第一章 魔法使いがやって来た!
「サユリさん・・・本当に行ってしまうのですね・・・」
魔法使いの住む町、マザーシティ。その一角に聳え立つ魔法専門学校は、選ばれた魔法使いしか入ることの許されぬ名門中の名門校。
「はい。アドー先生。」
「あなたはここ、魔法専門学校でも数年に1度いるかいないかの優等生。手放してしまうのはもったいない人材です。」
「はい・・・・・。」
「少しは顔を見せなさいよ・・・」
「分かりました。」
「では行きなさい。そろそろ夜が近付いています。」
「はい。では。」
サユリはアドー先生に軽く会釈をし、箒にまたがる。風がサユリの綺麗なエメラルドグリーンの髪を靡かせた。
「行ってきます!」
闇が静かに覆う夜の空を1人の少女が駆ける―――――――――――――――
ポカポカ陽気の春の気候―――――――
暖かい春の風が吹き、空には堂々と青空が広がっている。
ピピピピピ―――――
私、瀬角彩はそんな目覚まし時計の音で目が覚めた。
「ん・・・もうこんな時間・・・?」
もぞもぞと手を動かし時計を掴み時間を見る。只今の時刻7:09。
いつもならあわてて支度をし始める時刻だがなんと今日は日曜日!と、いうわけで・・・
「おやすみなさい!」
ああ!これぞ休日のみ許される二度寝!幸せ!
そして私がスヤスヤと眠りに着こうとした時だった、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
という悲鳴が聞こえたのは。
「!?何!」
さすがに私も飛び起きあたりを見回した。しかし誰もいない。
「空耳・・・?まっまさか幽霊?」
私、幽霊系はかなり苦手です。ハイ。
「うん!こういう時こそ寝よう!」
そして布団をかぶりまた眠りに着こうとした時・・・。
ドンガラガッシャーン!!
という音が部屋中に響いた。
「何!?」
また私は飛び起き部屋を見回した。
ドアが無残にも外れ、廊下の窓が割れている。
「は・・・何故にこうなる?」
だって私は布団の中だったんだよ?まさかエスパーとかいうヤツ?怖!!
そんな事を考えてるとき、
「痛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
と言う声が。あれこんな事私しゃべってないよ?やっぱ幽霊??
すると倒れていたドアがもぞもぞ動きだした。
「重いんだよボケェェェェェ!!」
その声と同時にドアが持ち上がり女の子が立っていた。
その子はエメラルドグリーンの髪に黒いマント。中には白いワンピースを着ている様だった。傍には折れた箒が落ちている。ん?箒?まさか・・・
「ドロボー!!!!」
「なんでそうなる!?」
私が叫ぶと同時にその子がのりツッコミ(?)をした。
「箒といえばアレでしょ!アレ!」
「ふ・・・不法侵入!!!」
「ちっが〜う!だから!箒にマントとかいったら?」
「変態!!」
「・・・オィ!」
と私とその子が言い争いをしている時だった。
「何してんの彩!!!」
「あっ栗須!!」
この子は私の友達で加桜栗須。ここ、南ヶ丘寮の寮生でもある。説明し忘れたけど私が住んでるのは南ヶ丘寮という寮で私と栗須の他に数人しかいない寂しい寮である。昔は私達の通う南ヶ丘中等学校に通うほとんどが住んでいたけど、今はほとんどが自宅から車で登校していて人数はどっと減ってしまいこの現状だ。
「さっきすごい音してたけどさ・・・あんた何して・・・」
栗須が言いかけて、エメラルドグリーンの髪に目がとまる。
「は・・・?誰この人?あんた知り合い?」
「ちっ違うよ!栗須!」
私は栗須に今までの現状をざっと話した。
「やっぱコイツドロボーじゃん!!」
「でしょ?栗須!」
「だから!違う!後コイツじゃない!あたしはサユリ!」
「サユリ!あんたドロボーでしょ!」
「だから!箒にマントといえばドロボーじゃないだろ!」
「じゃあ何よ?」
「ふ・・・聞いて驚くんじゃないわよ・・・」
サユリはちょっと威張ったようにこう言ったのだ。
「正真正銘の魔法使いよ!!」 |