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ベルグナード、決闘・・・そして魔王覚醒。

 さて決闘の始まりだ。王子は両刃の剣のようだが、魔法にも注意するべきだろう。

 「うおぉぉぉぉぉ!!」

 合図と共に王子が切りかかって来た。かなり早い!

 「うお!」

 「とりゃぁぁぁ!」

 引いたらそのまま追撃して来た、あわてて寝転がりながら距離を取る。

 「逃げてばかりじゃ僕を殺せないよ?」

 余裕綽々ですか。

 「随分と素早いじゃないか。」

 「僕が得意な魔法は身体強化だからね、何時まで逃げられるかな?」

 ガキィィィィン

 さらに加速して横薙ぎに切りつけてくるのをリンカーンリピーターで受け止める。 

 「っく、なかなかやるね、僕の剣を受け止めるなんて。風よ!」

 ガァン

 「ッチ、防いだか。」

 距離を離れたのをいい事に銃撃したのだが、魔法の盾みたいなもので防がれてしまった。やはり魔法使いには暗殺の方が良さそうだ。

 「その程度の古代兵器じゃ僕の魔法障壁は貫けないよ。」

 本当に余裕綽々のようだな。しかしリンカーンリピーターじゃ連射が効かないから辛いな。

 ガキィィン

 王子の姿が一瞬揺らいだと思ったら一気に接近してきた。そして切りかかって来た剣をリンカーンリピーターで受け止める。

 「ふん、本当に防ぐのだけは上手いな。」

 「うりゃ!」

 「うわっ!」

 受け止めた刃を力押しで撥ね退ける。新しい武器を出すにはこの状況は目立ちすぎる、このままリンカーンリピーターで倒すか。

 「っく、なかなかや(ガキィィィィィ)くぅ!」

 リンカーンリピーターで殴りかかる、王子も早いが俺も早いんだぜ?

 ガキィィン ガキィィン ガキィィン

 さっきまでの防戦が無かったかのように反撃をする、リンカーンリピーターが目に見えて破損して行くので悲しくなる。

 「っく(キィン)なんの(キィン)」

 俺の連撃をかろうじて防ぐ王子。そして俺のリンカーンリピーターの銃身が少しづつ曲がってきた、そろそろ折れるかもしれん。

 「ハーーー、ハーーー、中々やるね。それじゃ僕も本気を出すと(ガキィィン)っく。」

 王子は既に余裕な姿は無い。声援も鳴りを潜めて二人の様子を伺っているようだ。

 ガキィィン ドスゥ! 

 「ぐふぁ!」

 王子の剣を銃身で止めて、剣が離れるより早く腹部に蹴りを放つ。

 ガスッ!

 周囲に一際鈍い音がした。

 王子が腹部を蹴られて体をくの字にした瞬間、後頭部をリンカーンリピーターでぶん殴ったからだ。

 「こりゃあとで要修理だな。さて形勢逆転だ、覚悟しろよ?」

 「や!やめてくれ!」

 ガスッガスッ ドスッ ドスッ

 倒れた王子をリンカーンリピーターでひたすら殴る。リンカーンリピーターは銃身が曲がったため撃つ事は出来ない。仕方ないので殴りまくる。

 「死にたく(ドスッ)なければ(ドスッ)降参しろ!」

 ドスッ ドスッ

 離れて見ていた審判も最初の宣誓通りに止める気は無いようだ。遥か後方では王妃が喚き散らしているが周囲が抑えている。

 「判った!グフゥ!僕の負けだ、ゲフゥだからやめてくれぇぇ!」

 ドスッ ドスッ ドスッ

 「もう二度とサクヤに(ガスッ)近寄らないと誓うなら、(ガスッ)やめてやる。」

 「ああ、判った!誓うからやめてくれ!!」

 無理矢理だが約束を取り付けたのでやめてやる、王子の顔は血だらけでボコボコになった、もうあのイケメンの見る影も無い。サクヤの方を見ると王妃は気を失っているようだ、王子のやられる姿が衝撃的過ぎたかな?


