とくべつなきょか
ぼく に おとうと が うまれて から パパも ママも おとうと の こと ばかり。
ねえ パパ ぼく も だっこ して よ。
ねえ ママ ぼく も おっぱい のみたい な。
そと で あそんで いらっしゃい だって。
ぼく が いなくなって も しらない ぞ。
ぼく は おおじいさん の ところ へ むかって はしる。
おおじいさん は おおき な 〝き〟 で なんぜんねん も いきて いる ん だって。
ちょっと わらいかた が かわって いるんだ。
おおじいさん は ジャングル の みんな に 「ちょうろう」 って よばれて いるんだ。
でも ぼく は 「ちょうろう」 って よばない。
「こそばゆい」 から 「おじいさん」 って よんでって いわれたの。
ぼく には おじいさん が もう ふたり も いるから 「大きい おじいさん だから おおじいさん で いいかな。」 って きいたら おおじいさん は フォッフォッフォ って わらって とくべつなきょか を くれた。
ジャングル の なかで ぼく ひとり だけ 「おおじいさん」 を 「おおじいさん」 って よんで いいんだって。
ぼく だけ の とくべつなきょか なんだって。
ぼく は おおじいさん に はなしかけた。
「おおじいさん いえで する には どこに いけば いいの?」
「おやおや いえで か そうじゃな いえで にも れんしゅうが ひつよう なんじゃ。」
「れんしゅう するの?」
「きょうは れんしゅう にして わし の ところへ もどって おいで。」
「いいよ れんしゅう する。」
「では まいご の 子ネズミ を そうげん まで おくって おいで。」
おおじいさん の うろ から ちいさな いきもの が かお を のぞかせた。
「子ネズミさん ぼく が そうげん まで あんない するよ。 ついて きて。」
ぼく は そうげん に むかって はしり だした。
ぼく の いえ は ジャングル の おくふかく に あるん だって。
ジャングル って たくさんの き が あって たくさん の いきもの が いるんだ。
ぼく は おおじいさん に たのまれて いろんな きのみ や くさ を とって とどける から ジャングル の こと は たいてい しって いるんだ。
はしって いる と うしろ から 「まって、まって」 と こえ が する。
とまって うしろ を みる と 子ネズミさん が とおくに みえた。
子ネズミさん が ぼく の あしもと まで きた から ぼく が 1ぽ あるいた。
子ネズミさん は ちょこちょこ と 20ぽ くらい で ぼく に おいついた。
そっか そっか。
ぼく の 1ぽ と 子ネズミさん の 1ぽ の おおきさ が ちがう んだ。
ほくは 子ネズミさん が おいつける ように ゆっくり あるく こと にした。
とちゅう 子ネズミさん が つかれた みたい だから きゅうけい した。
「おそくて ごめん。」 子ネズミさん が あやまった。
「おおきさ が ちがうもの。」 ぼく は こたえた。
ぼく は すこし かんがえて から ことば を つけたす。
「ぼく は 子ネズミさん みたいに はやく あし を だせ ないよ。 だから 子ネズミさん は すごい。」
「そうかな」
「そうだよ」 子ネズミさん は てれた。
きゅうけい が おわって ぼく と 子ネズミさん は あるき だす。
しばらく あるく と 子ネズミさん は また つかれた みたい。
ぼく は まえに パパ が して くれた みたいに 子ネズミさん を だっこ した。
「ありがとう。」 子ネズミさん が ぼく に いう。
「たいしたことないよ」 と ぼく は てれた。
ぼく が はしる と けしき が ビュンビュン かわる んだ。
「はやい はやい。」 子ネズミさん は こうふん して さけんだ。
あっというま に ジャングル と そうげん の さかいめ に ついた。
ぼく は 子ネズミさん を じめん に おろした。
「ありがとう。」 子ネズミさん は ぼく を みあげる。
「どういたしまして。」 ぼく は むね を はって こたえた。
「ぼく も きみ みたいに はやく おおきく なりたいな。」 子ネズミさん は ぼく を みあげた まま ジャンプ した。
「子ネズミさん が 大きく なったら おもくて だっこ できないよ。」 ぼく は こたえる。
「おおきく なったら いっしょ に はしれば いいんだよ。」 子ネズミさん は ヒゲ を ヒクヒク 動かした。
「いっしょ に はしろう。」 ぼく と子ネズミさん は やくそく した。
「またね。」 ぼく と 子ネズミさん の こえが かさなった。
かさなった こえ が うれしくて ぼく は 子ネズミさん に むかって おおきく てをふった。
かえりみち を はしって もどる。
「またね」 と こころ の なかで くりかえす。
おおじいさん の ところ へ もどる まえに きゅうに おとうと の ことが きに なった。
いえ の ドア を そっと あける。
ママ が ぼく を おいで おいで と てまねき する。
パパ が きょう は なにを して あそんだ か きいてきた。
ぼく は まいご の 子ネズミさん を あんない した と じまん した。
パパ は わらって 「よくやった」 と ぼく を もちあげた。
パパ は 「おもく なった。」 と すぐに ぼく を おろして あたまの かみのけ を グシャグシャ に かきまわした。
ぼく は 「おとうと も おおきく なったら あるく かな。」と きいた。
ママ も パパ も わらって 「そのうちに あるいて おにいちゃん の あと を ついて いくよ。」 と おしえて くれた。
そっか そっか おとうと も あるく ように なるんだ。
ぼく は そのとき まで に もっと もっと はやく はしる ように なろうと おもった。
ぼく は ママ と パパ に 「おおじいさん に ほうこく に いく。」 と いった。
ほく は おおじいさん の ところ へ むかって はしる。
おおじいさん に ほうこく が ふたつ おねがい が ひとつ。
ほうこく の ひとつめ は 子ネズミさん の あんない が ぶじ に おわった こと。
ほうこく の ふたつめ は いえで は えんき に すること。
それから おねがい の ひとつは おとうと の ぶん の おおじいさん の とくべつなきょか を もらう こと。