桃缶ぱにっく!魔法使いvs魔女教会!(85/133)PDFで表示縦書き表示RDF


桃缶ぱにっく!魔法使いvs魔女教会!
作:俺とキルマシーン



ぱにっく85!三位の人。


 その女は常に奴の背後にいた。というか狙っていた。
 まるで暗殺者(ヒットマン)のように片時も休む事なく、奴を狙っていた。
 大衆はこう思うだろう。『それってただのストーカーじゃ?』と。
 彼女の面子も考えて訂正しておくが、彼女は断じてストーカーではない。私生活は覗き見ていないからだ。
 学内で生活している時のみ、ストーカーになるのだ。
 いや、本当に怪しい者ではない。
 現に、彼女は東洋学区ナンバー三位の座にいるのだ。恥夜と対等に渡り合える程の実力があるのだ。
 そんな彼女の名は、四位廼地位(よんいのちい)
 すらりとした体格をしており、腰まで行き届いた白の長髪が印象的だ。
 頭の天辺からアホ毛が一本だけ飛び跳ねている。何も受信していないのに常に立っている。
 気の強そうな目をしていて、顔立ちもどこか誇らしげだ。
 が、中を掘り起こしても、ダイヤではなく石ころしか見つからない。劣等感の塊だ。
 そんな地位は今、教室で授業を受けている。
 恥夜のいる机に座るのが地位の中のルールだ。
 妬みで一杯の地位の頭ん中では、恥夜はズルをして一位にいると思っている。
 現実はズルなどしておらず、実力で頂点にいるのだが、それを認めたら己の敗北を意味すると思っているのだ。

「四位さん。話が――」

「三位ですから!」

 四位廼地位という女は。
 声をかけた生徒がビクッと震えていた。

 授業が終わり、恥夜は教室を後にしようとしていた。
 そんな後退る姿を、地位は狙っていた。
 見ていても何も見つからないのは明白なのだが、地位は頭が少し故障気味なのでしょうがない。

「四位さん。話が――」

 背後から先程話しかけてきた生徒の声が。
 地位は俊敏に背後を振り向く。

「三位ですから!」

 すかさず否定!
 話しかけてきた生徒がビクッと震えていた。
 地位が再び振り返った時には、もう恥夜の姿はなかった。
 そんなこんなで昼食の時間が訪れる。
 恥夜が学食を食べに行ったので、地位も学食を食べに行った。この行動が既にストーカー行為に匹敵している気がするが、とりあえず今は、地位の日常に注目しよう。
 恥夜はカウンター手前の席に座っていた。地位は少し離れた場所に位置する、出入口手前の席に座っていた。ここではルールが発動しないようだ。
 その後ろでは大河と関西姉妹が座っている。
 出入口から二度も話しかけてきたあの生徒が現れた。
 余談だが大河はキツネうどんを頼み、神戸はスパゲティを頼み、

「四位さん。話が――」

「三位ですから!」

「天丼や〜」

 虎鉄は天丼を頼んだようだ。
 叱られた生徒がビクッと震えた。
 まったく、と身勝手なことを口にしつつも、地位はカウンターに向かった。
 カウンターは割と空いている方だ。四、五人しかいない。
 地位はカレーうどんの食券を片手に並んでいた。

「四番で並んでる方ー」

 四番目に。
 地位はカウンターに向かって叫ぶ。

「三番ですから!」

 ひょい、と三番目に並んでいた生徒が地位を後ろに送った。
 赤髪のツインテールの女性。顔立ちも凛々しさがある。
 紅蓮祭(せきれんまつり)。東洋学区二位の実力を持つ。
 身長も一七五センチ以上はある。なかなかの長身だ。

「吐かせ。三番はこの祭様だ」

 怒られた。
 地位は何も言い返せなかった。
 恥夜を追うのもいいが、まずは目先に立つ“この(まつり)“を越えねばならないのだ。
 頑張れ! 地位!
 負けるな! 地位!
 と、祭が後ろを振り返った。ツインテールが半回する。

「そういえば、残念だったな。四位」

「ですから、私は――」

 そこに、三度も叱られ続けてきた生徒が近寄ってきた。
 怒り心頭の地位の肩を軽く叩き、恐縮気味に声を掛ける。

「あの実は……、前回のテストで私が三位に昇格して……」

 祭が気さくな笑みを浮かべながら口にした。

「降格というわけだ。“四位“!」

 地位に巨大な岩が落ちたきた。
 そのまま思考停止状態となり、立ち止まってしまった。
 その間に、次々と並んできた生徒に抜かされていたのだった。
 頑張れ! 地位!
 負けるな! 四位廼地位!


 三位ですから!
 いや、四位ですか(以下略)
 とりあえず、今回からコメディ中心の話に戻ります。
 ラブコメの『お約束』みたいなのって、裸を見られちゃったりとかありますよね?
 主人公はビックリしたり殴られたりするわけなんですが。
 見るもんは見てるんですねー。描写されてない部分とか。
 桃ぱに!はそういう描いちゃ駄目な部分も描いている感じ。
 というかそれってただのエロ小説じゃん!ってツッコミは華麗にスルーして、電柱に頭を強打(爆)
 後、ツインテールは萌えます!(もう駄目だこの作者)
 それと、明日の更新はお休みさせてもらいます。
 『ひと夏の恋』という企画がありまして、明日はそちらの短編を書き上げてきます。
 『氷点下0,5cmの望遠鏡に乗って』という短編です。
 ツッコミどころ満載のタイトルなんですが、是非とも読んでみてください!
 というわけで、次回更新は火曜日です。
 恥夜と大河の間に良からぬ噂が……って話です!
 お楽しみに!











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