桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!(78/168)PDFで表示縦書き表示RDF


桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!
作:俺とキルマシーン



ぱにっく78!東洋一の天才達の本気!


 滴れる鮮血が視覚を支配する。する筈もない鉄錆の臭いが嗅覚を刺激していた。
 鉄と鉄が噛み合い、競り合い、歯軋りを引き起こす。
 互いが互いを喰らう一心に(すが)り、野獣のように喰らい付いたそれを引き離そうとしない。
 この身に代えても守り貫く。ただそれだけだ。
 ただそれだけが、彼女の中にある支柱だ。
 神知恥夜の中にある、揺るぎなき信念だ。
 恥夜は木刀を握っていった。硬質化されたその木刀は大剣を押さえ付けていた。
 ただで押さえ付けることは不可能だろうから、そこには幾つかの魔法が使用されているのは明らかだ。
 だが、それでも恥夜の手からは血が滴れていた。
 咄嵯の反応だったため、遅れてしまったのだ。
 先程の巨人の無数の砲撃により衝撃を受けた壁。
 魔法圏(フィールド)内であるため、不具合が起きた場合は神経を通じて報告が行き届く。
 だから、予定より早く恥夜は駆け付けられたのだ。
 駆け付けられた瞬間の出来事だったため、恥夜も反応に遅れてしまったという仕組みだ。
 うろたえているホロをスコティッシュが掬う。
 スコティッシュはそのままホロを魔法圏外に出した。
 気付けば、あれだけ悲鳴を上げていた生徒達の姿が一人もいなくなっていた。
 どうやら全員が魔法圏外に送還されたようだ。
 恥夜は深く溜め息をついた。
 大剣が軋む。“木刀に力負けしている“。
 ラインヒルドが動じている。

「私の生徒達に何か用ですか?」

 恥夜は木刀に力を加え、腕を上に振り払う。
 大剣が弾き飛ばされた。恥夜は瞬時にラインヒルドの元に駆け出す。
 ラインヒルドは弾き飛ばされた大剣を持ち堪え、再度、横一線に振り払う。
 左右よりラインヒルドの元に駆ける、二人の天才。
 中心で合わさり、一つの弾丸となり駆ける。

「私が守りに入ります。貴方は攻めに入ってください」

 恥夜はその場を跳躍し、後方に向かって飛ぶ。
 その目下に大剣がスライドしながら現れた。
 そのままスライドしていけば、スコティッシュに直撃する。
 スコティッシュは分かっていただろう。だが、逃げなかった。
 いや、それ以前に気にしてなかった。

「――やり過ぎたね。君達」

 普段は細目の状態でいるスコティッシュが目を開いた。
 鋭い目つきで薄笑いを浮かべている。
 中空より降りて来る、恥夜が大剣に触れた。
 同時にスコティッシュがラインヒルドの腹部に触れた。
 二人は声を合わせて叫ぶ。

『リバース……!』

 瞬間、白い光が膨張し、周囲一帯を包み込んだ。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう