ぱにっく85!三位の人。
その女は常に奴の背後にいた。というか狙っていた。
まるで暗殺者のように片時も休む事なく、奴を狙っていた。
大衆はこう思うだろう。『それってただのストーカーじゃ?』と。
彼女の面子も考えて訂正しておくが、彼女は断じてストーカーではない。私生活は覗き見ていないからだ。
学内で生活している時のみ、ストーカーになるのだ。
いや、本当に怪しい者ではない。
現に、彼女は東洋学区ナンバー三位の座にいるのだ。恥夜と対等に渡り合える程の実力があるのだ。
そんな彼女の名は、四位廼地位。
すらりとした体格をしており、腰まで行き届いた白の長髪が印象的だ。
頭の天辺からアホ毛が一本だけ飛び跳ねている。何も受信していないのに常に立っている。
気の強そうな目をしていて、顔立ちもどこか誇らしげだ。
が、中を掘り起こしても、ダイヤではなく石ころしか見つからない。劣等感の塊だ。
そんな地位は今、教室で授業を受けている。
恥夜のいる机に座るのが地位の中のルールだ。
妬みで一杯の地位の頭ん中では、恥夜はズルをして一位にいると思っている。
現実はズルなどしておらず、実力で頂点にいるのだが、それを認めたら己の敗北を意味すると思っているのだ。
「四位さん。話が――」
「三位ですから!」
四位廼地位という女は。
声をかけた生徒がビクッと震えていた。
授業が終わり、恥夜は教室を後にしようとしていた。
そんな後退る姿を、地位は狙っていた。
見ていても何も見つからないのは明白なのだが、地位は頭が少し故障気味なのでしょうがない。
「四位さん。話が――」
背後から先程話しかけてきた生徒の声が。
地位は俊敏に背後を振り向く。
「三位ですから!」
すかさず否定!
話しかけてきた生徒がビクッと震えていた。
地位が再び振り返った時には、もう恥夜の姿はなかった。
そんなこんなで昼食の時間が訪れる。
恥夜が学食を食べに行ったので、地位も学食を食べに行った。この行動が既にストーカー行為に匹敵している気がするが、とりあえず今は、地位の日常に注目しよう。
恥夜はカウンター手前の席に座っていた。地位は少し離れた場所に位置する、出入口手前の席に座っていた。ここではルールが発動しないようだ。
その後ろでは大河と関西姉妹が座っている。
出入口から二度も話しかけてきたあの生徒が現れた。
余談だが大河はキツネうどんを頼み、神戸はスパゲティを頼み、
「四位さん。話が――」
「三位ですから!」
「天丼や〜」
虎鉄は天丼を頼んだようだ。
叱られた生徒がビクッと震えた。
まったく、と身勝手なことを口にしつつも、地位はカウンターに向かった。
カウンターは割と空いている方だ。四、五人しかいない。
地位はカレーうどんの食券を片手に並んでいた。
「四番で並んでる方ー」
四番目に。
地位はカウンターに向かって叫ぶ。
「三番ですから!」
ひょい、と三番目に並んでいた生徒が地位を後ろに送った。
赤髪のツインテールの女性。顔立ちも凛々しさがある。
紅蓮祭。東洋学区二位の実力を持つ。
身長も一七五センチ以上はある。なかなかの長身だ。
「吐かせ。三番はこの祭様だ」
怒られた。
地位は何も言い返せなかった。
恥夜を追うのもいいが、まずは目先に立つ“この女“を越えねばならないのだ。
頑張れ! 地位!
負けるな! 地位!
と、祭が後ろを振り返った。ツインテールが半回する。
「そういえば、残念だったな。四位」
「ですから、私は――」
そこに、三度も叱られ続けてきた生徒が近寄ってきた。
怒り心頭の地位の肩を軽く叩き、恐縮気味に声を掛ける。
「あの実は……、前回のテストで私が三位に昇格して……」
祭が気さくな笑みを浮かべながら口にした。
「降格というわけだ。“四位“!」
地位に巨大な岩が落ちたきた。
そのまま思考停止状態となり、立ち止まってしまった。
その間に、次々と並んできた生徒に抜かされていたのだった。
頑張れ! 地位!
負けるな! 四位廼地位!
三位ですから!
いや、四位ですか(以下略)
とりあえず、今回からコメディ中心の話に戻ります。
ラブコメの『お約束』みたいなのって、裸を見られちゃったりとかありますよね?
主人公はビックリしたり殴られたりするわけなんですが。
見るもんは見てるんですねー。描写されてない部分とか。
桃ぱに!はそういう描いちゃ駄目な部分も描いている感じ。
というかそれってただのエロ小説じゃん!ってツッコミは華麗にスルーして、電柱に頭を強打(爆)
後、ツインテールは萌えます!(もう駄目だこの作者)
それと、明日の更新はお休みさせてもらいます。
『ひと夏の恋』という企画がありまして、明日はそちらの短編を書き上げてきます。
『氷点下0,5cmの望遠鏡に乗って』という短編です。
ツッコミどころ満載のタイトルなんですが、是非とも読んでみてください!
というわけで、次回更新は火曜日です。
恥夜と大河の間に良からぬ噂が……って話です!
お楽しみに!
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。