第239話-合流と遭遇
次々と影が飛び出してくる。
いずれも瞬間警戒し、次にある者はそこに仲間を見つけて安堵し、ある者は敵を見つけ戦闘の態勢を整え、またある者は互いに不干渉の相手を見つけ視線を逸らした。
その中で、素早く仲間を確認し合流したのはコビーとヘルメッポであった。
「無事だったんですね」
「そっちもな」
短く会話を交わし、けれど視線は周囲から逸らさない。
現状、この場にいるのは自分達両名の他にはシャンディアがワイパー他主力三名に追加で三名の合計七名、神兵が四名の合計十三名だ。
つまり……。
「さて……」
ワイパーがぎろりと睨み、バズーカを装填する。
「それじゃ……」
ヘルメッポが両手にククリを手にする。
「「殺るか」」
そうしてシャンディアと海軍は並んで、神兵を睨みつけた。
無論、神兵自身は「調子に乗るな、偉大なる神エネルのメ~により貴様らを討伐する!」と気合を入れたのだが……所詮モブはモブであった。
一斉に飛び掛った彼らは次の瞬間。
「燃焼砲!!」
「大嵐!」
「双演舞!!」
焼かれ、切り裂かれ、最後の一人も全身を穴だらけにされた上に砲丸に吹き飛ばされて果てた。
「後はアレを登るだけか」
ガシャリとバズーカを降ろしたワイパーが巨大蔓に視線を向けるが、その目が訝しげに細められた。
「……何をしに来た」
不機嫌そうな口調だった。
その視線の先を追った一同だったが、コビーとヘルメッポが「おや、あれは」といった平然とした態度だったのに対し、シャンディアの面々は武器こそ構えなかったものの渋い表情になった。そこにいたのはまだら模様の鳥に乗った鎧騎士。そう、先代の神ガン・フォールであった。
彼もまたこちらに気がついたのだろう。旋回して、こちらへと降りてこようとしていた。
「……じゃあ、誰もいない、と?」
コビーの台詞にガン・フォールは重々しく頷いた。
彼のもたらした情報は巨大蔓の途中にある神の社。一足先にそこへ到達したガン・フォールが確認したそこは、既に放棄された地でもあった。
どうやってそこへ、とは誰も言わない。
何しろ、ガン・フォールは先代の神だ。かつて自分が暮らしていた場所なのだから抜け道のひとつやふたつ、知らない訳がない。そしてまた、今、彼がこの面々に嘘をつく必要も感じられなかったのである。
だが、彼らもエネルが逃げ出した、とは思わない。
そんな容易い相手ならここまで苦労しないし、恐れもしない。そもそも、その程度の相手ならば、ガン・フォールが神の座を追われたりしないだろう。
「じゃあ、どこに行きやがった……?」
そう、ワイパーが呟くように言った時。
「ヤハハハハハ……私を探しているのかね?」
彼らの背後より響いた声に一斉に後ろを振り向いた。
そこには……半ば崩れた建物の上に鎮座する姿が一つ。神エネルであった。
ちらり、と僅かに倒れた神兵に視線を向けるが、すぐに興味なさげに視線を未だ立つ者達へと向けた。
「……後はお前だけだ」
「ヤハハハハ、そうだな、神官、神兵長、神兵。どうやら全滅したようだ」
至極楽しそうに笑いながらそう告げるその姿に言いようのない違和感を感じた。
当然だろう、部下が倒れて尚、平然としている。
「……いいのか、お前の部下は全滅だぞ?」
ブラバムが銃を回転させながらそう尋ねるが。
「ヤハハハハ、そうだな。まあ、神の加護がなかったのだろう。……だが」
そう笑った上で、すう、と笑みが変わった。
先程までと異なり、目が笑っていない。
「頭が高い。神に対して何たる口のききようか?我は神なるぞ」
その瞬間放たれた威圧感に殆どの者は気圧される。
それに圧されなかったのはコビーぐらい。ワイパー、ヘルメッポもすぐに気を立て直す。ワイパーは本人の気概によって、海軍の両名はそれが覇気であるという知識を持つが故に。
一対十。
数字だけ見るならば、圧倒的に優勢。
だが、それでもシャンディアも海軍も未だ自分達が互角でさえない事を知っていたのだった……。
【その頃:ウソップ達】
「……おい、ここはどこだ?」
「「どこだろうなあ?」」
「っていうかお前らが下手にスイッチ押して、緊急用噴射装置作動させるから迷ってんだろうが!!」
【その頃:ルフィ】
「ここより先は行かせぬ!メ~!!」
周囲より三名の最後の神兵が迫る、が。
彼らはルフィの体に触れる事さえ出来ず、途中で一斉にガクリと力が抜け、白目と泡を吹き落ちていった。
「……今のは……始まっちまったか?」
海軍帽の下から鋭い視線を向けつつ、それでも静かに待ち続けるルフィだった。
今年お初です
……いやあ、年末に何とかオリジナルが完成して応募しました
まあ、簡単に通過すりゃ苦労はしないんですが、まずは第一次選考通過を期待するのみ
次のオリジナルも思いついた話があって書いてはいますが……
さて、次はとりあえず飛竜かな
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