桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!(77/168)PDFで表示縦書き表示RDF


桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!
作:俺とキルマシーン



ぱにっく77!工事現場のロリコン


 全長百メートル、幅三十メートルの神々しい白銀の発光を放つ剣。その風貌は壮観である。
 剣の頂。白髪緋眼の小柄な少女が立っていた。
 紫色のコートの下に白いブラウスとフリルの付いた白のロングスカートを履いている。寒がりなのかもしれない。口元を隠すようにマフラーも巻いていた。
 少女は百メートル下にある地面に飛び降りた。
 直後。少女は片腕を後ろに回し、その剣の手を握った。
 飛び降りるのに臆したわけではないようだ。
 剣が斜めに傾いた。その風貌から相当な重量があるのは目に分かるが、少女はそれを軽々しく動かしてしまった。
 突き刺さっていたはずの剣は砂浜を掘り起こし、地面から離れた。
 重量感あふれる剣が少女に持ち上げられている。天秤の原理が覆されたようだ。
 少女はゆっくりと地面に降り立つ。背後に巨大な剣を構えながら。
 赤黒く澱んだ海面に剣の白銀が反射する。
 少女は脇に倒れているシュプリンガーに目を向けた。
 そして、周囲を見渡す。
 少女は生徒達を物色するように眺める。その中で二人。傷付いたものに焦点を合わせた。
 大河とキャッツだ。
 関西姉妹は二人をかばうように前に出る。その表情に余裕は見られない。

「サイクロプスを倒したのは、その人達?」

 関西姉妹は互いの顔を合わせ、首を傾げた。
 サイクロプスという言葉に引っかかったのではなく、単純に外国語で話されたからだ。
 少女も首を傾げていた。が、数秒も経たない内に状況を把握した。
 少女は日本語で言い換える。

「巨人を倒したのは、その人達?」

 関西姉妹はようやく理解した。少しだけ頬を赤らめている。自分達の馬鹿さが露呈されたからだろう。

「そ、そうや!」

「うちの学園の生徒じゃなさそうだね。――名前は?」

「……皆さんが知る必要はありません。“けど“」

 少女を足場を軸に半回転した。まるで小枝でも振るうみたいに軽々しく巨人な剣を横一線に振った。

「――もう皆さん死んじゃうから教えるよ」

 空気を引き千切るような音と共に全長百メートルのその剣が襲いかかる。
 生徒達の悲鳴が一斉に響き渡る。神戸は力一杯に叫ぶ。

「ッ……! 伏せろ!」

 悲鳴を上げながら、生徒達はその場に身を伏せた。

「よかったね。皆の寿命が二秒延びたよ」

 剣が一段階低くなる。
 地を走る剣が壁を喰らい、人を喰らいに走る。
 剣から逃げるように生徒達が走り出す。

「残念だったね。皆の寿命が二秒減っちゃたよ」

 剣の迫る速度が増す。
 最後尾を鈍く走っていたホロがその場で転けてしまった。
 ホロの真後ろには剣が。

「私の名前はラインヒルド。皆を殺した人の名前」

 瞬間、ガキンッ! という金属音が轟いた。
 黄金色のそこに朱の汚れが点を打つ。












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