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ぱにっく73!激突!東西一の貧乳娘vs六つ目の巨人……!!
 シュプリンガーの苦痛に満ちた叫び声が轟く。
 大河とキャッツの二人を狙って、巨人が拳を叩き付ける。
 叩き付けられた衝撃により、砂が浮き上がった。
 大河は右側に跳躍し、

「あんなの食らったら――」

 キャッツは寸前で左側に跳躍した。

「――ヤバいですわね!」

 巨人の腕が戻ろうとした瞬間、左側に立つキャッツが力強い目つきで甲を見据えた。
 後方に向かって走り出す。後ろポケットから生徒手帳を引き抜く。巨人との距離を置きながら、顔だけを背後へ向けた。

「ホールインワン」

 生徒手帳が白い輝きを放つ。
 データを読み込む。わずか十秒足らずで発動可能な状態となった。

「ホールインワン!」

 先程より力強く発声し、魔法名を叫んだ。
 巨人が腕が戻る直前、その人間の何十倍以上もの図体を中心とした円が走った。
 まるで砂を泳ぐ鮫のように、亀裂が円を描く。
 瞬間、巨人の姿が消えた。
 いや、消えたのではない。落ちたのだ。
 そこには、穴が空いていた。
 半径三十メートル程の巨大な穴が空いていたのだ。
 体半分まで埋まっていた。キャッツは息遣いを乱しながら、巨人に向かって疾走する。
 巨人が穴に落ちた衝撃。その全身が震え上がるような衝撃により、地面にあった砂が大量に浮き上がっていた。
 キャッツは狙いはそれだった。

「大河!」

 大河は巨人から少し離れた場所で待ち構えていた。
 キャッツと同じく、大河も巨人に向かって疾走する。
 しかし、大河の狙いは巨人ではなかった。
 狙いは、巨人の頭上で苦痛に歪んだ悲鳴を上げている、シュプリンガーだ。
 二人は交差するように巨人めがけて足を進める。

「ああああああ!」

 シュプリンガーが貫高い悲鳴を上げる。直後、巨人の腕が地を滑りながら襲いかかる。
 大河とキャッツは勢いつけて跳躍し、寸前で乗り越えた。
 キャッツは『タイプライター』を発動させた。
 金属製のようでそうでない革製のグローブ。銀色で塗装された、指先だけが露になったそのグローブの表面には、無数の引っ掻きに似た元素記号の山が刻まれていた。
 キャッツはタイプライターで空中に浮き上がった砂を触れた。
 タイプライターは性質や属性を変化させる力を持つ。
 触れた瞬間、砂が鉄に変わった。
 鉄の砂の量は多く、まさに穴を塞ぐ蓋になっていた。
 そう。二人の狙いはそれだった。
 大河はシュプリンガーに掴み、我が身に引き寄せる。
 キャッツは巨人から距離を置くために後方に向かって走る。
 鉄の蓋が巨人を封する直前。キャッツの目前に巨人の腕が。大河の目前にも巨人の腕が。
 先程の一発目。こちらが避けれたのではない。むこうが当てる気がなかったのだ。
 巨人の狙いは二発目。いや、一発目の延長線上か。
 双方の巨人の腕が、華奢な女性二人の背中を直撃した。


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