 「勝者!トウヤ、サームラ!これにて決闘は終了する!」


 審判が終了を遂げると声援が一気に上がった、そして王子を貶す声も結構聞えてきた、王子が勝つと賭けでもしていたのだろか?さてと、心配して倒れそうなサクヤを安心させるとするか。俺は観客席にいる昨夜の元に向った・・が。

 「グ・・・グレイ、ボム!」

 (説明グレイボムとは相手の足もとの地面を爆発させ、発生した衝撃波によってダメージを与える呪文。地面が剥き出しの所でないと使用することができない。)

 「ん?ぐがあああああああぁぁぁ!!!」

 王子が何か呟いたと思ったら地面が爆発しやがった!っく!

 「うおおおおおおおおおおおお!」

 魔法で吹き飛ばされた俺はその勢いのまま壁に突っ込んだ。




 side サクヤ


 (本当にお兄ちゃんが勝っちゃったのです、とても信じられないのです。)

 安堵してトウヤを見つめるサクヤ、トウヤはサクヤの視線に気が付いてサクヤの方に歩いてきた。

 (良かったのです、これで終わったのですね。)

 しかしその時、王子が魔力を練っているのが見えた、サクヤは慌ててトウヤに伝えようとするがほんの少し、少しだけ遅くてトウヤの足元が爆発した。

 (え?なぜなのですか?試合はもう、終わったんじゃないのですか?)

 突然の事に会場は静まり返る、しかし次の瞬間、観客は爆発した。
 
 「後ろからなんて・・・なんと卑怯な」

 「降参したんじゃなかったのか!!」

 「人間のクズめ!」

 「嘘つき野郎!」

 観客たちは一瞬にして怒り声を上げる、その全てが王子に対する文句である。正式な決闘と誓い合って、死ぬまでと言う条件だが、殺さずに収めたトウヤに対して、試合終了後、しかも後ろからの攻撃と言う卑怯極まりない行為に対して騎士だけでなく、見学に来ていた一般市民から大顰蹙ヒンシュクを買ったのだ。

 そしてその観客席には怒りが通り過ぎて能面の様な顔をしたカルマとヴァグスの姿と、明らかに怒りを前に出した双子姫の姿もあった。そしてここまで来てやっとサクヤはトウヤに何があったか悟る。そのショックでワイングラスを落として割ってしまった。しかしサクヤはそんな事を気にしてはいない。

 (・・・トウヤは騙まし討ちされたのですね。背中を向けた瞬間、魔法を撃たれたのですね・・・・・・殺すのです・・・アイツヲコロシテヤルノデス。)

 サクヤの思考が一瞬にして黒く染まる。会場を見ると審判は王子を放置して、砂塵の中にいるトウヤの元に向った、救助の為だろう。そして審判が王子を離れた瞬間、砂塵の中から白い棒状の物が王子に向って飛び出していった。それはやがて吸い込まれるように王子の顔へとぶつかる。

 「うぎゃあ!」

 白い棒状の物が顔にぶつかると王子は気を失ったようだ。そして砂塵の方を見つめると、いいタイミングで強い風が吹き、砂塵を散らせた。そして平然と、何事も無いような姿で立っているトウヤがいたのだ。

 そしてサクヤは安心したのか座り込んでしまった、そしてそこに給仕が来て飲み物を手渡す。

 (ふう、流石に緊張して喉が渇いたのです。お酒は苦手なのですが、甘そうな匂いなので飲んでみるのです。)

 そしてワインを飲むサクヤ。直後、サクヤの世界が反転する。

 (なんか、意識が・・遠のいていくのです・・。なぜ?)

 (体が・・・言うことを・・・聞かない・・・のです・・・・)

 (ふふふ、この体は私が貰うのです。)

 (あ・・・あなた・・は?)

