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前話の『銀虎』について……
既に気付いた方もいますが、原作に既に『銀ギツネのフォクシー』というキャラが登場してるのですよね……『九尾』って技名から分かる通り、当初はというか、それがなければ、自分も主人公の二つ名を『銀狐』にするつもりでしたw
第9話-ある日の訓練と今後と
 にゃ~ん♪

 機嫌よさそうに、アリスが遊んでいる。
 BGMは海兵達の悲鳴だ。
 時折、サカズキ中将の怒声が混じる。
 何をやっているのか?
 答えはアリスを相手とした、海兵の訓練である。ちなみに、現在は休息と真水などの補給を兼ねて、島へと上陸中だ。

 アリスは虎であるが、現在では五式使いとなっている。
 使えるのは、剃・月歩・鉄塊・紙絵・嵐脚。指銃だけは、鉄塊との複合技だったからか、取得出来なかった。する必要がなかったとも言うのだが。
 その答えが今、目の前にある。
 模擬弾とはいえ、軽々と弾き返してじゃれつくアリスの姿が……そう、あの子ときたら、俺でもまだ出来ない鉄塊をかけた状態で動き回るという真似を平然とやっているのだ。……ジャブラが未来に措いて知ったら、どう思うのかね……。

 元より、アリスは今は家庭を持って島に残った兄弟より、好奇心旺盛で甘えん坊だった。
 今はもう傍にいない、もう1匹が本来の猫らしい気質、小さい頃はさすがに傍にいたが、ある程度大きくなって狩りが出来るようになると、ふらっと出て、時には獲物を持って帰るようになっていったのに対して、アリスは自分の後についてきたがった。
 とはいえ、まさか、子猫サイズの頃からついてきたい一心で、剃を覚えるとは思っていなかったのだが。
 子猫サイズの頃からついてきたがるせいで、剃による移動で置いてきていたのだが、ある日自分の横を負けない速さで走ってるアリスを見つけた時は、思わずすっころげて、水銀を辺りにぶちまけてしまったものだった。
 しょうがないので、今度は天窓から月歩で抜け出すようにしたら、やっぱりしばらくしたら、同じく月歩で追いかけてきた。
 その後は諦めて、一緒にアリスとは出かけるようになった。下手に追ってこないように閉じ込めたりしたら、壁なりぶち破りかねなかったからだ。

 ……アリスは天才なんだろう、それこそ自分なんぞより遥かに。
 自分はする事がなかったから、遺されていた資料、要は教科書を元にひたすら練習に練習を重ねて、修得した。
 アリスは、好奇心から自分の行動を見て、真似をして、それだけで修得した。しかも、文字なんぞ読めないのに、だ。
 鉄塊も自分より早く修得した。
 ジャブラの鉄塊拳法と同じ事を今目の前でやらかしてるが、同じ事を未だ自分は出来ない。
 嵐脚は……ああ、楽しそうに前脚振って、真空の刃を生み出している。

 ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁ……

 ああ、海兵さん達、ご苦労さん……
 とりあえず、当たると危ない奴だけ地を這うように伸ばした『九尾』で止めておく。これはあくまで訓練であって、殺し合いではないからだ……。
 
 みゃあみゃあ♪

 うっぎゃあああああああああああ!

 ……うん、きっとアリスはそう思ってるさ。
 悲鳴?そんなの聞こえない。
 まあ……多少複雑な気持ちがないと言えば嘘になるけれど、けれどもアリスは大切な家族だ。あの子が生きていける助けとなる力を得られたなら、まあ、いい事だ。


 さて、少し俺の現状を説明しておこう。
 現在、俺は大尉だ。
 この艦に措ける立ち位置としては、サカズキ中将、艦長兼任の高級副官でもある大佐、形としては大佐付きのいわば、副官の副官の地位にあるのが俺だ。まあ、実際にはサカズキ中将のもう一人の副官としての面の方が強いんだけど。どうしても、一隻の船だからねえ、大佐とはいえ、中将の副官としての面が強くなるんですよ。
 
