十人で徒党を組んで戦ってたし。なんだよ、レイド戦かよ。そんな機能うちのダンジョンにはないんですけどねぇ!?
 いや、冗談抜きにどうなってるんだろ。パーティーが六人以上だとダンジョンに入れない仕組みだし、中で合流しようとすれば合流した瞬間にダンジョンの外へ強制テレポートが発動するはずなのに。

○月4日
 今日の観察で、新事実が発覚した。
 あいつら、一緒にバラックで生活している他の奴を仲間だと思ってなかった。
 殺伐としすぎだろ。共同生活を送ってるくせに赤の他人扱いかよ。
 そりゃあ、パーティー定員の規定に抵触しないわけだよ。あいつら、実質的にソロ冒険者だもん。
 何故、これが発覚したのか、詳細を記載しておこうと思う。
 昨日、あいつらに殺害されたスライムたちは外皮だけを取られ、冒険者相手にエチケット袋としてセット販売されてた。五枚組で銅貨三枚だった。微妙に高い。
 素人冒険者の男の子が五枚組を買って、リーフォックスの肝臓を入れてた。需要はあるらしい。
 そんなセット販売を考案したのはあいつらの中のたった一人だったのだが、すぐに他の連中も真似し始めた。一日掛からなかった。
 そうしたら、先行者利益で銅貨九枚儲けてるんだから他に譲れよと考案者が周りに脅されてた。
 そう、あいつら共同体意識とかないんだよ。自分が儲ける事と他の奴の儲けを掠めとることしか考えてない。
 でも、昨日のスライム戦では連携が取れてた。油断はできない。
 明日は作戦を立ててゴブリンを送り込もう。

○月5日
 ゴブリンがぁぁあああああぁぁ!
 ゴブリンが、ゴブリンでゴブリンのゴブリンなゴブリンリン。
 sづがうぇgdふp

○月6日
 落ち着いた。
 ひとまず、4日に実施したゴブリン総勢八十匹による不審者三十名が暮らすバラック群への襲撃結果を記載しようと思う。
 惨敗だった。
 ゴブリンが寝返りやがった。
 スライム外皮を捩じって編まれたやけに丈夫なネットと落とし穴で半数近くに減らされた後、二十匹が殺されて、まだ地上に残ってたゴブリンが撫でポの餌食にされた。
 繰り返す。撫でポの餌食にされた。
 なにが「がんばったね」だ。あの雰囲気イケメンはいったい何者だよ。死ね。
 撫でポで心を盗まれたゴブリン二十匹の説得で罠にかかった四十匹も寝返った。死ね。
 いま、バラックの側で畑を耕してる。死ね。
 もぅマヂ無理。。ぃみゎかんなぃ。。

○月7日
 久々にダンジョンから出て、近くの町の役所に出向いた。
 もちろん、ダンジョンマスターであることは伏せて、ダンジョンを利用する一冒険者の振りをして苦情を述べに行ったのだ。
 一時間二十分待たされて、ようやく担当者との面会ができた。
 担当者いわく、ウチのダンジョンに住みついている集団は先々週に町の川沿いのバラック群を取り壊した際に各地へ散った者の一部だろうとのこと。

「あのダンジョンから得られる素材は利用価値がありますし、冒険者が町の経済を潤していることも心得ています。しかしながら、先々週のバラック群の取り壊しの際に人権侵害だとの声が吹き上がっておりまして、行政側としては取り壊し処分の妥当性を説明し、市民の方々のご理解を得られるように努力しているところでありまして、この上でさらに別の場所のバラック群を取り壊しに赴くというのは……」

 以上が、担当者の説明である。録音もしておいた。
 お役所仕事過ぎて役にたたねぇ。

○月8日
 人権団体とかいうのが乗り込んできた。
 ダンジョンマスターはバラック群へ魔物を送り込む非人道的行為を直ちにやめろとか言ってる。
 ここ、ダンジョンなのに。
 ダンジョンなのに……。

○月9日
 緊急事態。
 人権団体が難民の保護と行政の監視を名目にダンジョン一階層に事務所を建てやがった。
 あいつらも住みつく気だよ、ちきしょう。
 しかも定員規制に引っ掛かってないってことは、不審者を仲間だと思ってないんじゃねぇか。偽善者じゃねぇかよ。
 役所は何してんだよ!

○月10日
 身分を偽った俺を含む多数の冒険者により役所へ、ダンジョン内に住みつく不審者たちについて苦情が届けられたらしい。
 役所の出した答えは、地主であるダンジョンマスターに書類へサインをしてもらわないといけないのでバラックの取り壊し等はできない、という丸投げだった。
 ダンジョンマスターに働きかけて民事裁判で訴えるよう説得するしか道がないんだそうだ。
 マジお役所仕事過ぎる。
 そんな通達があったせいか、午後から冒険者たちがえらい勢いで階層を突破してくる。
 冒険者の目的は最下層にあるダンジョンマスター部屋、つまり俺の部屋だ。
 本来、うちみたいな素人や初心者冒険者相手にせせこましく商売しているダンジョンになんで勇者っぽい一団が乗り込んでるんですかね。
 未来の英雄と勇者、その卵が力をつけるためのダンジョンを元の姿に戻すってご立派な大義名分を掲げてるけど、顔が笑ってるよ。
 無双できてめっちゃ楽しそうだよ。
 今まで周りの目があるから、暴れたくても初心者向けダンジョンになんか入れなかった。それがこうして大手を振って暴れられるんだもん。そりゃあ楽しいでしょうよ。
 虎の子のミニゴーレム部隊が二分で壊滅。もしものためにストックしておいたレッサードラゴンとリトルワイバーンが三分二十秒で殲滅された。
 大赤字だよ。
 なんでこうなったの。
 もうやだぁあああぁぁぁぁぁあ!!


にっきは ここで とぎれている。

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