 (私はフランチェスカなのです、あなたの中に眠る魔王。さぁサクヤよ、眠るのですよ。)

 (や・・・・・め・・・・)

 そしてサクヤの意識は闇の中に落ちていった。

 そして瞳の色が左が血の様な赤に、右が透き通るような蒼に変わった。



 side トウヤ

 目前に壁が迫るが体を捻り、壁に足を着けて膝を使い衝撃を打ち消す。

 いやはや、びっくりした。まさか王子がこんな不意打ちしてくるとは思わなかった、流石に驚いて悲鳴を上げてしまったが、まぁあれだ。ジェットコースターに乗った時に上げるような悲鳴みたいな感じだな。大丈夫と判ってても、本能で上げてしまう悲鳴だ。

 しかし頭にきたのでピップボーイから取り出したミサイルを王子の顔面に向って全力で投げつける。信管は作動させていないから突き刺さるだけだろう、せめてもの慈悲だ。でもこれで確実にイケメンじゃなくなるな。

 そして強い風が吹き、砂塵が消えて俺の姿を確認すると先ほどまで上がってた王子に対してのブーイングが俺に対する歓声に変わった。

 そして立ち上がりサクヤの元に向おうとしてサクヤの雰囲気がおかしい事に気がつく、なんか黒い波動を感じたがすぐに黒い波動は消え去ってしまった。


 side 副将軍

 (ふはははは、ついに飲んだ!飲ませたぞ!すぐにあのトウヤと名乗る男を殺させて、完全なるマリオネットポーションを作り上げなければ!ふはははははははは!これからの人生は薔薇色だ!)

 「さぁ、サクヤよ、トウヤを殺すのだ。そして心臓を持ってまいれ。」

 (マリオネットポーションは最初に命令した人の言うことを聞く、これで命令に従うだろう。しかしあの魔術師め、使用期限が切れたとか言って慌てさせられたが、全然効くではないか!)

 サクヤは目を開くと同時に黒い魔力を放出する、黒い魔力は暴風の様に周囲を破壊しはじめた。

 「私はフランチェスカなのれす、何者にも従わないのれす。私に言うことを聞かせたいのでしたら、力ずくでこいなのれす。」

 フラフラしながらサクヤ改めフランチェスカは答える。しかしその周囲は黒い魔力の奔流で近寄る事さえ出来ない。

 (フランチェスカだと!まさか本当なのか!あの伝説の最強、最狂、最凶といわれたあの、フランチェスカなのか!しかし納得できる内容が多すぎる!まさかとんでもない者を目覚めさせてしまったのか!?)

 (くそ!まさかサクヤは魔王だったとは!作戦は失敗だ!)



 side 王

 突如サクヤが立ち上がり、魔力が暴走を始めた。しかしその魔力は今までのサクヤとは思えないほど禍々しく、黒い魔力だ。

 「フランチェスカ・・・黒い魔力を持ち、とてつもない魔力の回復速度を持つ魔王、伝承が正しければ、サクヤが魔王なのも納得できる・・出来てしまう・・。どうすればいいんだ?・・・魔封冠を使い魔力を封印して幽閉するしか・・・しかしどうやって付ければ・・。」

 王は伝承とサクヤの能力を思い出す、伝承は、低身長、即座に回復する魔力、赤と蒼のオッドアイ、銀髪、黒い魔力。

 「ここからでもはっきりとオッドアイなのが見える・・本物のフランチェスカか・・。」

 王は魔王の復活に絶望に染まる。過去、魔王が襲った国はことごとく消滅しているからだ。

 「魔封冠を付ける事が出来れば・・・」

 王は考える、倒すだけでなく利用価値が無いかと・・・魔王を魔封冠で封印することが出来れば利用価値など山の様にある、しかし封印する方法が無い。それに色々と国を助けてくれたサクヤをそういう風に取り扱う事に嫌悪感を感じる。

 「・・どうすればいいのだ・・?」



 side フランチェスカ

 復活したのは良いのですが・・・世界が・・・回るのれす。ぐーるぐるなのれすよ?なんか楽しくなって来たのれす。


 side???

 マリオネットポーションは腐った為に、精神を抑える時間がほんの1分足らずに低下、及び泥酔状態となります。

 ミサイルはミサイルランチャーから打ち出さず、素手で投げただけなので爆発はしません。でも誘爆はします。

 フランチェスカがダウンした為、サクヤの口調が元に戻ります。

 



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