 この大佐だが、戦闘の実力以上に各種の書類仕事とかその辺が得意だ。
 まあ、自分の元の世界の大佐と違って、この世界では戦闘力もないと昇進が認められないから、この人も結構強いんだが、中将が最前線に立ってしまうので、必然的に後方で指揮官をやる事になる人でもある。
 ついでに言うなら、組織のマネジメントや海軍に措ける書類処理のやり方の、俺の先生でもある。 
 サカズキ中将が言うには、…まあ、順調に全てがいった場合の話だが、今後更に1年から2年程をかけて、大佐まで昇進したら、どこぞの支部を切り盛りさせるなり、軍艦を預けるなりして経験を積み、更に1年から2年で将官への昇進という方針だそうだ。
 ……っていうか、早過ぎないか?
 そう思って聞いたら、それだけ期待されてるのもあるが、使える人材に関してはとっとと上に来てもらわんと困る、という切実な問題もあるらしい。
 
 グランドラインの海兵は他の海の海兵と比べて2階級は上クラスの実力というが、逆に言えば、それだけ地方のレベルが低い、という事でもある。
 まあ、それは原作のココヤシ村でアーロンと結託していたネズミ大佐を見れば分かるだろう。
 ヒナ大佐やスモーカー大佐(当時)らは、ルフィを相手にしても、互角以上の戦いぶり……というかむしろ圧倒する程の実力を見せた。まあ、当時のルフィがまだまだ未熟だったとか、ヒナ大佐の時は直接戦闘ではなく艦船による戦闘というのもあったのだろうが。
 逆にネズミ大佐はルフィに一蹴され、彼が出来たのは自分が賄賂を受け取っていた事を隠して、ルフィを賞金首とする事だけだった。
 『斧手』のモーガンは島を恐怖で支配していた。
 それも、サカズキ中将のとは違い、自らの私利私欲の為に、だ。
 まあ、何が言いたいかというと、そういう人材でも使えそうなら、或いはモーガンがキャプテン・クロを捕らえた(と催眠術で思い込まされていた訳だが)ように功績を立てたなら昇進させて一つの支部を預けざるをえない、本当に優秀な人材はグランドラインに集中させて、やっと必要な量を確保している、というのが海軍の現状だ。
 そうした、質の悪い人材が結果的に海軍への不信感を増大させる事があると分かっていても、それでもそれしか方法がない。
 まあ、20年経っても、それが改善されてない事を知っている訳だが、海軍本部としては何とかしようと努力はしてる、という事だ。

 さて……どうやら、アリスの訓練、という名の当人にとっては遊びが終わったようだ。
 アリス自身は満足げな様子で、こっちに駆け寄ってきて、甘えたように俺に顔をすりつけてくる。相変わらずの甘えん坊だなあ、と思いつつ、ほんわかした気持ちでこっちも撫でてやると、ごろごろと気持ちよさそうに鳴き声をあげる。
 向こうでは、まあ、結局アリスに全滅判定を喰らった海兵達がサカズキ中将の怒声を食らっている訳だが。

 さて……次は俺だ。
 この1年余り、俺はサカズキ中将からスパルタで悪魔の実の制御訓練を実施させられてきた。まあ、お陰で1年できっちり、少なくとも自分の考えていた形が一応制御出来るようになったのだから文句を言う筋合いではない。
 だが、それ故に未だ本気でサカズキ中将と戦った事はなかった。
 ……これから、その互いの能力をフルに使った勝負が行われる。
 正直、勝てないだろうが、やるだけやってみよう……この時はそう思っていた。まさか、サカズキ中将を時間をかけて説得して、性格矯正を図っていくしかないだろうか、さすがに故意に病気にするのは拙いから……そう思うようになった後で、あんな事になるとは、この時点では予想だにしていなかった。
 
 
次回は赤犬大将と主人公の訓練、という名のガチバトル
今話ラストの意味は……次回にて


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