ぱにっく67!猫と虎には分からない巨峰の苦しみ!?
容赦なく照らす夏の陽射しをパラソルで遮る。シート越しから尻へと伝わる、砂浜の熱。
パラソルの下に女性が二人、羨まし気に前方を見ながら、体育座りをしていた。
爽やかな波の音が透き通るように響く。
前方では存分に海を満喫している水着姿の女性達がいる。それとは対照的に、パラソルの下では無地のTシャツの下にハーフパンツを履いたボーイッシュな姿の女性二人が日陰を独占していた。死んだ魚のように目に生が感じられない。
――話は数時間前に遡る。
大河とキャッツは東洋学区の学園長室に招集するよう命じられていた。
大河は恥夜から。キャッツはスコティッシュから。
スコティッシュもキャッツと共に東洋学区の学園長室に足を運んでいた。
猫姉妹(大河命名)が校舎の前に現れた時、大河は少し上の方を歩いていた。
長い塔に巻き付く蛇のように螺旋階段がくっついている。
「大河!」
キャッツにそう呼ばれ、大河は階段を上がるのを止め、後ろを振り向いた。
身長差の違う猫姉妹。
妹のキャッツは短身だが、スコティッシュは女性としては長身の部類に入るだろう。
豊満な胸の谷間が顔を出すタンクトップの下に脚線美が光るロングパンツを履いている。
背丈は百七十五センチ以上はあるだろう。
顔のラインに沿って整えられた短い黒髪。狐のような細目が印象的だ。
西洋学区の生徒も日本に馴染めば、日本色に染まるものだ。
「おお、猫目〜」
キャッツは足早に階段を上っていき、大河の隣に並ぶ。
その後ろからマイペースに階段を上がってくる、スコティッシュがいる。
大河とキャッツは軽く会話を交えながら、足を進めていった。
「大河も招集を受けたの?」
「大河もってことは、猫目もなのか」
「――どうやら“異端者を知る者“が招集を受けたようですわね」
「異端者しゃだか機関車だか知らないけど、早くシュプリンガーを助けに行かないと」
学園長室前に着く。
キャッツは呆れた声で言う。
「……前々から思っていましたが、学園長様を呼び捨てにするのはどうかと思いますわよ」
「そうかあ? 学園長って何か堅苦しくて嫌じゃん」
大河はノックも無しに扉を開け、堂々と中に入っていった。
テーブルのみが置かれた、空虚な室内の中心。
タンクトップをブラジャーの紐が見える位置まで捲り上げた、恥夜がいた。
いつもとは違い、ロングパンツを履いている。スコティッシュと色違いの服装をしている。
ブラジャーのワイヤーが悲鳴を上げるほどの、双方の大きな乳房が下に垂れている。
スー、とタンクトップを下ろし、何事もなく黒い鞘を掴み。
「いやいや! 不可抗力だよ!」
とか何とか言ってる人物の鼻から、源泉を掘り当てたみたいに大量の鼻血が出ているのは触れないでおこう。
――で、数分後。
「いよいよ機関車を倒しに行くのか!?」
鼻にティッシュを詰め込んだ状態の大河がいた。
メイドが地面に溢れた鼻血をデッキブラシで擦りながら掃除している。
「機関車じゃなくて異端者です。それと、まだ乗り込む手立ては出来ていません」
「では、今回は何を目的で招集を受けたのだ?」
スコティッシュがそう訊いた。恥夜はその場にいる全員に真っ直ぐな目線を送りながら、こう答えた。
「――“異端者対策本部“の設置に対する意見を聞かせてもらうためです」
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