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ぱにっく86!二次元の巨乳キャラは大抵は乳り(以下略)
 進級式前夜。
 恥夜の部屋で同居している大河は、その晩、進級祝いに手料理を振る舞ってもらうことになった。
 同居を初めてから今日までの約二週間。大河は手料理を食べさせてもらうどころか、一緒に夜を共にしたことすらなかった。
 更に不満な点を挙げるなら、風呂を一緒に入れてくれないのだ。
 大河は唯一楽しみを奪われた。それだけで気力は無くなる。
 普段は衣服で押さえ付けられているが、それから解放された時はこの世の物とは思えない物が拝めることだろう。
 結局、大河は独り暮らしをしているようなものだ。
 恥夜の部屋は無駄な物が置かれていない。家電、生活用品一式以外は何も置かれていない。大河と関西姉妹の部屋とは違い、清潔感溢れる部屋である。
 キッチンは恥夜が魔法で付けたものだ。
 大河の要望で『唐揚げ』を作っている。
 窓際にベッドがあるのに対し、キッチンはその反対側に位置する。
 ベッドの上で腹を空かせている大河は、恥夜の尻……背中を見ていた。
 この後は念願の風呂が待っている。今日は良いこと三昧だ。

「できましたよ」

 境目に置かれた四角い折りたたみ式のテーブル。そこで晩飯を食べるようだ。
 大河は飛び起き、床に座る。

「もうお腹ぺこぺこだよ〜……」

 こんがり狐色に揚がった唐揚げからは溢れんばかりの肉汁が――出ていなかった。
 それ以前に身が消えていた。マジック!?
 恥夜は満面の笑みを浮かべている。大河はその笑みに応えることかできずにいた。
 キッチンペーパーが上に敷かれた白い皿に目を向ける。

「……え〜と……(せみ)の脱け殻?」

 瞬間、恥夜が振るった木刀から斬撃が走った。
 空気を掻き分け、四角いテーブルを真っ二つに切り裂く。
 爆発音が地を揺るがす。
 その音は一階にまで響いていた。関西姉妹は音を聞き、天井を眺めた。

「あいつだな……」

 神戸は呆れた声で口にした。
 と、隣で寝ていた虎鉄がベッドから飛び起きた。

「大河んとこに行ってくる〜」

 神戸も起き上がり、虎鉄の後を追う。
 玄関前で虎鉄を捕らえる。

「駄目だ駄目だ。こんな時間に邪魔したら迷惑だろ」

「大丈夫やて。大河は気前がええんや」

 虎鉄は神戸を振りきって、玄関を開けてそのまま出ていってしまった。
 肩には姉というストラップを付けている。

「あいつは気前よくないし、というか神知先輩の部屋だから――」

 とかなんとか言いながら、ちゃっかりとエレベーターに乗っている神戸であった。

「うるさい!」

「お姉ちゃんどないしたん?」

 エレベーターの扉を閉じる。
 そのまま最上階まで上がっていく。階数が表示されたボタンがオレンジ色に点灯していく。

「見てみ〜お姉ちゃん、仮装大賞や」

 虎鉄は点灯していく様子を見ながらはしゃいでいた。

「下が点灯してないだろ」

 最上階に着き、扉が開く。
 円柱型の塔であるため、部屋を探すのも回って行かなければならない。

「どこにあるんだ? 先輩の部屋……」

「――ちょっと、そんなとこ触ったら私が」

「大丈夫だって。少しくらい濡れるのは当然なんだって」

「少しじゃなくて……痛っ! ちょっと貴方、その手を離して……」

 神戸は顔を真っ赤に染めていた。恥夜の部屋から怪しい声が聞こえた。
 と、そこに虎鉄が現れた。

「何やってるん? 早く入ろうや〜」

 が、そのままエレベーターに押されていった。神戸に。
 虎鉄は頭だけを後ろに回し、神戸を見る。

「お姉ちゃん?」

「あいつは別世界にいるんだ」

「?」

 関西姉妹はそのままエレベーターに乗って帰っていった。
 大河と恥夜は大変なことになっていた。正確に言えば、二人がではなくキッチンがだ。
 水道管が破壊され水が溢れ出ていたのだ。
 少し前まではほんの少ししか出ていなかったのだが、大河が変にいじくったせいで状態が悪化してしまったのだ。
 大河は手を離した。
 瞬間、更に状態が悪化し、水が滝のように溢れ出てきた。

「ぎゃああああ!」

 水の勢いに圧され、大河と恥夜はベッドまで吹き飛ばされた。

「いてて……」

 大河がゆっくりと目を開く。水に濡れた恥夜の乳房が透けて見えた。
 その先に見える突起物が頭を立てている。
 かちっ、と恥夜は木刀を手にする。

「斬ります……!」

 その夜、大河は恥夜と一緒に、ベッドの上で格闘した。
 危うく死にかけたが。


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