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第二章第六話 大空へ




 さて、とりあえず無事に振り切ってサンドール北の町、二日目の昼頃にサングドールの町に辿り着いた。まぁ町としては非常に小さいがギルドも商会もあるようなので町に分類されるのだろう。

 とりあえず町の入り口にある馬車預かり所に馬車だけ預けてランドドラゴンを引き連れて町に入る。今回は荷物持ちとしてランドドラゴンを連れてきたのだ。

 町に馬車で乗り入れは別段いけない事ではないが、指定の場所以外に止めると罰金を取られるからだ。この決まりは殆どの町で決まっている。まぁ指定の場所とは現代風に言い換えれば駐車場だ。それ以外は基本的にダメって感じだろうか・・。


 「しかし、時間があればじっくり見て回りたい町ではあるなぁ・・。」


 サンドール程ではないが大陸から都市国家郡へと抜ける数少ない町だからか非常に活気がある、ベルグナードの首都やエウリュースの首都より凄いとだけ言える、それに種類も非常に豊富だ。サンドールでは滞在時間を取れなかったからあまり様子は判らないが規模はエウリュースやベルグナードより上だったような・・。

 今回か怪しまれない事前提だから保存食を購入してランドドラゴンに背負わせる。干し肉、干し野菜、あと燻製なども大量に購入して一人旅なら半月は補給がいらないくらい購入。

 そして馬車に戻り保存食を乗せ変えて出発の準備をしていると馬車預かり所の管理人がやって来た。


 「おや?もう出て行かれるので?」


 町に入るときもこの人が受付してくれたのですぐに出る俺が気になったのだろう。


 「ええ、急ぎの依頼がありましてね。ロンデュウムの首都まで出来るだけ早く行かないと行けないのですよ。」

 「そりゃぁ大変だねぇ。って事はこの町には補給のみで?」

 「ええ、その通りです。ここから強行軍で進もうと思ったので多めに保存食を購入したのですよ。」

 「そうですか、あちらの方は盗賊が頻繁にでるらしいのでお気をつけ下され。」

 「わかりました。それでは急ぎますので。」


 「ここから一ヶ月は掛かるというのに真面目なこって・・。だからこそ飛ばせば短縮できるのかねぇ・・。」


 管理人の独り言を聞き流して馬車を街道へと移動させて街道を進む、まぁ進む真似と言った方が正しいかも知れないが。

 ピップボーイで地図を確認する。出来る限り人が居なくて巨大な水場がある場所は・・・と。ふむ、西に出て海から離陸したほうが良さそうだな。


 周囲を警戒しつつサングドールから北へと進む、そして町が見えなくなってから街道を外れ西へと方角を変える。岩と砂ばかりの荒野をかなりの速度で馬車を進める、このペースなら1時間と掛からずに海に出れるだろう。


 敵に遭遇する事もなく海辺に出ることが出来た。周辺を確認しても人影どころか生物の気配が無い、この場所から離陸をするとしよう。

 ピップボーイから二式大艇を出して海に浮かべる、そしてランドドラゴンの縄を外して馬車をピップボーイに入れる。


 「さて、また大空へと旅立つぞ。」

 「「がるる」」


 ランドドラゴンを飛行艇に乗せて自分は操縦席に座る、基本的に自動操縦だから別に座らなくてもいいんだがやっぱ雰囲気って大事だよな。




 沖に機首を向けて出力を上げる、速度が一定以上になって離水ランプが変わったのを確認して操縦桿を引くと空荷で軽い為ふわりと機体が水面を離れた。離水したら一気に最大出力にして機首を上げて高度を5000メートルまで上げて水平飛行に移行する。


 「ふぅ、無事離陸・・っと。」

 
 無事に安定飛行に入ったのを確認して安堵の息が出る、ほぼ自動化されてるとは言え離着水の瞬間は本気で怖い。とりあえずピップボーイから麦酒を出して一気に煽る。


 「くふぅ!生き返る!」


 サングドールからここまで凄く暑かったから良く冷えた麦酒はとても美味しく感じる。さて、これからの事だけど適当に飛んでピップボーイのマップを埋める事が目的だけど、もし秘密裏に降りれそうな場所があれば降りて町を回って見たいとも思ってる。

 そこでふと思い出して操縦席に座る。良く考えたらルート設定も何もして無いから数分間何も無い西を目指して飛んでいた。ピップボーイと飛行艇のディスプレイを睨めっこしながらルートを選択する。とりあえず海岸沿いをこのまま北上して適当なところで内陸部を通りながら戻ってこよう。

 速度を400キロに設定、一気にエンジン音が甲高くなって速度がぐんぐん上がっていくのを感じる。しかしエンジン音が喧しくて堪らない。とりあえずあとは自動操縦に任せて自分は後部座席に座り麦酒を煽りながら景色を眺める。麦酒を飲んでいると強行軍が堪えたのか段々眠くなってきた。

 目を瞑るとすぐに眠気が・・来なかった。エンジン音が最大出力では無いが、それなりの速度を出す為轟々と唸り声を上げているのが気になって眠れそうにない、微振動も寝ようと思うと凄く気になる。仕方ないから速度を200キロまで落として今度こそ目を瞑る、すぐに眠気が襲ってきた。


 


 どれほど眠ったのだろうか、外から聞える「ぐるるるる」という鳴き声に目が覚めた。鳴き声の聞えた方に視線を向けると飛行機から少し離れた場所に並走するトカゲ面の生き物と目があった。


 「ぐるる♪」

 「うわぁお・・・。」


 そのトカゲは羽が生え、口には鋭そうな牙が生え揃ってた。まぁ有体に言えばドラゴンって奴だろう。一瞬驚いて戦闘態勢に入ってしまったが相手のドラゴンは別に襲ってくる気配は無い、それどころか仲間だと思ってるのか並走しながらくるくる回っている。


 「ああ、スキルのアニマルフレンドLv2ってドラゴンにも有効なのか・・?」


 アニマルフレンド、動物が襲ってこなくなったり、戦闘時には加勢してくれたりするスキルだ。でもドラゴンの様子を見ると動物以外にも爬虫類も有効なのかもしれない。

 爬虫類・・ドラゴンって爬虫類なのか?見た目は確かに爬虫類っぽいが・・。それ以前にただ人懐っこいだけかも知れない。今後の課題の一つにしておこう。


 ドラゴンはしばらくの間横に並んで飛んでいたが、一声鳴くと何処かに跳んで行ってしまった。そして離れたのを確認して速度を400キロまで上げた。機体は指定した飛行ルートを取るために時折旋回しながら飛んで行く。


 「なにか面白い物でも手に入らないかなぁ・・。」




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