桃缶ぱにっく!魔法使いvs魔女教会!(63/133)PDFで表示縦書き表示RDF


桃缶ぱにっく!魔法使いvs魔女教会!
作:俺とキルマシーン



ぱにっく63!行け!魔法使い達……!


 午後十二時。
 試験終了を告げる鐘が鳴った。同時にそれは休憩を意味する。
 試験から解放された生徒達が、疲れきった表情で会話しながら、試験会場となる店から出ていた。
 足並みは重く。中には肩を借りて歩く者もいる。
 無人と化していた校舎前通りが人波で溢れ返っていた。
 校舎前通りの中心。それら全ての者達がシェリルに魔力を吸い取られていた。
 シェリルは周囲の喧騒に耳を傾けずにいる。
 一際目立つ格好をしているためか、シェリルは周囲の的になっていた。
 芸者さんかな? と疑問を抱く生徒がほとんどだ。
 鐘が鳴り終わろうとしていた。
 刹那、周囲から続々と生徒が倒れる物音がした。人がドミノのように倒れているのだ。
 生徒達の疲労感は試験によるものではない。
 シェリルに魔力を吸い取られていたからなのだ。
 それでも、天才組の生徒達は数名立っていられた。
 シェリルは少し興味を抱いたのか、それらに目を向けた。
 シェリルの目に恥夜が入る。恥夜の顔は左頬を吊り上げた状態になっていた。

「汝、名を何と申す?」

 恥夜は腰差していた木刀に手を当てた。

「恥夜……神知恥夜」

 何の反応もせずに、シェリルはそのまま歩き進めた。
 歩みを止めるべく、背後から恥夜が精一杯の力で叫ぶ。

「待て……!」

 シェリルは歩みを止めない。後ろを振り向くことすらない。
 恥夜の体が落ちた。が、木刀を杖代わりにし、何とか持ち堪えた。
 先ほどまで立っていた、恥夜以外の天才組の生徒達も倒れてしまった。
 道端には人の川ができている。
 豊富な経験や実績から、恥夜はシェリルを異端者と認識した。
 恥夜は、今にも崩れてしまいそうな積み木のように脆い状態と化していた。
 それでも尚、果敢に立ち向かった。
 木刀を脇に構えながら、不安定な足並みで走り出す。
 目指す先は前方――異端者(シェリル)の元。
 シェリルの背中はがら空きだ。喧嘩慣れしてない素人でも一発入れられそうなくらいだ。
 その時だ。

「グウオオオオオオ!!」

 恥夜の背後から未曾有の雄叫びが高々と轟いた。
 地が恐怖するように震え、地鳴りを引き起こす。
 恥夜は巨大な人影で隠れていた。
 ゆっくりと後ろを振り向くと、そこには“七つ目の巨人“が仁王立ちしていた。
 全長五十メートル近くはあるであろうそのデカ物は、小さな水滴の塊で――魔力の塊で構築されていた。
 常に沸騰しているかのように、体の外側の線が震えている。
 青い炎で炎上したようなその巨人。読んで字の如く、人間が巨大化したような姿形をしていた。
 唯一、異なる点を挙げるとするならば、その顔面の中心に並んだ七つ目だろう。
 眼球を直接埋め込んだ形をしている。ゼリーの中にチェリーが入っているような感じだ。
 瞬きすることはない。常に開眼された状態でいる。妙な威圧感がある。

「――生か死か。汝に選択の権利を与えます」

 象と蟻。体格差が全然違う二匹の生き物。現状を表すなら、まさにそれだ。
 もちろん、恥夜が蟻だ。
 ただそれは、体格差での話だ。
 恥夜の心は、蟻のように小さくはない。
 恥夜は頬を震わせながら笑う。

「私は力に屈しません」

 金属が軋んだ音と共に巨人の腕が上がる。
 拳が太陽を隠す。シェリルは歩み続ける。

「其れが己の選んだ十字架ならば、命の果てまで背負い続けなさい」

 巨人の拳が振り下ろされた。
 地が悲鳴を上げる。
 八方に広がる地の亀裂。鮮血が周囲に飛び散る。
 拳が血を付着した状態で上がる。
 蛙の死骸のような恥夜が――いなかった。
 シェリルの背後に恥夜はいた。木刀を背中に突き立てている。

「私は力に屈しない。そう言ったはずです」

「汝の言葉は我の元に届いています」

 刹那、恥夜の眼光がかっ開いた。
 脇腹から“幻ではない本当の血“が流れていた。
 シェリルの人差し指から硝煙が出ていた。
 背中に鮮血を塗り付けるように恥夜が倒れた。
 シェリルは歩き進める。
 幾多の生徒達を地に置いていきながら。


 ヤバいです!後書き二日続けてとかもう関係ないです!
 なんと!桃ぱに!がアクランの二位に入りました!
 前にも言いましたが学園ランキングはなかなか入れないのだ!
 だけど、今回は全体的に少なかったせいか入れたのです!
 皆様のおかげです!ありがとうございます!
 昨日の話は作者お気に入りの話だったから、かなり嬉しい!
 ケータイの読者数も過去最高を記録してました!
 今回ので俄然やる気が出てきました!
 これからもよろしくお願いします!頑張るぞ!











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