挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
人狼への転生、魔王の副官 作者:漂月

本編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

270/415

「フミノの密書」

270話(フミノの密書)


 ヴァイトなる人物について報告致します。
 ヴァイト氏はやはり人狼でした。これまでの調査で、人狼は嗅覚で人間の嘘を見抜くことが判明しています。
 そのためヴァイト氏に対しては嘘をつかず、可能な限り事実を伝え、伝えられない部分については伏せることを心がけました。


 これにより、結果的にヴァイト氏からの信用を獲得できた模様です。
 ただし彼の周囲には、他にも優秀な魔族が多数存在しているようです。特に「パーカー」と名乗る骸骨の魔術師は恐るべき交渉術を心得ていました。
 詳細についてはここでは申し上げられませんので、いずれ機会を改めたいと思います。
 なおヴァイト氏の実績については、追跡調査の結果が判明しております。


・人狼隊と犬人隊の混成部隊による交易都市リューンハイト占領作戦を立案、指揮。
・工業都市トゥバーンからの攻撃を防衛、トゥバーン兵四百を全滅させる。
・トゥバーン兵を扇動したリューンハイト輝陽教司祭ユヒトを追放(後に和解)。
・工業都市トゥバーン攻略作戦に従軍。城門突破を成し遂げる。
・交易都市リューンハイトの独立工作に成功。
・元老院の放った偽勇者一行を壊滅させ、元老院の企てを暴露する。
・交易都市シャルディール、海賊都市ベルーザ、漁業都市ロッツォ、迷宮都市ザリア、工芸都市ヴィエラとの同盟成立。


 この時期に魔王軍には大きな動きがあったとみられますが、この件は最重要機密であるらしく確認が取れていません。
 ただ、何らかの事情によって魔王の交代があったことはほぼ確実とみられます。


・ミラルディア同盟軍二千のザリア攻略を阻止。事実上、単騎での撃退に成功。
・ロルムンドの皇女エレオラによるミラルディア侵攻作戦を妨害。リューンハイト防衛戦でエレオラを破り、捕虜とする。
・ミラルディア輝陽教から聖人認定を受ける。
・ロルムンドにおける半年間に及ぶ極秘工作。


 ミラルディアで確認された噂のほとんどが、大筋においては事実と結論づけられました。これだけの業績を一個人が成し得たことは驚異的であり、過去の歴史においても希な事例です。
 ロルムンドにおける極秘工作については、工芸都市ヴィエラ在住の草から情報が得られております。一部を脚色した上で、近日中に劇の演目として公開されるようです。
 より精度の高い情報につきましては、ロルムンド担当官にお問い合わせくださいませ。


 ヴァイト氏の能力面においては、人狼の能力に加えて魔法(古ミラルディア式強化術または治癒術の系統と思われます)をかなり高い水準で駆使することが確認されています。
 そのため単体戦力は通常の人狼を大きく上回り、最低でも徒歩武者三十人分はあると推定されます。伝えられている情報が全て事実なら、徒歩武者百人分に相当するでしょう。
 しかしながら最大の能力はそれらを用いて交渉を有利に進める調略であり、ヴァイト氏と敵対した有能な人物の大半は魔王軍陣営に降っているのが確認されました。


 以上の点から、ヴァイト氏が神世人である可能性は十分にあるものと思われます。
 彼に同行し、今後も調査を継続します。
 なお



 余計な詮索はせぬことだ。

                   ヴァイト
※次回「汝は何者なりや?」の更新は5月7日(土)です。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